自然を尋ねる人

自然の素晴らしさ、豊かさ、人と自然の係わり合いを求めて!自然から私たちにくれる贈り物を見つけるために今日も歩く。

春の七草

2006-01-05 09:55:20 | Weblog
元旦、2日と晴天で暖かい、3、4、5日は曇り空、寒くてという感じはしない。
今年も、もう5日が過ぎた。
「1月はいぬる、2月が逃げる、3月が去る」の言葉が分かる気がする。
今日は春の七草について考えました。
古詠に「セリ ナズナ ゴギョウ ハコベラ ホトケノザ スズナ スズシロこれぞ七草」とあるのでここから薬草分析をします。

セリ       

ナズナ     

ゴギョウ    

ハコベ     

ホトケノザ   

醍醐天皇の御世頃から始まったとされるお正月の七草粥も、昭和の飽食期には一時暦の上のみで姿が消えかけたが、最近はこれらを専門に作る農家も増え入手が楽になった。
さて、
セリはきれいな水の小川や湿地の畦に生息し、ビタミンA、B類 C、ミネラルの鉄分、カルシュウムも多く貧血、胃腸強化及び、お正月の食べすぎで弱った胃腸を回復させそして冬場のビタミンC不足を補います。
ナズナは五訂食品成分表を見てもミネラル、ビタミンが非常に豊富で繁殖力旺盛である。お正月の偏った栄養はこの草で一気に解消出来るとも言われている。血圧降下作用及び高血圧予防、便秘解消、利尿作用、整理不順等効果があり、案外この草から新しい薬が発見できるかも?との期待が持てる!
ゴギョウ(母子草)は灰色のビロード感触の葉が特徴であるが風邪に関する効果が見られ、風邪予防、扁桃腺炎、気管支炎、痰をきる等が知られる。このゴギョウはヨモギの代わりに入れてヨモギ餅モドキとしてよく利用されたそうです。
ハコベは塩と混ぜハコベ塩を作り歯磨きとして利用する。歯槽膿漏に効果があり、昔は虫垂突起炎を抑えるのに使ったと聞く。また最近流行の身体を弱酸性にする効果もあるようです。
ホトケノザは紫色の花が咲き毒草とも言われるシソ科の外来種と名前が同じなので間違われるが、正式には「コオニタビラコ」と呼び田圃に這いつくばった姿をして黄色の花が咲く。この草も胃腸を整える作用があります。しかしこの草は春の七草に入れるかどうかの議論が合ったようで七草のうちでも薬効を探すのに苦労した。
表題写真はスズナ(カブ)清白(スズシロ=大根)は食べたものの消化を助ける働き、免疫力を高めるなど一般に良く知られた存在です。
以上のような食材が医学知識が全く無い時代にすでに見つけられ、飽食のお正月の終わりに食べると決めていたのですから私たちの祖先はすばらしい感性と感をもっていたわけであらためて尊敬しなければなりません。