平成4年、今から18年前
ハゼ木の足にするモロギ(ネズミサシの木)を切りに
下御領の山王山神社から鳩岩を通り通称キツネ岩のある山へ登った人がいた

数年前には岩の前の木を切ったので岩の全体が見えていた
この岩は御領駅から見ると、鳥の鳩に似ていた
江戸時代の史書にも出ている
最近上御領森林組合が山の木を販売したから山ははげ山になっている

木を伐採したところの直ぐ西に村界石とキツネ岩がある

1587年御野村が分村し上・下御領村が出来た
それからしばらくして境界として「堺村」と刻まれたと推測する
その石の5m程下ると大キツネ岩がある
その下稜線50mに子キツネ岩がある

狐には見えずクジラの出来そこないにしか見えなかった

しばらく眺めていたらキツネの顔に見えてきた
史書にキツネ岩とあるのがうなずけた
話は前に戻ってモロギを切りに山へ入った人が
昼前なのに山から下の道に降りられず山の中をぐるぐる回ったと言う
堂々巡りをしたようだ
頭を冷やしながらそして休み、休み目印をつけて30分の道を
4時間かけて麓まで下りたとその人は話す
つまりこの山にはキツネがいてワシをだましたのだとまじめ顔で話した
この山の麓、井原線の御領駅がある場所近くで
昔々いたづらギツネが住んでおったそうじゃ
お盆になる前、チョイト1杯どぶろくをひっかけて
下御領村のダサクさんがキツネ岩へささきを切りに登った
ささきは面白いほど取れ、背中に背負うて山を下り始めた
が昼飯を食いその時一寸のつもりで飲んだのが悪かったのか眠くなった
半時ほど寝て山を下り始めたが下りる道がわからない
途中でコゲラがげらげら笑っているのも知らないで

堂々巡りをしていた
そうこうしているうちに日が暮れ出した

何がきっかけだったのか塚を見つけた途端に道へ出る事が出来、山を下りれた
御領駅近くまでおりたら日はとっぷり暮れていた

そんな時、着物姿のおんなの人が優しく声をかけてきた
何とか山を下りられた安堵感に
「ささき切りご苦労さん」と言われたので
あれほど痛めつけられたダサクさんなのに調子を合わせて
「別嬪じやのう」
「ありがとう、あれ汗臭いわ、お風呂に入らない」
と言われて、よせばよいのにその気になって
「ホイジヤ、背中を流してくれるかのう」
「喜んで!」
田圃の真中にいるのに気がつかんで、服を脱ぎ出した
そしてそのまま肥壺へめがけてザブーン
「ええ湯じゃのう」
いつの間にか着物の後ろから尾が出ている女の人は消えていた
「ネーチャンも入らんかー!ええ湯ドー!」
とあたりを見回すも誰もいない
臭いと言われたはずだ
その肥壺は昨日、近くのオヤジが自分のセンチから人糞を持ってきて
ここへ移したばかりだった
だまされた、と気づいたダサクさんはささきを置いたまま
我が家へましぐら駆け込んだとそうだ
そして、さんしち21日、家人と、ものも言わずに寝たそうな
だましたキツネが悪いのか、だまされたダサクさんが馬鹿なのか!
御領キツネもなかなかやるわい
ハゼ木の足にするモロギ(ネズミサシの木)を切りに
下御領の山王山神社から鳩岩を通り通称キツネ岩のある山へ登った人がいた

数年前には岩の前の木を切ったので岩の全体が見えていた
この岩は御領駅から見ると、鳥の鳩に似ていた
江戸時代の史書にも出ている
最近上御領森林組合が山の木を販売したから山ははげ山になっている

木を伐採したところの直ぐ西に村界石とキツネ岩がある

1587年御野村が分村し上・下御領村が出来た
それからしばらくして境界として「堺村」と刻まれたと推測する
その石の5m程下ると大キツネ岩がある
その下稜線50mに子キツネ岩がある

狐には見えずクジラの出来そこないにしか見えなかった

しばらく眺めていたらキツネの顔に見えてきた
史書にキツネ岩とあるのがうなずけた
話は前に戻ってモロギを切りに山へ入った人が
昼前なのに山から下の道に降りられず山の中をぐるぐる回ったと言う
堂々巡りをしたようだ
頭を冷やしながらそして休み、休み目印をつけて30分の道を
4時間かけて麓まで下りたとその人は話す
つまりこの山にはキツネがいてワシをだましたのだとまじめ顔で話した
この山の麓、井原線の御領駅がある場所近くで
昔々いたづらギツネが住んでおったそうじゃ
お盆になる前、チョイト1杯どぶろくをひっかけて
下御領村のダサクさんがキツネ岩へささきを切りに登った
ささきは面白いほど取れ、背中に背負うて山を下り始めた
が昼飯を食いその時一寸のつもりで飲んだのが悪かったのか眠くなった
半時ほど寝て山を下り始めたが下りる道がわからない
途中でコゲラがげらげら笑っているのも知らないで

堂々巡りをしていた
そうこうしているうちに日が暮れ出した

何がきっかけだったのか塚を見つけた途端に道へ出る事が出来、山を下りれた
御領駅近くまでおりたら日はとっぷり暮れていた

そんな時、着物姿のおんなの人が優しく声をかけてきた
何とか山を下りられた安堵感に
「ささき切りご苦労さん」と言われたので
あれほど痛めつけられたダサクさんなのに調子を合わせて
「別嬪じやのう」
「ありがとう、あれ汗臭いわ、お風呂に入らない」
と言われて、よせばよいのにその気になって
「ホイジヤ、背中を流してくれるかのう」
「喜んで!」
田圃の真中にいるのに気がつかんで、服を脱ぎ出した
そしてそのまま肥壺へめがけてザブーン
「ええ湯じゃのう」
いつの間にか着物の後ろから尾が出ている女の人は消えていた
「ネーチャンも入らんかー!ええ湯ドー!」
とあたりを見回すも誰もいない
臭いと言われたはずだ
その肥壺は昨日、近くのオヤジが自分のセンチから人糞を持ってきて
ここへ移したばかりだった
だまされた、と気づいたダサクさんはささきを置いたまま
我が家へましぐら駆け込んだとそうだ
そして、さんしち21日、家人と、ものも言わずに寝たそうな
だましたキツネが悪いのか、だまされたダサクさんが馬鹿なのか!
御領キツネもなかなかやるわい