JR福山駅を舞台にして見た不思議な夢。
窓口で「オセ ヨッタリ キョウト迄」と切符を買う集団がいる。
駅では言葉が通じないのか駅員は首をかしげる。
そして、誰かと相談したらしく少しは理解が出来たようだ。
「なんで」と聞いた。
その集団は「オウトデイ ミョウトで嫁さんを探しに行く」と答える。
駅員は又「なんで」と聞く。
「嫁さんを探しに行くのだ」と答える。
駅員は何で行くのかとしつこく、質問する。
集団は怒ったように「ヨーキケイ 嫁さんを探しに行くんじゃ」
その集団はついに泣きだして
「ワシラを馬鹿にしゃがって、もう止めた」と旅を打ち切ったのだ。
(のぞみ自由席と答えればよかったのに!)[夢とはいえ、それにしても不親切]
・・・目が覚めた、ここから福山発の民話が始まる。
むかしむかしある所の畑の地中にモグラの一族住んでいた。
モグラ一族のなかに、親に似つかないそれはそれはスタイルよしの美人でどこに出しても恥ずかしくない娘がいた。
若いもぐらの面々は嫁さんに欲しいとみんなけん制し合っていた。
お父さんモグラは「この娘は頭が良くて、お金があって、力があり、
この世で一番強いものの所へ嫁にやる」と言い一族のもぐらを集めて聞いた。
「この世で一番強くてえらいものはなんだろう。そこへ嫁にやりたいのだが」
それぞれ「あーだ、こーだ」と言っていたが
一人が「それはお日様だ、明るくしたり、暖たかくしたりしてくれるもの」
父親は「なるほど」とうなづき「おひさまにしよう」
そうしたら別の一人が
「お日様より雲の方が強いよ。お日様を見えなくしてしまうから」
「そうか、雲か、もっともだ」
又別の一人が
「雲よりも、おひさまよりも空の方がずっと高い所にあり、広いよ、百舌鳥だって空をバックに囀っているよ」
「空か、空が一番か。それでは空の嫁さんにするか」
「まった。空よりも台風の方が強いよ。あの風の強さ、雨を降らせ、雷を鳴らしすごく強いよ。昔からよく言うだろう。地震、雷、火事、オヤジみんな台風には負けるよ」
「でもなー!雨が降ろうが、風が吹こうが、雷が落ちようが土はしっかり受け止めるよ」
「そうだなー、我々が住んでいる土が一番強いなー。よし土のところ行くことを決めよう」
言葉がまだ終わらないうちに
それまで黙っていた若者モグラのリーダーが
「それは違うよ!確かに土は包容力はあるが、我々モグラは土に穴をあけ、自由に土の中を走り回り、家を建てているんだよ。だから土よりモグラの方が強よいに決まっている。もう一度我々モグラの強さを考えようよ」
この提案には全員拍手で受け入れられた。
お父さんモグラはうなずいた。
長い堂々めぐりの話し合いもようやく終わりが見えた。
「やっぱり、モグラがこの世で一番なのだ。わしは馬鹿な夢を見ていた。モグラが一番に間違いない」
と言うことで最後に提案した若者がこの娘を嫁にすることになった。
めでたし。めでたし。
補足
オセ・・・・・・大人
ヨッタリ・・・・4人
オートディ・・・兄弟
ミョウト・・・・夫婦
ヨウキケイ・・・よう、聞けい
モグラの言葉ではなく備後でよく使われていた方言
窓口で「オセ ヨッタリ キョウト迄」と切符を買う集団がいる。
駅では言葉が通じないのか駅員は首をかしげる。
そして、誰かと相談したらしく少しは理解が出来たようだ。
「なんで」と聞いた。
その集団は「オウトデイ ミョウトで嫁さんを探しに行く」と答える。
駅員は又「なんで」と聞く。
「嫁さんを探しに行くのだ」と答える。
駅員は何で行くのかとしつこく、質問する。
集団は怒ったように「ヨーキケイ 嫁さんを探しに行くんじゃ」
その集団はついに泣きだして
「ワシラを馬鹿にしゃがって、もう止めた」と旅を打ち切ったのだ。
(のぞみ自由席と答えればよかったのに!)[夢とはいえ、それにしても不親切]
・・・目が覚めた、ここから福山発の民話が始まる。
むかしむかしある所の畑の地中にモグラの一族住んでいた。
モグラ一族のなかに、親に似つかないそれはそれはスタイルよしの美人でどこに出しても恥ずかしくない娘がいた。
若いもぐらの面々は嫁さんに欲しいとみんなけん制し合っていた。
お父さんモグラは「この娘は頭が良くて、お金があって、力があり、
この世で一番強いものの所へ嫁にやる」と言い一族のもぐらを集めて聞いた。
「この世で一番強くてえらいものはなんだろう。そこへ嫁にやりたいのだが」
それぞれ「あーだ、こーだ」と言っていたが
一人が「それはお日様だ、明るくしたり、暖たかくしたりしてくれるもの」
父親は「なるほど」とうなづき「おひさまにしよう」
そうしたら別の一人が
「お日様より雲の方が強いよ。お日様を見えなくしてしまうから」
「そうか、雲か、もっともだ」
又別の一人が
「雲よりも、おひさまよりも空の方がずっと高い所にあり、広いよ、百舌鳥だって空をバックに囀っているよ」
「空か、空が一番か。それでは空の嫁さんにするか」
「まった。空よりも台風の方が強いよ。あの風の強さ、雨を降らせ、雷を鳴らしすごく強いよ。昔からよく言うだろう。地震、雷、火事、オヤジみんな台風には負けるよ」
「でもなー!雨が降ろうが、風が吹こうが、雷が落ちようが土はしっかり受け止めるよ」
「そうだなー、我々が住んでいる土が一番強いなー。よし土のところ行くことを決めよう」
言葉がまだ終わらないうちに
それまで黙っていた若者モグラのリーダーが
「それは違うよ!確かに土は包容力はあるが、我々モグラは土に穴をあけ、自由に土の中を走り回り、家を建てているんだよ。だから土よりモグラの方が強よいに決まっている。もう一度我々モグラの強さを考えようよ」
この提案には全員拍手で受け入れられた。
お父さんモグラはうなずいた。
長い堂々めぐりの話し合いもようやく終わりが見えた。
「やっぱり、モグラがこの世で一番なのだ。わしは馬鹿な夢を見ていた。モグラが一番に間違いない」
と言うことで最後に提案した若者がこの娘を嫁にすることになった。
めでたし。めでたし。
補足
オセ・・・・・・大人
ヨッタリ・・・・4人
オートディ・・・兄弟
ミョウト・・・・夫婦
ヨウキケイ・・・よう、聞けい
モグラの言葉ではなく備後でよく使われていた方言