家の娘と同い年で 近所にあゆちゃんというくりくりした大き目の可愛い子がいた 保育園 小学校 中学校 高校もずっと同じで 仲良くしてもらっていた そのあゆちゃんが去年交通事故で突然帰らぬ人となった 成人式に着る予定の着物も予約した後だった
成人の日 娘は式に参加する前に あゆちゃんのところへお線香をあげに行きたいといった 晴れ着でその家に行くのは あゆちゃんのご両親を悲しませることにならないかと 返事を拒んでいた 悩んでいるうちに式の時間となり そのまま式に臨んだ 式場に誰が持ち込んだか あゆちゃんの写真があった それを囲み仲間が記念撮影をする姿が見られた 式中 あゆちゃんのご両親からの祝電が披露された 「仲間でいてくれてありがとう」と
式も終わり仲間とも別れ 挨拶回りも済ませて 家に帰る寸前娘はやっぱりあゆちゃんのところへ行くといった 私たちも一緒についていき 気にしながら その家に入った 「あゆに会いに来てくれて嬉しい」と喜んでくれたので救われたが 親は複雑な気持ちだっただろうと察する 聞くと生徒会長だったゆうご君が 式の前に あゆちゃんの写真を持ちに来たという 友達もおおぜい来てくれたらしい すばらしい仲間に恵まれている あゆちゃんは星になってしまったがいつまでも仲間として みんなを見届けてくれることだろう そして優しい心を持った仲間たちは必ず立派な社会人に成長していくことだろう きょう購入した坂村真民の本に「こちらから」と言う詩があった紹介しよう
「こちらから」 坂村真民
こちらからあたまをさげる
こちらからあいさつする
こちらから手を合わせる
こちらから詫びる
こちらから声をかける
すべてこちらからすれば
争いもなくなごやかにいく
こちらからおーいと呼べば
あちらからもおーいと応え
赤ん坊が泣けばお母さんが飛んでくる
すべて自然も人間も
そうできているのだ
仏さまへも
こちらから近づいてゆこう
どんなにか喜ばれることだろう