ショット

見えないものを見る 感じたことを写真と文章でつづる暮らしと自然のフォト日記

兼六園の菊桜 6-6

2010-05-02 12:04:23 | 百花繚乱

金澤3日目のきのうは 半日だけの市内観光バスに乗った

兼六園にも寄った ソメイヨシノはもう終わって八重桜が満開だった

園内の説明をガイドさんがしてくれた 菊桜も咲いていた

300枚の花びらをつけ 花びらが散らずに花柄ごと落ちると説明した

確か園内には 佐野藤右衛門の接ぎ木した桜があるはずと 聞いたが

知らなかった 園内のボランティアガイドの人にも聞いたが 知らない

私も忘れていたが後で調べたら この菊桜がそうだった 

国の天然記念物だった先代は枯れてしまい この菊桜は2代目

300年を超える名桜ということで佐野藤右衛門さんのおじいさんが

苦労して接ぎ穂を手に入れた それが大戦で行方不明になった

親の木が弱ってきたころ父親が 接ぎ穂をもらってきて試すがつかない

新聞紙を濡らし それに包んだり いろいろ工夫して持ってきたが だめだった

接ぎ穂のためとはいえこれ以上切ると木は弱る 

何度試してもだめならもうあきらめてくれ といわれ 

それでも最後にもう一度と頼み 

朝日が出る まだ夜露が残っているうちに接ぎ穂を切り

乾かぬようにそれを口にくわえ 京都まで運んだ

それがついた 雨が降れば夜中に起きてビニールをかけてやったり

虫が付かないように手当てしたり 苦労して育てた

その菊桜を 昭和42年に兼六園に返した

きのう 知らずに見た菊桜は その花だった