今月から着物も袷に変わります。
先日の京都での同窓会では茶道部OBとして呈茶のお手伝いをさせていただいたので、着物で出席。
同窓会だけなら何を着てもよいものの、お茶の席があるので無地紋付に川島の袋帯を合わせました。
薄桃色の着物はやさしい気持ちになれるお気に入り。
そして、昨日はお茶の稽古。
今度はガラッと気分を変えてみたかったから、大島を出してきました。
高価な着物だけど、もともとは仕事着。
この大島は母にもらったもの。
今となっては形見となり、大切にと思いながらもしまっておいてはいけないと、あとのお手入れはちゃんと出すと決めて、気軽に着ています。
もう一枚の上等の方は滅多に着ないのですが・・・。
大島特有の衣擦れのおとは、何となく気持ちをシャキッとさせてくれます。
帯は今月しかしめられない、秋草の帯。
本当を言うと秋草は今月ではないのだけれど、袷の帯だから夏にも9月の単衣の時期にもしめられなくて、やむなく10月にしめています。
もともと買ってもらったのは嫁入り前。
金茶色の着物と合わせて買って、冬でも使っていたのだけれど、菊の花とススキでは季節を選ぶのだと知ったのはお茶のお稽古のおかげです。
短い間しか使えないなんてもったいないような気がするけれど、逆に毎年この時期に出してしめればよいのだと自分に納得させて。
こうして今年もお目見えさせることができました。
実際お茶の稽古でどうかというと、実は私は動きづらいのです。
なんでしょう、やっぱり大島じゃない紬とかちりめんの着物の方がお茶の動きに合っていると思います。
そう思うと違うのにしようと思うのですが、つい手に取ってしまうこの一枚。
やはり身に纏うと母を思いだし、身近に感じることができるからでしょうか。
そうしてついつい切なくなるのに、それでも思い出したくて。
そうそう、昨日は帯揚げも母が遺してくれたもの。
大切にしてほとんど使っていなかったんだろうなあ、こんなに私が使っていいのかなあ…そう思いながらも、きっと私が使うことを喜んでくれているに違いないと都合の良いように解釈をして。
大切に使います、ありがとうと心の中でそっとつぶやくのでした。