はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

『専業主婦は2億円損をする』

2019年08月15日 | 
2019/08/15



2017年11月発行の本ですが、図書館で見つけて題名にひかれて借りてみました。

 

2億円というのは、女性が生涯、正規雇用で働いて手にする収入のことだろうなと思いつつ、期待せずに読んでみたのですが、とてもおもしろく読みやすく、かつ、ためになって、私の中では久々のイチオシ!

著者は橘玲氏ですが、マガジンハウスの女性編集者にこの本の執筆を頼まれたとき、最初は「なぜ、自分が専業主婦の話を書く?」と思ったそうです。
女性が書くと、〈私はがんばっている〉になって共感されないからということで、女性ライターに原稿をまとめてもらい、それをベースに橘氏が書き直したそうです。それで、この本は編集者、ライター、橘氏との共作。

私がおもしろいと思ったのは、この本のベースに女性学の視点があるからで、経済が疎い私も経済学のこともちょっぴり知れてよかった。

15年ほど前、大学の女性教授が「最近の子は専業主婦に憧れてるのよ、びっくりしちゃう」と言っていました。その当時、私は専業主婦ってそんなにいいものじゃないよ、くらいの意識でした。

高収入の旦那さんに働いてもらって、自分は家でのんびり・・・。
というだけではなさそうで、会社での女性への不平等、男女賃金格差、共働きの家事、育児への女性の負担が背景にあって、若い子たちはその大変さを薄々感じていて、そういう発想になったのだなと思ったのですが、今の女子大生はどうなのでしょうね。

本のプロローグに書いてある「専業主婦とは」。

(引用)
・専業主婦はお金がない
・専業主婦は自由がない
・専業主婦は自己実現できない
・専業主婦はカッコ悪い
・専業主婦になりたい女子は賢い男子に選ばれない
・専業主婦には「愛」がない
・専業主婦の子育ては報われない
・専業主婦は幸福になれない
・専業主婦は最貧困のリスクが高い

全部まとめると、専業主婦にはなにひとついいことがない (引用終わり)


こう書かれてしまうと・・・家族のために専業主婦を選択してきた女性は身も蓋もない。
この本1冊に、それはなぜなのかをデータも使って述べています。

それが「なるほど~!」で、もっと早くに知りたかった知識です。
私にはもう遅いかもですが、若い人には特に読んでもらいたい。そして、収入、経済的自立、自由を得て、賢く幸せな人生を歩んでもらいたい。



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