2020/12/17
介護の記録として参考になり、また女性として主婦、嫁としての葛藤が共感できて、一気に読んでしまった本でした。
著者の野田敦子さんのことは、私は「カリーナさん」として、7~8年前からブログを拝見していたのです。その時は本名は存じあげませんでしたが。
カリーナさんのブログ ↓
大阪でコピーライターをなさっており、ブログに書かれている日常のちょっとした気づきに、私は「なるほど」とか、「そうそう」と思ったりしていました。
そのカリーナさんのブログは、私がパソコンを新しくしたときから、しばらく見ていませんでしたが、今年初めにふと覗いて見ると、ご主人を介護していることが書かれていました。
2018年にご主人が脳内出血で倒れ、遷延性意識障害となってしまったのです。
ブログに介護の様子を書かれたことから、昨年、共同通信社の企画により地方新聞24紙にコラム「献身と保身のはざまで」を連載されました。
今年10月には、主婦の友社より単行本『夫が倒れた!献身プレイが始まった』を出版されました。
本の紹介には、「突然始まった夫の介護、どこまでやれば合格なのか? 頑張ろうとすればするほどプレイのように思えてしまう。介護の本音満載。」とあります。
倒れた当日の様子から、心の揺れも迷いも悩みも克明に書かれています。これは、家族が倒れたときにどうするかを知るうえでも、大変に参考になりました。
いつ自分のもとにもやってくるかもしれない介護です。
妻だったらこうするもの、嫁としてはこうすべきだ、というそれまでの常識に疑問を抱きながら、夫のことを考えつつも、自分の状況や本音を大切にしています。
混沌として言葉にならなかった胸の奥、生活の中で気づかなかったものが、少しのユーモアと悲しみを伴って、言葉となって示されるのです。それにハッとしたり、気づかされたりしました。
私はこの本を、まず、わが夫に読んでもらいたいと思いました。そして、知り合いの同年代の女性たちにも勧めたいと思いました。