2022/04/11
一か月かかって『プーチンの実像』を読み終えました。
3月29日にこのブログに感想を書きましたが
この時点では、まだ読んでいる途中でした。
だから本の内容を書いたというよりは
当時の状況の自分の感想を書いたようなものでした。
本書から興味をひく部分を抜き書きして
自分の覚えとして、載せておきます。
・・・・・引用・・・・・
プーチンは少年時代、自分が問題児だったと認めている。
影響を受けたソ連映画『盾と剣』によって、自分はスパイになろうと決めた。
影響を受けたソ連映画『盾と剣』によって、自分はスパイになろうと決めた。
少年時代、出来が悪くケンカばかりしていた。無謀なところのある性格だ。
ゲボルクヤンは、プーチンの行動原理は負けること、侮辱されることは許さない、と言う。
彼には立ち上がる民衆や欧米の策謀によって、ロシアという国家が崩壊に追い込まれることへの抜きがたい恐怖があるのではないか。(P.54)
ドイツの週刊誌「フォークス」のモスクワ支局長を務めたボリス・ライトシュターによると「プーチンは(KGBの東ドイツ時代に)ドレスデンで、民友が権力に牙をむくことによって、国、そして自身の穏やかな生活が崩れ去るのを目の当たりにした」(p.55)
プーチン自身は私有財産を認めない共産主義には批判的だった (p.63)
バラバラになりかねないロシアという国をまとめるには外敵が必要だった。
外敵はNATO。NATOに加盟させるために(ソ連邦崩壊時に)東欧を解放したわけではない。その不信感を森喜朗(当時、総理の森はプーチンと親しかった)に露わにした。(P.74)
プーチンを直接知るロシア人の多くが、接した人々を魅了する「人たらし」の才能がプーチンにあると語る。「あの愛想のよさはKGB流だ。警戒することをお勧めする」
プーチンは返杯者に大変な敬意を払う。あれは柔道から学んだに違いない。(p.90~91)
プーチンは相手国との会談前に、郵便はがきをひとまわり大きくしたようなカード数十枚の束を手に持ち、落ち着きなく室内を歩き回りながら、目を通していた。
プーチンは首脳会談の際に、相手の家族だけでなく、相手国との貿易高やその変化、協力が進んでいる分野などを資料を見ることもなくそらんじて見せるのが通例だった。そのためにこんなに事前に準備をしていたのかと感心させられた。(P.96)
「気配りの人」という印象だったが、阪神大震災の1か月後に大阪に来たときは違っていた。冷たい印象だった。(p.126)
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参考までに、その時の新聞記事。
・・・・・引用続き・・・・・
1999年の大晦日、エリツィン辞任で大統領代行になる。わずか3年4か月で最高権力者に上りつめた。
度胸と年長者に気に入られる人たらし。その行政手腕と忠誠心。
プーチンは、自分以外の誰も信じることができなくなってしまった。引退すると言った二日後には自分がどうなってしまうかわからない不安がある。権力の座を去ることは自分を物理的な危険にさらされることを意味する。
権力を握っている間は、国の治安組織が守ってくれるからだ。(P.196)
プーチンは戦術家だ。しかし戦略はない。
プーチンは中国に大接近するのも欧州に拒否されてしまったからだ。
ケイト―研究所のイラリオノフ(経済問題担当大統領顧問)は言う。
プーチン政権最初の8年間で、権力に挑戦するものは消去された。あるものは物理的に。あるものは政治的に。あるものは経済的に破綻に追い込まれた。
現在、その結果、ロシアにはプーチンに対抗するものは誰もいなくなってしまった。(p.248)
プーチンがああなったのはいつからなのか、というのは重要な問題だ。2014年に、クリミア併合で正解秩序を破り、国連憲章に違反した。
彼は服従することに慣れた人物を登用していった。
権力を掌中に握るための原動力となったのは、石油・天然ガスなどの資源産業だ。(p.250)
誰もプーチンの言葉を信じない。プーチンは今やロシアの足を引っ張る存在なのだ。ロシアと話をつけようとするとき、彼を相手にするしかない。なぜならすべて彼一人で決めてしまっているからだ。(p.267)
ウクライナに米国のMD(ミサイル)システムが配備されることになれば、ロシア本土のミサイル攻撃システムが事実上壊滅的になる。
ロシアがクリミア半島を併合したのは最大の動機は、ウクライナのNATO加盟阻止だった。
「侵略者は誰かに留められない限り、侵略を続けることを歴史は示している。ナチスドイツもソ連も、かつての日本もそうだった」
(ウクライナを欲しがった)ロシアはむしろウクライナを失ったのだ。いつでもどこでもロシアを後押ししてくれた4500万人のウクライナ人からの、数世代にもわたる信頼が失われる重みを、いったい何と比べられるのか(p.304)
・・・・・・・
最後の文章は、まるで最近のウクライナ侵攻後に
書かれたもののようですが、2019年の文章です。
ほんとうに、この本を読むと今のこの状況が
分かっていたかのような内容に驚かされます。
毎日、ウクライナの悲惨な状況が
トップニュースで伝えられますが
状況は少しはよくなってきているんでしょうか。
停戦交渉は進んでいるのでしょうか。
どうしたらプーチンを止めることができるのでしょう。