はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

成田悠輔×林真理子さんの対談

2023年05月18日 | 
2023/05/18


今日は暑くなりましたね。
東京は33℃です。

しかし、まだ地面や建物からの
放射熱がないので
真夏よりは過ごしやすい感じがします。


ネットで
成田悠輔×林真理子さんの対談を
見たのですが、これが興味深かったです。

この二人の取り合わせがおもしろいな
と思いました。



成田さんはときに鋭い発言をするけれど
ああ、そうだなと気づかせられるというのか
その見識に驚かされることがあります。


林真理子さんは昔から好きで
たくさんの本を読んできました。

ずっと時代ごとに
流行を読んできたような気がします。


さて
3つほど印象に残った話を
書いておきたいと思います。


みんなが見て楽しむスポーツの位置づけが
興味深いのです。

スポーツは戦争のマイルドなバージョン

成田さんのこの言葉にまず驚かされました。

「内戦をしているアフリカの国なんかで
ワールドカップに出場できたりすると
内戦が減るらしい」

「戦争とか暴力の代わりに
ガス抜きをする装置として
スポーツという疑似戦争があるんだと思って」

「グツグツとした不満を
ガス抜きする装置としてしか
スポーツは機能しなくなっているのかな」

私見ですが
だから男性のほうがスポーツが
好きなのかなと思います。

男性は勝ち負けのはっきりしたゲームを好むと
男性だけが戦っている
野球やサッカーや相撲のテレビを見て
思ってます。


そして音楽の話。

「どうして音楽ってあんなに熱狂を
作り出すんだろうって」

「本は、読んで人が熱狂する事はないのに
音楽だけが特殊だなと思う」

「いろいろな創造活動があるなかで
圧倒的な熱量を音楽が作り出せる
ってなんでなんだろう」

「音楽だけが文化の中で救いなんだろうな」
と成田さんは語っています。


確かに。
私も音楽ってどうしてこんなに感情を
揺さぶるのだろうと
思ったことがあります。

音楽を聴くと
空気がガラッと変わることがあります。
元気が出たり
悲しくもないのに、突然泣けたりね。

本にも感情を動かされることは
ありますが
心の底に深く沈んでいくような感動で
体で表現するような感動とは違いますね。


活字文化の話。

「若者が活字離れしてるっていうのは
嘘だと思うんです。
本や新聞・雑誌という文字のまとめ方から
離れてるだけで
LINEでチャットしたり
Instagramやネットニュースを
見続けてるじゃないですか。
 
1日中SNSを見ているわけだから
文字を見る量は減っていない」

「だからどういうタイプの活字に触れるか
というのだけが変わってきている」

「本は自分の内側に流れる時間と向き合う
“体験”を提供するんだっていう立場です。
ある種の瞑想体験みたいなものを
提供するのが本なんだと
再定義しちゃうのがいいと思います」

「人は有史以来、何かを書いてきたのだから
言葉を書くとか発するというのが
人間の1番根本的な欲望の1つではないかと思う」


この考え方もとてもおもしろいです。

ネットのSNSと、紙の本との違いを
深く考えたことがなかったけれど
どんどん表層的に流れていく情報であるか
自分の内面に向かう作業であるか。
その性質を言葉にしてくれて
違いが明確になりました。


本は書き上げるのに
大変に手間がかかるけれど
それを読むほうもかなり時間がかかる。

送り手と受け手という違いはあれど
どちらも自分の内面に深く入っていく
作業であることは共通してますね。


対談の冒頭のほうですが
林真理子さんが
「もっとも意識しているのは、
偉そうな印象を与えないことですね。
作家という職業は基本的に偉そうに見られがちなので、
〈金持ちのオバサンが上から目線で書いている〉
なんて思われたら
何を書いても真意が伝わりません」
といっているのが、なんだか納得。

ちょっと話が逸れますが
昔トレンディドラマに出ていて
今も活躍中の美しい女優さんが
Instagramにのせる写真に気をつけている
というのを読んだことがあります。

女優というだけでお高くとまっていると
思われてるので
白いご飯や納豆の写真を載せたとしても
有機栽培の特別なものを
載せているんだろうと思われてしまう、と。

今はなんでも気を使わなくてはいけない時代に
なりましたよね。





「With digital」のリンクを下に貼りましたが
最後に対談のYou Tube動画もあります。

動画は二人の表情が見えるので
文字に書かれたものと
若干、ニュアンスの違いが感じられます。
(書き起こした対談は一部
加筆修正が加えられているそうです)







コメント
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