はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

「女ことばってなんなのかしら」③ 日本語の特徴とは

2024年10月02日 | 
2024/10/02



少し前に『女ことばってなんなのかしら』
の感想を書いていましたが
私の興味があちこちに行くので
すっかり別の話題を書く毎日でした。

しかし
この本の内容もおもしろく興味深いので
自分の備忘録としても
続きを書いていきたいと思います。




〇日本語は自動詞が好き

「風呂が沸いた」
「ご飯になる」
「ビールが冷えている」…

日本語では行為は人間によって
起こされると考えられず、
むしろ自然に起こった出来事と見做される。〉

風呂を沸かした人がおり
誰かがビールを冷やしたんでしょう。

「今月からランチにコーヒーがつかなくなりました」

それを決めた人がいるはずだが…

〈西洋語は他動詞中心言語、
英語は≪する≫的な言語で、
日本語は≪なる≫的な言語である〉(p.85)


〇日本語は受け身が好き

村上春樹の小説に
「ある日、口をききたくないと告げられた」
とある。

ドイツ語訳では、彼らが告げた、となる。 
すると、主人公の無力感や悲しみが薄まる。

日本語は語り手の立場から受け身で語る。
西洋語では客観性のある能動文が好まれる。

〈西洋語は、人間がなすすべもなく翻弄される状況をあまり好まない〉


日本語の特徴をまとめると

・遠回しの拒絶。 (今日はちょっと…)
・否定的な表現を避ける。 (嫌いとはいわず、あまり好きではない)
・罵倒語や悪態が少ない。 (翻訳者共通の悩みだそう) 
・激しい愛の言葉も少ない。
・命令形を避ける。 (「来い」ではなく、「来てくれ」「(かならず)来ること」)
・日本語は女性的である。 


・主語がない、とは誰がやったのか いいたがらないこと。
・主観的、とは事実よりも自分はどう思ったかについて語りたがる。
・受け身が好き、とは自分がやったのではなく、相手のせいだといいたがること。
・自動詞が好き、とは自分がやったのではなく、自然にそうなったといいたがること。
・罵倒語や悪態が少ないとは、品のない言葉を使いたがらないこと。
(p.95)


喧嘩の言葉に「お前の母ちゃんでべそ」
というのがありますね。

よく子ども同士、特に男子が使っていた
印象があります。

どういう意味なんでしょうね。
悪口、罵倒語としたら滑稽な感じがします。

〈突き詰めて考えると、でべそは悪なのか、
障害なのか、病気なのか
母ちゃんである意味は?
 なぜ「おまえ」ではないのか。〉

 
鎌倉時代の「御成敗式目」に
このことが書かれているそうです。

『中世の罪と罰(笠松宏至)』という本によれば
お前の母ちゃんの身体を知っている
という意味だそう!

なぜ、父ちゃんでべそでなく
母ちゃんでべそだったのか…。

これは意味深な言葉ですよ。

 

この本を読むところまでは
手がまわらないけれど
興味のある方は読んでみてください。




コメント
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