はちみつと青い花 No.2

飛び去っていく毎日の記録。

恩蔵絢子著『脳科学者の母が、認知症になる』

2023年02月19日 | 
2023/02/19
 
 
脳科学者の恩蔵絢子さんとお母様のことは
1月7日のNHKスペシャルで見ました。
 
そのとき私には少し驚いたことがあったのです。
 
お母様は音楽(声楽)を
やっていらしたそうで
家で教室を開いていたこともあったそうです。
 
「音楽療法」という言葉もあるように
音楽は脳によいと思っていたのです。
 
音楽家はボケにくいということも
聞いていました。
 
その音楽をやっているお母様が
65歳という比較的早い年齢で
アルツハイマー型認知症を発症したことに
驚きを覚えました。
 
これは本を読んでみなくては、と思いました。
 
 
 
 
アルツハイマー病は脳に
アミロイドβというたんぱく質が溜まることによって
起きる病気です。
 
 
私が最初に疑問に思って
本を読むきっかけになった
「音楽家は認知症になりにくいか」
ということについては
こんなふうに書いてあります。
 
 
〈音楽療法や回想療法については、アルツハイマー病の「進行」に対して効果があると科学的に示すデータはない。
音楽療法はアルツハイマー病に付随した、不安、鬱、無気力など「感情的」な問題に対しては有効であることがわかっている。
どんなに認知機能が衰えても、音楽に合わせて体でリズムをとるなど、音楽自体を楽しむことは可能で、その人の生活の中に楽しい時間が少しでもあるとことが「心の落ち着き』につながると考えられている。〉(p50)
 

音楽が認知症を予防をするかという点については
言及されているところはありませんでした。
 
脳の損傷を直すことはできないが
感情面のケアはできるということのようです。
 
 
この本の副題にある
「記憶を失うと、その人は、その人でなくなるのか?」
については
「認知症はその人らしさを失う病ではない」
と書いています。
 
「何が好きで、何が嫌いか、物事に対してどういう反応をするか、という感情は、多少極端になったところはあるものの、ほとんど変わっていないのではないか、と思われる」(p.163)
 
感情の記憶は残るとのこと。
 
認知症の人でも好きなことや楽しいことはあるし
そういう幸せな感情を保って
過ごしてもらうようにするのが大切なようです。
 
 
お母さんがこのような行動をとったのは
こういうことだったのではないかと
考察するところは、脳科学者であり
一緒に暮らした娘ならではと感じました。
 
 
私は区の講習を受けて
「認知症サポーター」のカードをもらっています。
 
実際の手助けはしたことがありませんが
サポーターとしての理解を深めていくのに
役立つと思いました。
 
認知症の家族を持つ方々にとっては
家庭内のエピソードが
具体的に書かれているので
参考になることが多いのではないでしょうか。
 
 
 
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