顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

湯遊ランドはなわ

2019年12月01日 | 温泉

福島県東南部の塙町にある湯岐温泉は、500年もの歴史を持ち江戸時代には、水戸藩の学者藤田東湖も湯治で長滞在したと伝わる、知る人ぞ知る秘湯です。

その一角にある「湯遊ランドはなわ」は公営の宿泊施設で、日帰り入浴、キャンプ場の施設も併設しています。

ここは標高540mの山の上なので、周りには手付かずの自然が残り四季の変化を満喫できます。早朝敷地内の小高い山に登ってみると11月なのに厚い霜柱が下りていました。

温泉は東日本大震災後、平成24年新たに掘削された新しい源泉で、PH9.69のアルカリ性単純泉の温泉成分に炭酸水素イオン、若干の鉄分も含まれ、肌がすべすべになると評判の湯です。

四方を山に囲まれた立地から、特に露天風呂は周りの自然を独り占めしているようで、熱すぎない湯加減がちょうどよく長湯をしてしまいます。

源泉は温度25.7度、昇温のため循環させて男女内風呂、露天風呂に供給しているそうです。

最近はグラウンドゴルフ愛好家のためにコースも整備され、この日も高齢者で賑わっていました。

隣接のダリア園は広さ7000㎡、老人会や婦人会など地元の方々の手入れによって8月から10月にいろんな種類のダリアが咲き揃います。

幕府直轄領だった江戸時代の塙町、その植田村の名主を務めていたという家の古民家が移築されています。建築年代その他不明ですが、凝った造りに当時の上層農民の暮らしが偲ばれます。

交通の便も悪い山の中の低額で泊まれる宿で、公営施設のため万全なサービスも期待できませんが、自然と温泉以外何もないのがかえって魅力なのかもしれません。

白砂青松100選…鵜の岬の国民宿舎

2019年05月19日 | 温泉
白い砂と青々とした松…、日本の美しい海岸の風景をたとえた100選の鵜の岬に建つ国民宿舎「鵜の岬」は、全国82の公営国民宿舎の中で宿泊利用率が29年連続トップ、なかなか予約が取れないことでも有名です。(最近では空室情報がホームページで掲載されるようになりました。)

太平洋に突き出た絶好のロケーションの中に、ホテル棟、レストラン棟、日帰り入浴棟や海沿いの遊歩道、お子様の遊び場「わんぱく砦」、スイレン池などが配置されています。

さてその「鵜の岬」で、もと山の会会長の96歳の誕生会に招待されました。
なんとびっくりするほど元気なスーパー老人の会長なので、グラウンドゴルフ2ラウンドやってから、温泉に入ってランチをいただくという贅沢なプランです。

林に囲まれた西側の一画の芝生広場でグラウンドゴルフができます。サツキも満開でスコアはともかく自然を満喫できるコースを充分に堪能しました。

展望風呂は8階にあります。たまたま他の入浴者がいなかったので撮影できました。ナトリウム硫酸塩泉のサラッとした泉質ですが、何よりも北東側に広がる広大な太平洋と白砂青松の眺望は素晴らしく、このホテルの人気の原因はこのロケーションに尽きると思いました。

海の幸中心の松花堂弁当、ここの魅力の一つと言われる料理の美味しさが充分詰まっていて思わず完食…、日に日に加齢を感じてしまう最近ですが、大先輩の姿にこちらの方が逆に元気をもらってしまった楽しい一日でした。

格安ホテル

2015年07月19日 | 温泉

格安がうたい文句のホテルに行ってきました。一泊2食に飲み放題(1時間)がついて、なんと5,325円(税別)!4月に学生時代の演劇部仲間5人で泊まり、にごり湯が素晴らしかったので、近所の飲み仲間を誘い6人での再訪です。
那須高原の1200mの高地にある高尾温泉、周りには何にもない行き止まりのロケーション、4階建ての72室もある大きなホテルですが、今は格安ホテルグループが営業しています。
徹底した合理化がとられており、フロントは朝8時頃から夕6時頃まではスタッフが対応しますが、それ以外はガードマンです。食事は朝夕ともバイキング、夕食の飲み放題は1時間のため、長居の客はいません、料理内容も値段相応ですが、不思議なことに誰もまあこんなもんだと納得しています。結局、価格とサービスの位置関係をしっかりと理解できているということになります。



さて自慢の露天風呂、毎分1000lのにごり湯は少しぬるめの36度、那須七湯の1つで、江戸時代には山岳信仰の登山者に利用されたことから「行者の湯」とも呼ばれていました。含硫酸塩硫化水素泉の温泉で、豊富な湯の花が浮き沈みする白濁した湯は人気があり、ホテルができる前は無料の露天風呂として知る人ぞ知る名湯だったようです。
建物から少し離れた露天風呂は、手作りのような囲いで覆われただけの野趣あふれた作りで、入浴中突然の雷雨にびしょびしょでホテル内に逃げ込みましたが、夜は下界の明りを眺めながら長時間浸かることができました。
アルコール、つまみ類は途中のコンビニで仕入れて部屋での酒盛りも盛大にできましたし、1200mの眺望とたっぷりな硫黄泉を価格以上に充分満喫できたと思います。