水戸の梅まつりが、20日から3月末まで偕楽園と弘道館で始まりました。
昨日は、観光ボランティアの弘道館当番日、公園内の梅の開花はまだ10%程度ですが、正庁前の八重寒紅がちょうど満開でした。この品種は、春に先駆けて一番先に咲き出しますが、図鑑には雌しべが退化して果実はほとんど結実しないと載っています。
174年前、水戸藩9代藩主徳川斉昭公が創建した弘道館は、総面積178,000㎡で当時全国一の規模、ここで培われた尊王攘夷思想が幕末の各地の志士たちを先導しました。
しかしここで学んだ藩内の英才達は、維新数年前の凄まじい藩内抗争であたら若い生命を散らしてしまい、維新後の新しい体制で結実することはできませんでした。
先駆けて咲くこの梅が、それを象徴するように淋しい紅色で弘道館を彩っています。
弘道館公園には、60種800本の梅があり、これから中咲き、遅咲きと次々に咲き誇ります。水戸城三の丸の歴史地区で、古色蒼然たる建物に当時の歴史を感じながら、静かに梅花を愛でるのも趣が深く、梅まつりの隠れた名所といえるでしょう。