顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

実りの秋

2015年08月30日 | 散歩


史上最高の気温を記録した夏から、ある日突然にというような今年の秋の訪れです。ここは米どころ、稲穂が垂れ下がり、すでに稲刈りの終わった田んぼもあります。今年の出来は、平年並みか、やや良とか…、日本の食料自給率はカロリーベースで39%、50年前から34ポイントも下がっています。米は100%に近く、自給率向上に今のところ孤軍奮闘していますが、今後TPPなどの影響でどう変わるか分かりません。



7月初めに小さな実だった山ブドウがすっかり色付いていました。口に含むと甘酸っぱく、まさしくブドウです。近年、山ブドウから作るジャム、ワイン、ジュースなどの製品が珍重され、栽培や品種改良もされているようです。
30年以上前、売れない屑ブドウを店でいただいて、美味しいワインを何度か密造したことがありますが、散歩コースで2,3キロの山ブドウを収穫できる保証は全くありませんのであきらめました。

高速道路側道の女郎花

2015年08月29日 | 季節の花


東水戸道路の側道で女郎花を見つけました。以前は里山でいくらでも目にした秋の七草、最近は山歩きしていてもほとんどお目にかかりません。園芸店で苗を売っているような品種になっています。昨年も3株見つけましたが、今年は20m位離れたところに1株だけ、鮮やかな黄色が目立っていました。
多年草なので、地下茎でも増えるし、飛んできたタネでも増えるのでしょうが、去年の株はどこに行ったのでしょうか。まさかフェンス乗り越えて株ごと掘ったのかな?

秋の七草:「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花(ナデシコ) 女郎花 また藤袴 朝貌の花(キキョウ)(万葉集・巻八)




側道に一番多い樹木の山茶花の実がきれいに色付いていました。実も緑から赤、褐色と変わり、最後は割れて黒い種子がこぼれます。
同じ場所に椿もあるので、区別が難しいですが、実に薄い毛がある方が山茶花とか。ところで、椿は春の季語、実は秋の季語ですが、山茶花は、花は冬の季語でも、実は季語として確立されてなく、例句では他の季語が詠み込まれていました。区別が難しいのだから、椿の実として詠んでもいいような気がしますが…。

山茶花の実のはじけけり年用意  (小澤碧童)
丘陵の風に色づく椿の実 (竪ヤエ子)



近くにムラサキ系で統一された低木の花、辺りに芳香が漂います。調べてみると、なんとクサギ(臭木)という名前、由来である葉をつぶすと確かに匂いがしますが、臭いというほどではなく、それより花の甘い香りの方が強い気がします。
写真はすでに花期を過ぎていますが、白い花弁から出ている花糸の先の蕊がムラサキ、同系色でまとめた、オシャレな花です。紫色の袋は種子で、秋が深まると裂けて黒い実が顔を出します。花、実ともどちらも秋の季語で常山木とも詠むようです。

熊野道臭木もひそと花掲ぐ (田中君代)
美女谷や髪に飾りて常山木の実 (嶋田麻紀)

弘道館の百日紅

2015年08月28日 | 水戸の観光
弘道館正庁後ろの百日紅が満開です。寒い夏はあまり咲かないと聞いたことがありますが、今年は酷暑だったので、赤い色が特に強いような気がしました。最後の将軍、徳川慶喜が明治元年4月15日江戸からここに入り、恭順謹慎した至善堂御座の間から撮影しました。
慶喜は7月19日に新政府の指示で静岡に向かいますが、そのあと10月1日には、水戸を3月10日に脱出して会津に向かったいわゆる諸生派の士たちが、会津陥落により行き場所を失って水戸城奪取に押し寄せます。その戦いで、日本一を誇った弘道館の建物群、蔵書などを焼失し、城の守備の士と血を流し合い、双方で約200人もの若き命を散らしました。

大地には朱の色素あり百日紅 (顎鬚仙人)





ところで、弘道館にいま若い女性の姿が目立ちます。係の方も多くの方が徳川ミュージアムから回ってくる、何かオンラインゲームの刀が展示してある、という漠然とした話だったので調べてみました。
刀剣乱舞という女性に人気のオンラインゲームで、名のある刀剣類が男性に擬人化され、そのキャラクターを収集し敵と戦うものがあって、その中の刀剣、燭台切忠光がいま徳川ミュージアムで展示されている、燭台切忠光は伊達正宗が所持しており、家臣を手討ちにしたときに傍らの燭台まで切れたので名前が付いた、徳川順房が(光圀という説もあり)頼み込んで譲ってもらった、その後関東大震災で被災し刃文は消えたが、大切に保管されてきた。水戸家8代藩主徳川斉脩が編纂した武庫刀纂には刃文がきれいに写生されており、その武庫刀纂も展示されている。
そういうことで、その見学者の皆さんが弘道館まで足を伸ばしてくれているようです。どんな動機であれ、興味を持って来館していただければ、嬉しい限りです。

山法師の実は、季語?

2015年08月22日 | 俳句

庭のヤマボウシ、白い花の様子が、白い頭巾をかぶった僧兵(山法師)に似ていることから名前が付きましたが、咲いた時もいつの間にかという感じで咲きだし、実も今日二階の窓から見て、生っていることに気が付きました。
食べられるということで、二三度口にしましたが、別名ヤマグワというだけあって桑の実に似た感じ、それほど美味しいとは感じませんでした。ジャムや果実酒にもなるそうです。



山法師の花はもちろん夏の季語ですが、実の方は歳時記に載ってなく季語としてまだ確立されていないようで、探し出した例句では別な季語がちゃんと入っています。

山法師の実の赤らめる原爆忌  川越昭子
山法師の実を含みみる秋風裡  荻野嘉代子

徳蔵をいざ加勢せん山法師  顎鬚仙人
山法師の実を粧いて今朝の露 顎鬚仙人


水戸黄門まつり

2015年08月14日 | 水戸の観光
 
昭和36年に始まった水戸黄門まつりは今年で55回目、7日(金)の花火大会、8日(土)の黄門パレード、市民カーニバル、そして9日(日)の最終日は、山車巡行と神輿渡御、その他いろいろの催しが用意されていました。



最終日の午後、観光ボランティアは南町三丁目でのお手伝い、ウチワ配りが主な仕事です。現役時代の40代には、黄門仮装パレードに3年連続で出場し、賞金を頂いたこともありますが、この歳になると黄色い黄門まつりのTシャツは何故か面はゆく、祭りの気分にもなかなか乗れず、西日に照らされていました。
しかし出場者を見ていると、本当にお祭り好きと感じられる人たちばかり、祭囃子に身も心も完全に同化しているようです。特に写真の山車に乗って踊っているメンバーたちの笑顔が抜群、こちらまでうきうき気分にさせてくれました。
やはり、祭りは見るものでなく、参加するもの…おなじ阿呆なら踊らにゃそんそん…かもしれません。