東水戸道路の側道で女郎花を見つけました。以前は里山でいくらでも目にした秋の七草、最近は山歩きしていてもほとんどお目にかかりません。園芸店で苗を売っているような品種になっています。昨年も3株見つけましたが、今年は20m位離れたところに1株だけ、鮮やかな黄色が目立っていました。
多年草なので、地下茎でも増えるし、飛んできたタネでも増えるのでしょうが、去年の株はどこに行ったのでしょうか。まさかフェンス乗り越えて株ごと掘ったのかな?
秋の七草:「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花(ナデシコ) 女郎花 また藤袴 朝貌の花(キキョウ)(万葉集・巻八)
側道に一番多い樹木の山茶花の実がきれいに色付いていました。実も緑から赤、褐色と変わり、最後は割れて黒い種子がこぼれます。
同じ場所に椿もあるので、区別が難しいですが、実に薄い毛がある方が山茶花とか。ところで、椿は春の季語、実は秋の季語ですが、山茶花は、花は冬の季語でも、実は季語として確立されてなく、例句では他の季語が詠み込まれていました。区別が難しいのだから、椿の実として詠んでもいいような気がしますが…。
山茶花の実のはじけけり年用意 (小澤碧童)
丘陵の風に色づく椿の実 (竪ヤエ子)
近くにムラサキ系で統一された低木の花、辺りに芳香が漂います。調べてみると、なんとクサギ(臭木)という名前、由来である葉をつぶすと確かに匂いがしますが、臭いというほどではなく、それより花の甘い香りの方が強い気がします。
写真はすでに花期を過ぎていますが、白い花弁から出ている花糸の先の蕊がムラサキ、同系色でまとめた、オシャレな花です。紫色の袋は種子で、秋が深まると裂けて黒い実が顔を出します。花、実ともどちらも秋の季語で常山木とも詠むようです。
熊野道臭木もひそと花掲ぐ (田中君代)
美女谷や髪に飾りて常山木の実 (嶋田麻紀)