顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

小さな訪問者

2016年05月31日 | 日記
今朝庭先に小鳥が落ちていました。ガラス戸にぶっつかって軽い脳震盪でも起こしたか、眼をぱちぱちさせて横になっています。抱き上げたらそのまま腕に止まって目をつぶったりしていましたが、ティッシュに水を含ませて嘴を濡らしてやると、元気が出たのか5分位で飛び立って行きました。

野鳥は詳しくないので、調べてみるとコゲラ(小啄木鳥)、英語名もJapanese Pygmy Woodpecker(日本の小さなキツツキ)とあるように、キツツキの仲間で市街地でも木立のある場所ならば普通に観察されるようです。
気持ちを和ませてくれた小さなお客さんでした。

日本の渚百選   高戸小浜海岸(高萩市)

2016年05月27日 | 日記
大洗海岸、五浦海岸とともに県内から渚百選に選ばれている海岸です。江戸時代後期の頃から景勝地として広く知られており、明治後期には、横山大観・岡倉天心・野口雨情などの多くの文化人が訪れています。
二つの小さな入り江が並び、空と海の青、海食崖から伸びる松の緑…と説明文が続きますが、白く輝く砂浜…だけはめっきり小さくなってしまいました。崖も泥岩のため波に洗われてどんどん痩せていき、さらに東日本大震災でも大きな剥離崩落がありました。

小学生の頃から磯遊びで親しんだこの海岸には、青のり、シュウリガイなどを採ったり、ヒラガニ釣り、また孫を連れて来て干潮時の小魚を獲ったりした思い出がいっぱい残っています。
茨城県の資料によると県内の海岸は南北方向に延長約190kmで、そのうち北部域(旧常磐沿岸)は変化に富んだ岩礁とその間に点在する砂浜が優れた景観を生み、延長は約90km、しかし近年、海岸線の後退が激しく越波被害や崖侵食が進んでおり問題となっているようです。

松落葉蟹踏んとす浜辺かな  三輪未央
今生の海蝕崖に青松葉   顎髭仙人


桜川市の歴史遺産

2016年05月22日 | 水戸の観光
ボランティアの研修旅行、好天が続いていたのに、この日は一日雨、最初の訪問が雨乞いにご利益のある、雨引観音のせいかもしれません。

雨引山楽法寺は、真言宗豊山派の寺院で、中国から帰化した法輪独守居士が587年に開山したと伝えられる古刹です。本尊は観音菩薩。坂東三十三箇所霊場第24番札所、東国花の寺百ヶ寺茨城6番札所であり、雨引観音とも称され、安産子育ての霊場として広く知られています。写真は山門と雨にけぶる真壁、筑波方面です。今回の研修では、強い雨で撮影が困難でした。


施無得畏山宝樹院小山寺、通称富谷観音は735年行基創建と伝えられる天台宗の古刹で、本尊の十一面観世音菩薩は行基作といわれる一木造り鉈彫りの秘仏で60年に一度のご開帳とか、このほか慈覚大師の作と言われる不動明王、運慶作の毘沙門天などの寺宝が並んでいます。また、写真の三重塔は1406年に下妻の多賀谷氏が奉納したとされ、関東以北では最古のもので国の重要文化財です。


謡曲「桜川」で知られる磯部稲村神社は、まさに桜に因んだ神社。日本武尊が伊勢神宮と鹿島神宮の分霊を祀ったという伝承があり、702年文武天皇の勅命で再建されたという。佐竹氏、宇都宮氏、内藤氏などその時時の権力者の崇拝を受け、光圀公も訪れてここの桜を水戸の箕川の地に植えて名前を佐久良川としたという話は、桜川千本桜プロジェクトの項でご紹介済み、その因縁で当神社が種子から育てた桜を、水戸のこのプロジェクトに提供しているそうです。ありがとうございます。(土砂降りの中での写真です。)


曜光山月山寺は796年、徳一による創建とされ、室町時代に法相宗から天台宗に改宗、江戸時代には学問所として関東八か檀林に列し、その大きな教場が東日本大震災の被害補修工事中でした。境内に開設されている美術館には、仏画・仏像など寺宝および木村武山ら、地域ゆかりの画家の作品を収蔵・展示しています。なかでも、重要文化財の弁慶の背負ったという網代笈(あじろおい)があります。
住職の説明が面白く、本尊の薬師如来は衆生(しゆじよう)の病気を治し,安楽を得させる仏で、左手に薬壺を持ち、前にかざした右手第四指を必ず前方に曲げている、薬師如来は薬を塗るとき、この第四指を使うということからこの指を薬指という呼び名になったということでした。
写真の本堂前の枯山水が見事でした。

今回の訪問先はすべて長い歴史のある寺社仏閣ばかり、立派な建物もありますが、維持管理が大変と見受けられるところもありました。後世に残すためにも保護策をぜひ行政にも検討していただきたいものです。住職さん達による懇切丁寧なご案内と説明をいただき感激いたしました。

冴え返る古刹に残る手斧あと  原口英二
若葉雨甍艶めく古刹かな  顎髭仙人


野生化したマーガレット?

2016年05月19日 | 季節の花

町内の空き地に毎年出てくるマーガレット、散歩道でも道路を占拠しているのを見かけます。てっきりマーガレットの野生化と思っていましたが、正確にはフランスギク、ヨ-ロッパ原産で江戸末期に観賞用に持ち込まれたものが、寒さに強く、また強い繁殖力で野生化し、日本中に広がっているようです。
一方、園芸種のマーガレットはアフリカのカナリア諸島原産なので、日本の寒い冬を越せず野生化できません。図鑑で見ても花はよく似ていますが、フランスギクの葉はヘラ状で小さな突起、マーガレットの葉は大きく切り込んで菊の葉のようなので、葉で区別ができます。

また、フランスギクはフランス語でMargueritaeと呼ばれ、日本でもずっとマーガレットと呼ばれる時代がありましたので、あまり気にせずにマーガレットといってもいいのかもしれません。上の写真ではこのマーガレット(フランスギク)が、茨城県の薔薇のマークをすっかり包んでしまいました。

マーガレット何処にも咲いて蝦夷も奥  高浜年尾
マーガレット猫額の庭満たしけり  中村汀女

新緑の北山公園(笠間市友部)

2016年05月16日 | 山歩き
30年以上続く山の会、高齢化に伴い引退した方達の同窓会を、同じく引退の仙人が引き受けて10年ほど続けています。バスが停められて、弁当を拡げる芝生とトイレがあって、しかも少し歩けるコースが有るのが選定基準、水戸から1時間位での目的地はもう殆ど行き尽くした感があり、今回の北山公園は2度目の訪問になります。

自然の山林の中に約3キロ以上の遊歩道を配し、白鳥湖、新池などの湖水との景観が楽しめるこの公園は、あまり手を加えてないところが魅力で、新緑が肌で感じられるような気がします。

平均年齢80歳以上、最高93歳のメンバーの方々は、自然の中に入ると急に元気が増してくるようで、体力に合わせた、最高でも1時間位のコースを歩き、お決まりのランチタイムはなんと120分、新緑を充分満喫して帰途につきました。

新緑やうつくしかりしひとの老  日野草城
新緑を抜けて足並み皆若く  顎髭仙人