散歩道にある農業用水池の土手は、蕗が出ることを思い出して久しぶりに歩いてみたら、小さな蕗の薹がごっそり出ていましたので、また蕗味噌に挑戦してみました。
フキ(蕗)はキク科フキ属の多年草、早春に出る花茎の蕗の薹と、春本番になって地下茎から出る葉柄と葉は春の山菜の代表です。冬眠から覚めた熊が最初に食べるのは蕗の薹とか、この苦みが冬から春に向かって身体を覚醒させる妙薬ということを熊も知っているという話も伝わっています。
今回調べていると蕗の薹が雌雄異株というのを初めて知りました。食べてしまったので確認することができず、在庫写真を調べてみたら、蕾が丸くて大きいのが花粉を飛ばす雄花、蕾の先が尖がっているのが雌花という記事が出ていたので、多分そうかなと思う写真を並べてみました。
花が終わると雄花は枯れてしまい、雌花が花茎を高さ50cm位まで伸ばし、白い綿毛をつけた種子を風に乗せて飛ばす役目をするそうです。
陽の当たる場所ですが採るのが可哀そうなくらいの小さいのばかり、山のものをいただくときは全部採らないで残しておくのが鉄則ですが、それでも春を味わうには充分な量が採れました。
料理はいたって簡単です。きざんだ蕗をごま油で炒めてしんなりしたら、味噌とみりん、酒を混ぜたものを加えて水分がとべば出来上がり、10分も掛かりません。
最近嗅覚が鈍くなった気がする仙人ですが、それでもいつもの酒が一味違うような?…値上げの世の中でのすこぶる安上がりな晩酌になりました。
蕗味噌や先焦がしたる竹の箸 松岡一郎
蕗味噌のにが味手窪に祝い酒 後藤光治
嗅覚の萎えて蕗味噌箸の先 顎鬚仙人