顎鬚仙人残日録

日残りて昏るるに未だ遠し…

水戸城 大手門の復元

2015年09月27日 | 水戸の観光


水戸城の三の丸から二の丸に向かう大手橋、今は昭和10年に近世の様式を継承して建てられたコンクリート造りですが、土木学会推奨の土木遺産に指定されています。ここに当時建っていた二階建ての大手門を復元する計画が進んでいます。



調査が始まっていました。橋を渡った二の丸の枡形手前が掘られており、積み上げた瓦や排水路らしきものが埋まっているのが見えます。この排水路は、2代藩主光圀公が1662年から敷設した、国内18番目に古い上水道の「笠原水道」と同じ素材、同じ工法であることがわかったようです。
また、礎石も見つかったようなので、平行して行われる土塁塀や隅櫓の発掘調査と加えて、より正確な当時の状況が解明されることでしょう。



弘道館正門から望む大手門の復元整備後のイメージです。  (弘道館・水戸城跡周辺地区の歴史まちづくり基本構想・水戸市)より


柴栗

2015年09月25日 | 散歩



散歩道の柴栗、実が爆ぜようとしています。山栗(ヤマグリ)とも呼ばれており、古くは縄文時代から食用とされてきた山に自生している栗で、現在栽培されている様々な品種の原種となっています。
少年時代、山野を駆け巡っていた頃のおやつの一つ。まだ青いうちに渋皮を歯でむいて食べました。みずみずしい旨さが記憶に残っています。



その果実は栽培されているものと比べるととても小さいです。ただし、味はずっと甘く、栗ご飯にしても美味しいと言われています。ただ、粒がとても小さいので皮をむくのが一苦労だと誰も敬遠するようです。それと、虫がすぐについてしまい、落ちたのを拾う頃には虫食い栗になっています。

季語としては、栗のくくりの中に柴栗、山栗、丹波栗、毬栗、焼栗などが入っています。

六甲の山栗小さく爆ぜにけり  稲畑汀子
営林員柴栗提げて下りて来し  桑田眞佐子
栗みのる六分の侠気秘めながら  坂本木耳

彼岸花

2015年09月24日 | 季節の花
毎年何もないところに急に花茎が地上に突出し、真っ赤な花を咲かせます。ちょうど秋の彼岸頃なので、この名前が付きました。先端に包に包まれた花序が一つ付き、包が破れると5 - 7個前後の花が顔を出し、そこから7本の花枝が出てそのうちの6本は先端に葯があり、これが雄蕊、先端に何も無い、真中の一本が雌蕊。とても妖艶な花です。
小さいときは、なぜか忌み嫌う花としてのイメージが強く、じっくり見ることもありませんでしたが、最近では庭に植えているのも見かけるようになりました。我が家でも、球根を貰って数年前から植えました。開花後、晩秋に長さ30 - 50cmの線形の細い葉を出し、冬中も葉は残ってますが、翌春になると枯れてしまいます。



別名の「曼珠沙華(まんじゅしゃげ/かんじゅしゃか)」は、サンスクリット語で天界に咲く花という意味で、おめでたい事が起こる兆しといわれていたそうです。サンスクリット語ではmanjusaka。
ほかの名に「死人花」「幽霊花」「地獄花」などがあり、お彼岸に咲くから死者とか血を連想しそうですが、今後は「曼珠沙華」という名での園芸種として確立されるかも知れません。



数年前に、笠間の楞厳寺山門付近で撮ったものです。この山門は室町時代中期というから、600年くらい前のもので、国の重要文化財に指定されています。

仏より痩せて哀れや曼珠沙華   夏目漱石

古希過ぎて血潮は熱し曼珠沙華  顎鬚仙人 

水戸城大手橋の胡桃の実

2015年09月21日 | 日記
7月11日の当ブログでご紹介の胡桃は、やはりオニぐるみ(鬼胡桃)でした。橋の上に落ちていても誰も見向きもしません。



案の定、すごく硬い殻で覆われています。ウェブで見ると、殻の開け方は、15分くらい乾煎りすると殻に隙間ができるので、そこからこじ開けると書いてありましたが、面倒なので金槌の出番、叩き割るのも力が要ります。この硬い殻は、確かにスタッドレスタイヤに使われているのも頷けます。

楊枝でほじくって食べると脂肪分の多い濃厚な味ですが、如何せん口に入る量の少なさ…、滋養、強壮薬として、また脂肪油約50%を含み栄養が非常に高く、 この脂肪油には、リノール酸、リノレン酸、オレイン酸が多く、血液中のコレステロールを除く作用があるという薬効があっても、摂取する量を確保するのは大変なことです。

ヒヨドリバナとユーパトリウム

2015年09月16日 | 季節の花


高速の側道のヒヨドリバナ(鵯花)、キク科ヒヨドリバナ属。鵯の鳴く頃に花が咲くから名前が付きました。この花も、名前の本家鵯も、もちろん秋の季語です。

すだれなす雨に鵯花けぶる  上村占魚



庭に咲いてるこの花は、西洋藤袴、市場ではユーパトリウムが一般的になってきました。
同じ品種のアゲラタムによく似ていますが、葉や花の形が少し違います。キク科コノクリニウム属、以前はヒヨドリバナ属。別名は青色藤袴とも言うようですが、我が家では白色の花も咲いています。

そういえば、花の名前の和名が横文字に変わりつつあります、小学校の夏休み、校庭に長い間咲いていた百日草、今ではジニアの名前で流通しています。また、子供の頃、鼻の頭につけて遊んだ通称天狗花は、和名では花魁草(オイランソウ)、草夾竹桃(クサキョウチクトウ)と言い夏の季語ですが、今ではフロックスという名の方が園芸家の間では通ります。