水戸市植物公園で「明治維新150年記念事業 佐藤中陵にまつわる薬草展」が10月6日まで開かれています。
本草(ほんぞう)学とは、薬用になる植物、鉱物、動物などに関する学問です。
水戸藩の本草学者の佐藤中陵は、薩摩・白河・米沢・会津・松山などの諸藩に仕えたのち,寛政12年(1800)6代藩主治保公の時代に39歳で水戸藩に仕え,やがては弘道館の医学館本草教授となり,藩医の養成にもあたりました。嘉永元年(1848)87歳で没、弘道館初代教授頭取青山延于の次男で佐藤家の養子に入った延昌(佐藤松渓)が、葬儀を出すのに難儀したというほど低祿に甘んじ研究に没頭したといわれています。
佐藤中陵の著した「山海庶品(せんがいしょぽん)」は植物、鉱物、動物の効用を記述したもので、9代藩主斉昭公の命により江戸で編纂を開始し、中陵が水戸勤めとなり弘道館に医学館が開設されてからは、事業をそこに移して専門の医家が継続補遺し、数百巻に至った(一説には千巻)とされています。(写真は国会図書館デジタルコレクションより)
なお、養子の佐藤松渓は書画も能くし、実父青山延于の家塾の門下生90人の肖像を描いた「青門肖像」が弘道館に展示されています。顔に斑点のある子は、当時流行していた天然痘に罹った跡だそうです。(写真は弘道館ホームページより)
佐藤中陵が教授を務めていた藩校弘道館の開設当時の瓦を敷き込んだ一画には、水戸藩にまつわる薬草約30種類が栽培されています。
養命酒製造㈱との協働事業の薬用ハーブ園にある展示薬草の一部をご紹介いたします。
キキョウの根には去痰作用のあるサポニンが含まれており、2代藩主光圀公の救民妙薬でも痰を伴う咳、喉の痛みに効くとされています。
イネ科のハトムギ、この実は滋養強壮、美肌、鎮痛、利尿の薬として知られています。
ビナンカズラ、赤く熟した果実を滋養強壮、鎮咳の生薬にします。佐藤中陵はこの蔓性の茎を水に浸して出てきた粘液を整髪に利用したと説明書きにあります。
それがビナンカズラ(美男葛)の名の由来です。
カエルッパという名で親しまれているオオバコは、全草と種子が咳止め、利尿、消炎に効き、佐藤中陵は水腫の薬ともしています。
セリ科のセンキュウは婦人病や貧血の薬、佐藤中陵もその効果を高く評価していました。
ナルコユリの実が連なっています。江戸時代の滋養強壮薬ブームで人気の「砂糖漬けの黄精」とは、この根茎を乾燥させたものとの説明があります。
コガネバナ(黃芩)の根は胆汁分泌促進、利尿、消炎、解熱に効き、9代藩主斉昭公の書簡でも痢疾(下痢性疾患)の薬として、この根などを混ぜた「本方芍薬湯」が出てくるそうです。
園内で見つけてハンカチノキの実です。春にハンカチがぶら下がったような花を咲かせる人気の樹木ですが、実を見るのは初めてです。
水戸市植物公園は、テラスガーデン、観賞大温室、熱帯果樹温室、植物館、芝生園、ロックガーデン、湿生花園などのある洋風の庭園で、面積約80,000㎡の広い園内は、四季折々の自然が楽しめる市民の憩いの場所になっています。
本草(ほんぞう)学とは、薬用になる植物、鉱物、動物などに関する学問です。
水戸藩の本草学者の佐藤中陵は、薩摩・白河・米沢・会津・松山などの諸藩に仕えたのち,寛政12年(1800)6代藩主治保公の時代に39歳で水戸藩に仕え,やがては弘道館の医学館本草教授となり,藩医の養成にもあたりました。嘉永元年(1848)87歳で没、弘道館初代教授頭取青山延于の次男で佐藤家の養子に入った延昌(佐藤松渓)が、葬儀を出すのに難儀したというほど低祿に甘んじ研究に没頭したといわれています。
佐藤中陵の著した「山海庶品(せんがいしょぽん)」は植物、鉱物、動物の効用を記述したもので、9代藩主斉昭公の命により江戸で編纂を開始し、中陵が水戸勤めとなり弘道館に医学館が開設されてからは、事業をそこに移して専門の医家が継続補遺し、数百巻に至った(一説には千巻)とされています。(写真は国会図書館デジタルコレクションより)
なお、養子の佐藤松渓は書画も能くし、実父青山延于の家塾の門下生90人の肖像を描いた「青門肖像」が弘道館に展示されています。顔に斑点のある子は、当時流行していた天然痘に罹った跡だそうです。(写真は弘道館ホームページより)
佐藤中陵が教授を務めていた藩校弘道館の開設当時の瓦を敷き込んだ一画には、水戸藩にまつわる薬草約30種類が栽培されています。
養命酒製造㈱との協働事業の薬用ハーブ園にある展示薬草の一部をご紹介いたします。
キキョウの根には去痰作用のあるサポニンが含まれており、2代藩主光圀公の救民妙薬でも痰を伴う咳、喉の痛みに効くとされています。
イネ科のハトムギ、この実は滋養強壮、美肌、鎮痛、利尿の薬として知られています。
ビナンカズラ、赤く熟した果実を滋養強壮、鎮咳の生薬にします。佐藤中陵はこの蔓性の茎を水に浸して出てきた粘液を整髪に利用したと説明書きにあります。
それがビナンカズラ(美男葛)の名の由来です。
カエルッパという名で親しまれているオオバコは、全草と種子が咳止め、利尿、消炎に効き、佐藤中陵は水腫の薬ともしています。
セリ科のセンキュウは婦人病や貧血の薬、佐藤中陵もその効果を高く評価していました。
ナルコユリの実が連なっています。江戸時代の滋養強壮薬ブームで人気の「砂糖漬けの黄精」とは、この根茎を乾燥させたものとの説明があります。
コガネバナ(黃芩)の根は胆汁分泌促進、利尿、消炎、解熱に効き、9代藩主斉昭公の書簡でも痢疾(下痢性疾患)の薬として、この根などを混ぜた「本方芍薬湯」が出てくるそうです。
園内で見つけてハンカチノキの実です。春にハンカチがぶら下がったような花を咲かせる人気の樹木ですが、実を見るのは初めてです。
水戸市植物公園は、テラスガーデン、観賞大温室、熱帯果樹温室、植物館、芝生園、ロックガーデン、湿生花園などのある洋風の庭園で、面積約80,000㎡の広い園内は、四季折々の自然が楽しめる市民の憩いの場所になっています。