個人的にはもっとも秋を感じる花という印象のシュウメイギクは、菊という名前でもキク科でなくアネモネの仲間のキンポウゲ科で、中世の頃に中国から伝来したと伝わる帰化植物です。
花弁のように見えるのは萼が変化したもので、このように花弁と萼が一体になったものを花被といいます。真ん中に黄色い雄しべに囲まれた薄緑色の雌しべのかたまりがありますが、実は生らず地下茎によって繁殖するそうです。
花を裏返しして撮ってみると、確かに萼らしきものが無く、白い花弁状の物が萼と一体だということが分かります。花被は5枚かそれ以上ですが、この個体はずっと多いようです。
原種は濃いピンク色で八重咲きだとされていますが、やはり白の一重が私的には気に入っています。
ただ難点は、増えすぎてしまうことと、花も背が高く、葉も黒ずんで汚くなることですが、ネットの情報では初夏に根元まで切り戻すと、背の低い葉の青々とした株になると出ていました。試してはみませんが…。
同じく秋の花というと、ホトトギス(杜鵑草)が好きな花です。ユリ科ホトトギス属の日本固有種です。
ホトトギスも、花弁と萼が一緒になったユリ科の他の植物と同様に花被が6枚で、幅の広い外側の3枚が萼の変化した外花被、細い幅の3枚が内花被です。
紫色の斑点が、鳥のホトトギス(杜鵑、不如帰)の胸にある模様に似ていることから名前が付き、漢字名では草を付けた杜鵑草とするのが一般的なようです。
束状に立ち上がる花糸から6本の雄しべが分かれ先端に花粉を出す葯があり、その内側の3本の雌しべの柱頭は2裂しています。
花被の根元にある黄色い班点は、蜜がここにあるぞぉ~と昆虫を呼び寄せる誘導案内板の役目をしていて「蜜標」や「ハニーガイド」という魅惑的な名前が付いています。
萼片に相当する外花被3枚の下には大きな突起物があり、これが昆虫のお目当ての蜜の壺です。
この変わった花の形には自然の仕組みが濃縮されています。蜜を吸いに来た昆虫の背中に垂れ下がった葯が触れ花粉を付け、飛んで行った先の花に運び他家受粉をさせます。
公園の花壇では、秋が深まってもおなじみキク科の花が咲き残っていました。
ジニアはヒャクニチソウ(百日草)の名前の方が親しみのある世代の仙人は、夏休みの誰もいない校庭でいつまでも咲いていた景色を思い出してしまいます。
花壇といえばマリーゴールド、これも長持ちする花の代表品種です。
野菜の傍に植えると、独特の香りや根の周りの菌によって害虫を遠ざけるコンパニオンプランツとされていますが、まだ試したことはありません。
ダリアの開花時期も長く6月中旬から11月までと園芸サイトには出ています。以前ほど見かけることが少なくなったような気がしますが、今はこれから咲く皇帝ダリアがあちこちの庭で晩秋を彩ります。
雑草の花も数少なくなったこの季節、花壇の周りの草むらでカタバミ科の花が元気でした。
カタバミ(片喰)は、夜に葉が半分閉じた状態になるので名前が付きました。いまは北米原産の帰化植物オッタチカタバミ(おっ立ち片喰)がこの辺りでも勢力を伸ばしています。
すっかり雑草となって我が物顔のイモカタバミ(芋片喰)は、南米原産の帰化植物で戦後観賞用として入ってきたものがまたたく間に広がりました。芋のような塊茎から名前が付きました。
公園のモミジバフウ(紅葉葉楓)も色付き始めました。
やがて晩秋となり木々の紅葉が散ると、モノトーンの冬がやってきます。昨年は暖冬でしたが、今年の12月、1月は寒さ厳しいとの予想が出ていますので、まだ復興できてない被災地の方々の息災を願うばかりです。
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