ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
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エタノール燃料と「規制緩和」

2006年04月30日 08時37分10秒 | Weblog
原油高を背景に米国やヨーロッパでは「とうもろこし」などを原料とするエタノール燃料の普及が急速に進んでいます。今朝のNHKニュースではテキサスの石油業者であるブッシュ大統領自身がバイオマスエネルギーの普及推進に全力を挙げると表明していました。

日本でも数年前から一部の業者が「ガイア○○ス」というブランドでエタノール燃料の販売開始しましたが、その筋の「抑圧」により挫折したのはご存知の通りです。

実は、勉強のために私も給油して試用した事があります。普通のロードユースではガソリンと全く違和感なく車が動きます。環境にも優しく価格が安ければ普及するだろうと期待していましたが販売中止となった理由は、「揮発油税の取り扱い」と自動車の部品材料との問題でした「燃料パイプ」が損傷されやすいとかの理由であったと思います。

今更ながら最初に日本におけるエタノール燃料を企画して販売を開始した業者の勇気と先進性には敬意を表したい気持ちですが大企業や政治が関係する石油業界の日本の風土ではいろいろな政治的抑圧があるのが現実です。業界や政治的な環境が整備される前に先進的なビジネスフォームを企画して実行し先取的な利益を目指すと官僚的な規制で潰される事が多いのは問題です。

米国の指導下で「規制緩和」が叫ばれて久しいわけですが、本質的な概念としての「規制緩和」が遅れているのが日本で「アメリカンドリーム」といわれるような新しい産業による成功者が生まれてこない理由なのではないでしょうか。

既存ルールの抜け穴や全く新しい概念の工夫での先取特権利益が受けにくい日本ではなかなか「ジャパニーズドリーム」が生まれにくい環境となっているわけですから「規制緩和」も掛け声だけで本質的な部分では米国などから数十年遅れており、その部分で追いつく事は永久に不可能です。

もう少しすると、日本でもエタノール系燃料の製造や流通が整備されてからようやく販売が開始されることでしょう。その頃には、「米国」や「欧米」での使用が宣伝され経済性や環境に対する優しさも強調されるはずです。その時にはきっと日本国内でも爆発的な普及が進むのでしょう。

果たして規制緩和による「勝ち逃げ企業」は悪いのか、それとも「新たなビジネスフォーム」が大企業や官僚的な体制下での特定業界の組合や政治的判断により左右される事が正しいのかは実は日本の今後の産業界の行方を占う上で大きな課題です。

日本はコンピューターのソリューション概念の分野では米国に15年位遅れているといわれます。米国ではすでに15年位前に基幹統合系ERPソリューションの普及率が80%を超えていたという現実がありますがようやく日本では現在ERPソリューションの概念が普及している段階です。