ゆきんこブログ

月刊ガソリンスタンド誌
『変化と試練が、人と企業を強くする』
連載中!

ガソリンスタンドビジネスが変わりますね

2010年10月04日 03時55分29秒 | Weblog
エクソンモービルが2008年6月頃、米国内に自己所有していたガソリンスタンド2220箇所の売却を公表していた事はすでにご承知の通りです。

当時、エクソンモービルの系列は米国に12000箇所程度存在していたはずですが、
施設売却の理由は「ガソリンスタンド」ビジネスに妙味が薄くなった事が最大の理由だと報道されていました。
アメリカでも、エクソンモービルをもってしてもガソリンスタンド運営ビジネスは利益が出ない採算性の悪いビジネスとなっているようです。

急騰していた原油価格を末端に転嫁出来ないという状況が続いていた米国の石油リテールマーケット。
最近の我が国でもリテールの乱売競争は同様の状況が続いています。

さらに加えて、日本国内の石油マーケットではEVの普及によるガソリン減販問題。
元売にとっては重質油分解設備などの課題も控えており、
リテール部門の販売競争だけでなく元売各社にとっても厳しい状況が続きそうです。

基本的にはエクソンモービルの看板が無くなる事はないにしても、
世界最大の石油企業が日本のリテールマーケットの可能性を見限ったような感じですから、やはりショックです。
しかし、JXグループの発足などもありますから、
石油業界みずからの乱売などに関する秩序が見直され、整備されて少しは経営環境が改善される事を祈ります。

やはり、石油資源の乏しい我が国における「ガソリンスタンド」という業態を見直すべき時が来たようです。
今となっては「自由化」の意義が改めて問われるような気がします。
資源の乏しい我が国にあって「規制緩和」と「自由化」の問題は、「安定供給」を前提とする石油業界だけでなく、
消費者にとっても新たな問題が生まれそうな気がします。

石油資源だけでなく、色々な資源についての外圧も高まっています。
難しい時代に入りましたね。

それでも、現実的にはこれだけのガソリンスタンドが存在していて、
其々の企業が『生き残り』を賭けて必死に頑張っているわけですから、販売競争の原理に変化はありません。

これからの石油ビジネスは、「知恵」と「協調」が大切ですね、

揮発油税に軽油税など。石油に関する税制の問題などを考えると、
いっそ、タバコのような統一的な価格体系にしたほうが良いという意見が現実化して来るのかもしれません。
いつまで「暫定」の揮発油税制が続くのか・・・・
改めて考えると現状の国家財政から見ても、「暫定税率」なんておかしな話です。

私は、以前から、これからの「ガソリンスタンド」は既存の店頭ビジネスから脱却して、
灯油宅配などを切り口とする外販ビジネスによる新たな業態の開発の必要性を提唱してきました。

みずから「セルフ」というローコストな業態も選択できる我が国のガソリンスタンドビジネスです。
改めて、SS過疎地帯のホームエネルギーや次世代エネルギービジネスなどに視点を向ける必要があります。

全国各地に存在するガソリンスタンドです、
立地条件や地域の消費者からのニーズとウォンツはそれぞれ異なるはずですから、
商圏エリアに合わせた、経営戦略が必要となるわけです。

地域の消費者に「必要とされるガソリンスタンド」の業態を新たに模索し提案していく事が生き残りの前提となるはずです。

今年も、「雪ん子」を駆使する灯油販売戦略で消費者の台所から始まる親密なビジネス展開をユーザー様と進めてまいります。

そうなれば、
次の時代の「ガソリンスタンド」は消費者から本当の意味で「サービスステーション」と呼ばれることになるはずです。