向上心から始まった苦闘だ。「16年に7勝11敗で負け越して、何か変えなきゃと。そこで自分の変えてはいけない部分まで変えてしまった。自分の動きと逆だったり、本来とは違う動きを試したり。もっと良くなりたい…と思ってるうちにあれ、あれ、となって。昨年もずっと“違うな”と思って投げてた。気が付けば、元の投げ方が、ほとんど分からなくなってしまって」
スカパー!(GAORA)の解説者も、濱中治だから、昨夜の藤浪晋太郎は何が悪いのか、誰も説明してくれなかったが、やはり分かっていたのは、中西清起元投手コーチ。また元の藤浪に戻っていたわけか……
中西さんに指摘されるまでもなく、個人的には(投球動作の過程で)体を捻っているな、体が沈み込んでいないな、と感じていたが。体を捻ると、腕が横振りになるのだろう。妙な癖が付いてしまっているのだな。この癖を直さない限り、藤浪の真の復活はない。阪神タイガースの優勝の可能性なんか、飛んで消えていった。
秋山拓巳(3勝1敗)が良くなっていた。前回(7月28日・東京ヤクルト戦)完投して、登録抹消されて、11日ぶりの登板。防御率は4.83。先発しても毎回4、5点は取られていた。今年の秋山は「良くない」と感じていたが、昨夜は初回から抜群の立ち上がり! 外角低めに抉るストレート。これが決まっていた。秋山の制球力が戻っていた。いったい(抹消されていた)10日間に何があったのか? その謎は翌日=今日(10日)解き明かされることになる。秋山の復調は頼もしい。優勝の可能性が見えてきた。