野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

対決!野茂「対」藪(9日・フロリダ)【後篇】

2005-04-17 19:34:54 | Tampa-Bay Rays
【5回裏】7番エドワード・ペレス(元阪神タイガース)に初球(91MPH)、2球目(89MPH)ファウル。3球目(83MPH)外で誘って、4球目(92MPH)を打たせて、ファーストゴロ。8番トビー・ホールには、初球(90MPH)ストライク。2球目のスライダー(85MPH)を打たせて、サードゴロ。9番ジョーイ・ガスライトには、初球(92MPH)を叩きつけられ、センター前に転がり、2アウトで出塁を許す。

 1番「快足」カール・クロフォードにも初球(90MPH)を流し打たれ、2アウト、1,2塁。快足ランナー2人を出して嫌な展開だが、2番アレックス・ゴンザレスに初球スライダー(76MPH)で、マズはストライク。2球目のフォーク(89MPH)を振らせ、「0-2」。3球目、4球目フォーク(89MPH)を続けて、「2-2」。5球目のチェンジアップ(75MPH)も外れて、ラストボール。6球目のフォーク(88MPH)を今度こそ振ってくれて、三振!

【6回裏】3番ハフをシュート(91MPH)で打ち取って、ショートゴロ。4番ルーゴにスライダー(85MPH)を打たせて、ファウル。2球目のスライダー(86MPH)は「ボール」。3球目のカットボール(90MPH)も「ボール」。4球目のスライダー(88MPH)を打たせて、ライトフライ。5番カントゥーも初球(89MPH)を打たせて、ライトフライ。総てアウトサイド低めに絶妙なロケーション、だ。このイニングは3分で終了した。

【7回裏】6番フェリップスには、インサイドを突いて、ストライク(90MPH)。2球目のスライダー(86MPH)で誘って、3球目、同じくアウトサイド(90MPH)で空振り。「1-2」追い込んで、4球目、キャッチャーはインサイドに構えるが、逆球になって(91MPH)ファウル。最後はインサイドにツーシーム(84MPH)を落として、空振り三振。

 7番ペレスにも、初球スライダー(88MPH)でストライク。弱点を心得ているか? 2球目(74MPH)ボール。3球目、初球と同じ球(88MPH)で空振り。「1-2」と追い込んで、最後も同じ球(86MPH)でチェックスウィング、見逃し三振で2アウト。やはり「弱点」を熟知していたようだ。

 8番トビー・ホールにも、初球スライダー(86MPH)で空振り。2球目も同じ球(84MPH)でファウル。3球目も同じ球(85MPH)を続けた! チェックスウィング、キャッチャーはファーストの方向を指差している。藪はそんなものには構わず、スタスタとマウンドを降りている。余裕! ファースト方向に目をやリ、アウトを確認して、ダッグアウトへ。そして、帽子のひさしに手をやる。カッコいい!! 3者三振で、この最後のイニングも3分程度で切り抜けた。

 一方、野茂は【6回表】で降板。1安打、4奪三振、2四球。その1安打は、【3回表】コッツエーに喫したホームラン。【2回裏】の味方の大量援護で少し気が緩んだか、真ん中に入ったフォーク(74MPH)をライトスタンドに豪快に放り込まれたが、その一発のみ。今シーズン初先発で初勝利を挙げた。その初登板で実現した日本人対決、野茂「対」藪。

 藪は同じ36歳。野茂を常に意識してきて、野茂に刺激されて、メジャーリーグへの夢を膨らませてきたのだろう。そして同じ舞台に立った。中継ぎ(セットアッパー)が最終目標ではないだろう。いずれは先発(スターター)の座を勝ち取るべきだ。先発で野茂「対」藪を見たい。あるいは藪「対」松井秀喜(ニューヨーク・ヤンキース)、藪「対」イチロー(シアトル・マリナーズ)……夢は拡がる。夢の舞台……メジャーリーグ。