古巣ボストン・フェンウェイパークに帰ってきた、野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)。あのときも、背番号「11」に戻して、赤いユニフォームで、ノーヒッターを達成した思い出のチーム(2001年)。柄の悪い(!?)ボストンのファンも憶えてくれているだろうか? 【1回表】1番・ジョニー・デーモンにファーストピッチ(初球)、アウトサイドにファストボール(速球)が外れる。
2球目も同じサイドに低く決まって、「1-1」。3球目はフォークがワンバウンド。4球目もアウトサイドに高く外れて、「3-1」。ボストンの観客が騒ぎ出す。5球目も外れて、デーモンが1塁に歩く。それにしても、相手がNOMO、ということもあり、じっくりボールを見てきたデーモン。1球もスイングせず、小憎らしいばかりに出塁。リードオフマンの役割を果す。ノーアウト1塁。ボストンの喧騒は高まる。
2番トロント・ニクソンへの初球も、アウトサイド低めに外れる。例によって、球速はないが、低めを丹念に突こうとする意思が窺える。2球目もアウトに高く外れるが、3球目は低めに決まって、「2-1」。インサイドを突かないのが気になるが……怖くて突けないか? 相手は「世界一」のボストン打線。勇気と球威が必要、だ。キャッチャー、またしても、アウトサイドに構えて、4球目、今度も低めに決まって、「2-2」。5球目、初めてインサイドを突くが、低過ぎて、「3-2」。打席のニクソンも息を吐く。バッターだって緊張している。6球目もアウトサイド。これを弾き返したニクソン、ピッチャー前にライナー! 野茂が弾き落として、1塁へ送球。1アウト2塁。この辺りはベテラン、落ち着いている。
3番マニー・ラミレスに初球、アウトサイド低めに絶妙のロケーション。2球目、同じコースにフォークで誘って、反応なし。3球目、アウトサイドに精一杯のファストボール、チェックスウィングで、「1-2」。これも「いい球」だ。4球目は高めで誘ったが、誘いには乗らず、昨年のワールドシリーズ「MVP」男。決めに行った5球目のファストボールは外に外れて、「3-2」。6球目、フォーク狙いの裏を掻いたか、真っ直ぐでファウル。7球目も渾身の真っ直ぐ勝負! バックネットにファウル。気温7.8度のボストンで、半袖の野茂、熱投が続く!!
8球目も真っ直ぐ。これを打ち上げさせて、ファーストフライ。「フォーク」を予想した解説の与田剛氏が「ひたすら」唸っている。かつてのソウル・オリンピックの戦友は、未だ現役で、メジャーリーグで投げ続け、友に「勇姿」を見せ続けている。「MVP男」ラミレスも頭の半分で、フォークを予測していたのだろう。その分、野茂の140㎞前後の真っ直ぐに差し込まれた。かつてバリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に対したように、「強打者」には強気に真っ直ぐ勝負を挑む、メジャーリーガー野茂の真骨頂、だ。
マウンド上で高揚感を覗かせる野茂。しかし、続くは4番デヴィット・オルティーズ、だ。昨年のチャンピオンシップ・シリーズ「MVP」男。このニューヨーク・ヤンキースを倒した男には、初球フォークでストライク。2球目は一転、ファストボールで空振り奪取。3球目、イン・ハイで仰け反らせ、ボストンの観客が鋭く反応! ブーイングが過ぎ去った後、4球目、フォークを振らせ、三振! ボストンの観客を沈黙させる。「エース」のピッチング、だ。口を大きく膨らませ、息を吐いた野茂。緊張感から解放され、マウンドを降りる。素晴らしかった!!
この野茂が【2回裏】に7失点を喫する。信じられないのだが……先頭の5番ケヴィン・ミラーを歩かせて、ノーアウト1塁。6番エドガー・レンテリアに初球フォークの後の真っ直ぐを狙われて、三遊間を抜かれて、1,2塁。7番「かつてバッテリーを組んだ」ジェイソン・ヴァリテックにも、2球フォークを続けた後の真っ直ぐを狙われたが、打ち上げて、キャッチャー・ファウルフライ。思わずデカい声で<Fワード>を叫び、己を罵るヴァリテック。かつての僚友相手に力んだか、それとも野茂の真っ直ぐが遅すぎて、タイミングが狂ったか?
8番「マリアーノ・リヴェラ“キラー”」ビル・ミュラーには、4球フォークを続けて、「2-2」と追い込むが、5球目、6球目の真っ直ぐが高めに浮いて、四球。1アウト満塁になって、9番「曲者」マーク・ベルホーンに「2-2」から高く入った真っ直ぐを叩かれ、左中間を抜かれて、2者生還、「0対2」。1番デーモンは初球のフォークに手を出してくれて、サードゴロに打ち取るが、2番ニクソンを歩かせて、再び満塁。3番ラミレスにも四球で押し出し、「0対3」。そして、4番オルティーズにライトフェンス最前列にライナーで飛び込む、グランドスラムを浴びて、万事休す。「0対7」。
【3回裏】も先頭の6番レンテイリアに“グリーンモンスター”直撃のトリプル(3塁打)を浴び、7番ヴァリテックに投じたフォークがワンバウンドになり、「0対8」。ヴァリテックにもセンター前ヒットを浴び、ここで降板。2回0/3、5安打、4四球、8失点。初回の強気な真っ直ぐ勝負から一転、【2回裏】は何故か、フォークを多投し、これが裏目に出て、四球を出すことになり、ランナーを溜めて、オルティーズには真っ直ぐを狙われた。【3回裏】はファストボール主体に転換したが、これを悉く狙われた。
キャッチャー、トビー・ホールの苦心のリードは分かるが、少し策に溺れたか? 野茂の球速はこれ以上増さないだけに、キャッチャーのリード次第で、野茂のピッチングはどうにでもなる。野茂は疲れていないから、次「早く投げたい」と言った。まだ自分は「やれる」と信じている。その「強い」気持ちとキャッチャーのリードが巧く噛み合ったとき、野茂のナイスピッチングは生まれる。「次は」19日(日本時間・20日)ヤンキース戦、だ。
2球目も同じサイドに低く決まって、「1-1」。3球目はフォークがワンバウンド。4球目もアウトサイドに高く外れて、「3-1」。ボストンの観客が騒ぎ出す。5球目も外れて、デーモンが1塁に歩く。それにしても、相手がNOMO、ということもあり、じっくりボールを見てきたデーモン。1球もスイングせず、小憎らしいばかりに出塁。リードオフマンの役割を果す。ノーアウト1塁。ボストンの喧騒は高まる。
2番トロント・ニクソンへの初球も、アウトサイド低めに外れる。例によって、球速はないが、低めを丹念に突こうとする意思が窺える。2球目もアウトに高く外れるが、3球目は低めに決まって、「2-1」。インサイドを突かないのが気になるが……怖くて突けないか? 相手は「世界一」のボストン打線。勇気と球威が必要、だ。キャッチャー、またしても、アウトサイドに構えて、4球目、今度も低めに決まって、「2-2」。5球目、初めてインサイドを突くが、低過ぎて、「3-2」。打席のニクソンも息を吐く。バッターだって緊張している。6球目もアウトサイド。これを弾き返したニクソン、ピッチャー前にライナー! 野茂が弾き落として、1塁へ送球。1アウト2塁。この辺りはベテラン、落ち着いている。
3番マニー・ラミレスに初球、アウトサイド低めに絶妙のロケーション。2球目、同じコースにフォークで誘って、反応なし。3球目、アウトサイドに精一杯のファストボール、チェックスウィングで、「1-2」。これも「いい球」だ。4球目は高めで誘ったが、誘いには乗らず、昨年のワールドシリーズ「MVP」男。決めに行った5球目のファストボールは外に外れて、「3-2」。6球目、フォーク狙いの裏を掻いたか、真っ直ぐでファウル。7球目も渾身の真っ直ぐ勝負! バックネットにファウル。気温7.8度のボストンで、半袖の野茂、熱投が続く!!
8球目も真っ直ぐ。これを打ち上げさせて、ファーストフライ。「フォーク」を予想した解説の与田剛氏が「ひたすら」唸っている。かつてのソウル・オリンピックの戦友は、未だ現役で、メジャーリーグで投げ続け、友に「勇姿」を見せ続けている。「MVP男」ラミレスも頭の半分で、フォークを予測していたのだろう。その分、野茂の140㎞前後の真っ直ぐに差し込まれた。かつてバリー・ボンズ(サンフランシスコ・ジャイアンツ)に対したように、「強打者」には強気に真っ直ぐ勝負を挑む、メジャーリーガー野茂の真骨頂、だ。
マウンド上で高揚感を覗かせる野茂。しかし、続くは4番デヴィット・オルティーズ、だ。昨年のチャンピオンシップ・シリーズ「MVP」男。このニューヨーク・ヤンキースを倒した男には、初球フォークでストライク。2球目は一転、ファストボールで空振り奪取。3球目、イン・ハイで仰け反らせ、ボストンの観客が鋭く反応! ブーイングが過ぎ去った後、4球目、フォークを振らせ、三振! ボストンの観客を沈黙させる。「エース」のピッチング、だ。口を大きく膨らませ、息を吐いた野茂。緊張感から解放され、マウンドを降りる。素晴らしかった!!
この野茂が【2回裏】に7失点を喫する。信じられないのだが……先頭の5番ケヴィン・ミラーを歩かせて、ノーアウト1塁。6番エドガー・レンテリアに初球フォークの後の真っ直ぐを狙われて、三遊間を抜かれて、1,2塁。7番「かつてバッテリーを組んだ」ジェイソン・ヴァリテックにも、2球フォークを続けた後の真っ直ぐを狙われたが、打ち上げて、キャッチャー・ファウルフライ。思わずデカい声で<Fワード>を叫び、己を罵るヴァリテック。かつての僚友相手に力んだか、それとも野茂の真っ直ぐが遅すぎて、タイミングが狂ったか?
8番「マリアーノ・リヴェラ“キラー”」ビル・ミュラーには、4球フォークを続けて、「2-2」と追い込むが、5球目、6球目の真っ直ぐが高めに浮いて、四球。1アウト満塁になって、9番「曲者」マーク・ベルホーンに「2-2」から高く入った真っ直ぐを叩かれ、左中間を抜かれて、2者生還、「0対2」。1番デーモンは初球のフォークに手を出してくれて、サードゴロに打ち取るが、2番ニクソンを歩かせて、再び満塁。3番ラミレスにも四球で押し出し、「0対3」。そして、4番オルティーズにライトフェンス最前列にライナーで飛び込む、グランドスラムを浴びて、万事休す。「0対7」。
【3回裏】も先頭の6番レンテイリアに“グリーンモンスター”直撃のトリプル(3塁打)を浴び、7番ヴァリテックに投じたフォークがワンバウンドになり、「0対8」。ヴァリテックにもセンター前ヒットを浴び、ここで降板。2回0/3、5安打、4四球、8失点。初回の強気な真っ直ぐ勝負から一転、【2回裏】は何故か、フォークを多投し、これが裏目に出て、四球を出すことになり、ランナーを溜めて、オルティーズには真っ直ぐを狙われた。【3回裏】はファストボール主体に転換したが、これを悉く狙われた。
キャッチャー、トビー・ホールの苦心のリードは分かるが、少し策に溺れたか? 野茂の球速はこれ以上増さないだけに、キャッチャーのリード次第で、野茂のピッチングはどうにでもなる。野茂は疲れていないから、次「早く投げたい」と言った。まだ自分は「やれる」と信じている。その「強い」気持ちとキャッチャーのリードが巧く噛み合ったとき、野茂のナイスピッチングは生まれる。「次は」19日(日本時間・20日)ヤンキース戦、だ。