野茂英雄(タンパベイ・デヴィルレイズ)、ヤンキースタジアムのマウンドに立つ。1番デレック・ジーターへの初球ファストボール(135㎞)が高めに浮く。2球目(138㎞)空振り。球は速くないが、微妙にタイミングをズラしている。3球目、意表を突くカーヴ(118㎞)でストライク「1-2」。ここまで巧く攻めたが、4球目のファストボールを叩かれ、レフト前ヒット!! 当たっているジーター。野茂は攻略できなかった。昨日(18日)19点を取ったヤンキース打線。今日(19日)も野茂に襲い掛かるのか?
2番に入っているバーニー・ウィリアムス。その初球にジーターが盗塁を試みるが、OUT。キャッチャー、トビー・ホールが野茂をアシストしてくれた。因みにその間のボールは「ストライク」。球速は「140㎞」を計測していた。野茂の「140㎞」を見るのは久しぶりのような気がするが……2球目、3球目(138㎞)はボールの後、4球目はインハイを突いて、仰け反らせて、「3-1」。この球は「142㎞」を計測。今日の野茂は球が走っている。5球目(138㎞)を打たせて、ファウル。「3-2」フルカウントからのラストボールは、フォークではなく、ストレート(138㎞)。これで詰まらせて、ショートフライ。ここまで1球も「宝刀」(フォーク)を抜いていない。
3番「天敵」(対戦打率.519)ゲーリー・シェフィールドには、初球カーヴ(118㎞)で入って、目先を変えたが、2球目(138㎞)を狙われて、レフトへ大飛球! いい角度で上がったが、失速して、レフトフライ。球威で押し返したか? 野茂、一瞬、ヒヤリとさせられたが、口を大きく膨らませて、息を吐き出し、3塁側ダッグアウトへ。
【2回裏】は先頭、4番・松井秀喜を迎える。初球(137㎞)が高めに浮いて、2球目(138㎞)も同様。3球目、キャッチャーがミットを低く構えて「低目」を要求してきたが、「137㎞」がやや真ん中に入って、これを松井が打ち返したが、セカンドゴロ。球威が勝っているのか? 依然としてフォーク(スプリット)は、1球も投げない。
5番・アレックス・ロドリゲスへの初球(138㎞)空振り。2球目(134㎞)初めてフォークを投げたか? これをファウル。3球目(126㎞)今度こそ正真正銘のフォーク(スプリット)で見送り三振! 昨日(18日)大爆発したA・ロッド相手に「宝刀」を抜いて、斬って棄てた。唖然とするA・ロッド。口元を歪めながら、1塁側ダッグアウトへ。
6番ジェイソン・ジアンビにも、フォーク(124㎞)で入って、ストライク。2球目(124㎞)もフォーク。これをジアンビに持って行かれた。ライトスタンドへ飛び込む3号ホームラン! やはり、フォークを多投するとロクなことにならない。このイニング、一転して、フォークを多投してきたが、その戦略が破綻した。「0対1」ヤンキースに先制を許す。
【3回裏】昨日グランドスラム(満塁弾)を放った8番・ティノ・マルティネス。「ティノ・コール」が渦巻く中、初球(137㎞)ボール。2球目(137㎞)も高めに浮くが、3球目(137㎞)にストライク。4球目、高目の速球(138㎞)で詰まらせて、サードフライ。ロー・ボールヒッターには、最高の攻めだ。
9番トニー・ウオーマックにも、初球(137㎞)でストライク。2球目(138㎞)も高めを打たせて、ファウル。3球目のフォーク(126㎞)はワンバウンドになるが、4球目もフォーク(124㎞)を続けて、ピッチャーゴロに打ち取る。
初回に「やられた」ジーターには、初球フォーク(135㎞)で入って、2球目(138㎞)をファウル。3球目(137㎞)はフォークが「ボール」。4球目は渾身のストレート「142㎞」でファウル。球審からの返球を頷いて受け、キャッチャーのサインにも頷く。冷静な野茂。1失点は喫したものの、自分のペースに持ち込めている。5球目も「140㎞」セカンドゴロに打ち取ったが、飛んだコースが良く、送球が1塁に達する間に、ジーターがベースを駆け抜けて、内野安打。2アウトから出塁を許すが、2番バーニーを速球(140㎞)で捻じ伏せて、ライトフライ。
【4回表】に味方が、ヤンキースの先発(スターター)ランディー・ジョンソンから、2ランホームランを放って、逆転「2対1」。打ったのは、元阪神タイガース、エドアード・ペレス、だ。【4回裏】も「天敵」シェフィールドにライトへ大飛球を飛ばされるが、ライトのオーブリー・ハフが背走してキャッチ。そして、4番・松井とのこの日2度目の対決……
初球(138㎞)ボール、2球目(122㎞)ストライク。3球目(135㎞)初球と同じ球で「ボール」。4球目(138㎞)でストライク。この打席は一転、フォークを多投している。「2-2」からの5球目もフォーク(127㎞)、これはワンバウンドになって、6球目も既にキャッチャーがミットを上にして構えている。フォーク(127㎞)が来たが、松井がこれを選んで、四球。慎重になったバッテリー。もっとも(キャッチャーの)サインを出しているのは、ダッグアウトのようだが。
A・ロッドは初球(142㎞)を打ち上げて、ファウル。せっかく昨日、当たりを取り戻したのに、今日、野茂に崩されると、元も子もない、A・ロッド。2球目も「142㎞」が来て、際どく「ボール」。3球目(135㎞)のフォークで空振り。翻弄されるA・ロッド。ヤンキースタジアムの巨大な溜息(45,802人)……観客も昨日の「爆発」(6打数5安打6打点2本塁打)でA・ロッドの「復活」を確信したのだが、これでは……4球目のフォーク(135㎞)は不発(ワンバウンド)。5球目の速球(143㎞)は高めに浮いて、「3-2」フルカウント。6球目のラストボールは「142㎞」これを打ち上げさせて、ライトフライ。野茂の「勝ち」。再び泥沼に陥るか、A・ロッド?
前打席でホームランを喫した、ジアンビには初球、この日の最速「145㎞」が出たが、ボール。2球目(127㎞)も外れるが、3球目(140㎞)、4球目(143㎞)でストライク。いい打者になればなるほど、球速が増す、この日の野茂。「2-2」からの勝負球も「143㎞」これがアウトサイド低目ギリギリに決まって、ジアンビ見逃し「三振」! 素晴らしい!!……今日一番の球だった。
【5回裏】は先頭のホルへ・ポサーダを歩かせるが、8番ティノに3球目(142㎞)を弾かれ、ピッチャー強襲を浴びるが、1塁ランナーがエンドランで走っていて、ベースカヴァーに入ったショートに打球が飛んで、ゲッツー完成。野茂は「幸運」。「不運」なヤンキース。しかし、それにしても、ティノへの2球目には、この日の正真正銘の最速「148㎞」が出ていた。信じられない……ここ数年の野茂には考えられなかったこと、だ。野茂の「復活」を確信する、この日のピッチング。
しかし、ウォーマックにセンター前ヒットを浴び、しぶといヤンキース。1番ジーターも野茂の渾身の143㎞を弾き返し、右中間を抜ける……否、抜けない。ライト・ハフが回り込んで捕ったが、3塁ベースコーチャー、ルイス・ソーホーは、ウォーマックの「快足」を信じて、手をグルグル回している。しかし、本塁寸前でタッチアウト。2アウトだからセオリーだが、右中間は抜けていなかった。焦りを感じ始めたか、ヤンキース……?
【6回裏】野茂、最後のマウンドへ。先頭のバーニーは初球(135㎞)を打ってくれて、ファーストゴロ。3番の「天敵」シェフィールドには、ストレートで歩かせ、4番・松井とのこの日3度目の対決は……初球(140㎞)を打って、三遊間を抜いて、レフト前ヒット!! 1アウト、1,2塁のピンチを招くが、5番「ポイント」のA・ロッドを「143㎞」でセンターフライに打ち取る。この日はA・ロッドを抑えこんだことが、「勝因」になった。ヤンキースタジアムの観客からは失望の溜息と共にブーイングも飛ぶ。
ここでホームランを打たれているジアンビを迎えたところで、ルー・ピネラ監督、登場。野茂は口を大きく膨らませて不満そう。第2打席は抑えただけに、「自信」があったのだろう。キャッチャーのホールも敵意の視線すら送っている。同道した来た仲間の絆……しかし、頷いて降板。この日のピッチングに納得もしているのだろう。ヤンキースの専属放送局【YES】のコメンテーターからも「グッド・ジョブ!」
この後、2番手の左腕トレヴァー・ミラーが、ジアンビを空振り三振に打ち取って、ダッグアウトの野茂は「俺でも取れた」の顔。それでも出迎えにグータッチで向かって、帰ってきたキャッチャーのホールから激励を受ける。ホールはいいヤツだ。6番目(?)の移籍球団でも、キャッチャーに恵まれたみたいだ。キャッチャー「運」があるのかもしれない。
試合は【7回表】にペレスの2打席連続ホームランが出て、「3対1」。【8回表】にも加点して、ランディー・ジョンソンをKO。「6対2」でデヴィルレイズの勝利。野茂に「2勝目」が付いた。これで日米通算「198勝」。もう何の「不安」もない。野茂は「復活」した。この日の球速・球威が総てを物語っている。試合後のインタヴューで「プレイオフにも出たい」と意欲を語る野茂。昨シーズン、地区優勝しながら、ロースターから外れ、プレイオフで投げられなかった、直近の悔しさが、野茂の心の中で渦巻いているのだろう。もう一度、あの舞台に立ったとき、それが真の「復活」か。
2番に入っているバーニー・ウィリアムス。その初球にジーターが盗塁を試みるが、OUT。キャッチャー、トビー・ホールが野茂をアシストしてくれた。因みにその間のボールは「ストライク」。球速は「140㎞」を計測していた。野茂の「140㎞」を見るのは久しぶりのような気がするが……2球目、3球目(138㎞)はボールの後、4球目はインハイを突いて、仰け反らせて、「3-1」。この球は「142㎞」を計測。今日の野茂は球が走っている。5球目(138㎞)を打たせて、ファウル。「3-2」フルカウントからのラストボールは、フォークではなく、ストレート(138㎞)。これで詰まらせて、ショートフライ。ここまで1球も「宝刀」(フォーク)を抜いていない。
3番「天敵」(対戦打率.519)ゲーリー・シェフィールドには、初球カーヴ(118㎞)で入って、目先を変えたが、2球目(138㎞)を狙われて、レフトへ大飛球! いい角度で上がったが、失速して、レフトフライ。球威で押し返したか? 野茂、一瞬、ヒヤリとさせられたが、口を大きく膨らませて、息を吐き出し、3塁側ダッグアウトへ。
【2回裏】は先頭、4番・松井秀喜を迎える。初球(137㎞)が高めに浮いて、2球目(138㎞)も同様。3球目、キャッチャーがミットを低く構えて「低目」を要求してきたが、「137㎞」がやや真ん中に入って、これを松井が打ち返したが、セカンドゴロ。球威が勝っているのか? 依然としてフォーク(スプリット)は、1球も投げない。
5番・アレックス・ロドリゲスへの初球(138㎞)空振り。2球目(134㎞)初めてフォークを投げたか? これをファウル。3球目(126㎞)今度こそ正真正銘のフォーク(スプリット)で見送り三振! 昨日(18日)大爆発したA・ロッド相手に「宝刀」を抜いて、斬って棄てた。唖然とするA・ロッド。口元を歪めながら、1塁側ダッグアウトへ。
6番ジェイソン・ジアンビにも、フォーク(124㎞)で入って、ストライク。2球目(124㎞)もフォーク。これをジアンビに持って行かれた。ライトスタンドへ飛び込む3号ホームラン! やはり、フォークを多投するとロクなことにならない。このイニング、一転して、フォークを多投してきたが、その戦略が破綻した。「0対1」ヤンキースに先制を許す。
【3回裏】昨日グランドスラム(満塁弾)を放った8番・ティノ・マルティネス。「ティノ・コール」が渦巻く中、初球(137㎞)ボール。2球目(137㎞)も高めに浮くが、3球目(137㎞)にストライク。4球目、高目の速球(138㎞)で詰まらせて、サードフライ。ロー・ボールヒッターには、最高の攻めだ。
9番トニー・ウオーマックにも、初球(137㎞)でストライク。2球目(138㎞)も高めを打たせて、ファウル。3球目のフォーク(126㎞)はワンバウンドになるが、4球目もフォーク(124㎞)を続けて、ピッチャーゴロに打ち取る。
初回に「やられた」ジーターには、初球フォーク(135㎞)で入って、2球目(138㎞)をファウル。3球目(137㎞)はフォークが「ボール」。4球目は渾身のストレート「142㎞」でファウル。球審からの返球を頷いて受け、キャッチャーのサインにも頷く。冷静な野茂。1失点は喫したものの、自分のペースに持ち込めている。5球目も「140㎞」セカンドゴロに打ち取ったが、飛んだコースが良く、送球が1塁に達する間に、ジーターがベースを駆け抜けて、内野安打。2アウトから出塁を許すが、2番バーニーを速球(140㎞)で捻じ伏せて、ライトフライ。
【4回表】に味方が、ヤンキースの先発(スターター)ランディー・ジョンソンから、2ランホームランを放って、逆転「2対1」。打ったのは、元阪神タイガース、エドアード・ペレス、だ。【4回裏】も「天敵」シェフィールドにライトへ大飛球を飛ばされるが、ライトのオーブリー・ハフが背走してキャッチ。そして、4番・松井とのこの日2度目の対決……
初球(138㎞)ボール、2球目(122㎞)ストライク。3球目(135㎞)初球と同じ球で「ボール」。4球目(138㎞)でストライク。この打席は一転、フォークを多投している。「2-2」からの5球目もフォーク(127㎞)、これはワンバウンドになって、6球目も既にキャッチャーがミットを上にして構えている。フォーク(127㎞)が来たが、松井がこれを選んで、四球。慎重になったバッテリー。もっとも(キャッチャーの)サインを出しているのは、ダッグアウトのようだが。
A・ロッドは初球(142㎞)を打ち上げて、ファウル。せっかく昨日、当たりを取り戻したのに、今日、野茂に崩されると、元も子もない、A・ロッド。2球目も「142㎞」が来て、際どく「ボール」。3球目(135㎞)のフォークで空振り。翻弄されるA・ロッド。ヤンキースタジアムの巨大な溜息(45,802人)……観客も昨日の「爆発」(6打数5安打6打点2本塁打)でA・ロッドの「復活」を確信したのだが、これでは……4球目のフォーク(135㎞)は不発(ワンバウンド)。5球目の速球(143㎞)は高めに浮いて、「3-2」フルカウント。6球目のラストボールは「142㎞」これを打ち上げさせて、ライトフライ。野茂の「勝ち」。再び泥沼に陥るか、A・ロッド?
前打席でホームランを喫した、ジアンビには初球、この日の最速「145㎞」が出たが、ボール。2球目(127㎞)も外れるが、3球目(140㎞)、4球目(143㎞)でストライク。いい打者になればなるほど、球速が増す、この日の野茂。「2-2」からの勝負球も「143㎞」これがアウトサイド低目ギリギリに決まって、ジアンビ見逃し「三振」! 素晴らしい!!……今日一番の球だった。
【5回裏】は先頭のホルへ・ポサーダを歩かせるが、8番ティノに3球目(142㎞)を弾かれ、ピッチャー強襲を浴びるが、1塁ランナーがエンドランで走っていて、ベースカヴァーに入ったショートに打球が飛んで、ゲッツー完成。野茂は「幸運」。「不運」なヤンキース。しかし、それにしても、ティノへの2球目には、この日の正真正銘の最速「148㎞」が出ていた。信じられない……ここ数年の野茂には考えられなかったこと、だ。野茂の「復活」を確信する、この日のピッチング。
しかし、ウォーマックにセンター前ヒットを浴び、しぶといヤンキース。1番ジーターも野茂の渾身の143㎞を弾き返し、右中間を抜ける……否、抜けない。ライト・ハフが回り込んで捕ったが、3塁ベースコーチャー、ルイス・ソーホーは、ウォーマックの「快足」を信じて、手をグルグル回している。しかし、本塁寸前でタッチアウト。2アウトだからセオリーだが、右中間は抜けていなかった。焦りを感じ始めたか、ヤンキース……?
【6回裏】野茂、最後のマウンドへ。先頭のバーニーは初球(135㎞)を打ってくれて、ファーストゴロ。3番の「天敵」シェフィールドには、ストレートで歩かせ、4番・松井とのこの日3度目の対決は……初球(140㎞)を打って、三遊間を抜いて、レフト前ヒット!! 1アウト、1,2塁のピンチを招くが、5番「ポイント」のA・ロッドを「143㎞」でセンターフライに打ち取る。この日はA・ロッドを抑えこんだことが、「勝因」になった。ヤンキースタジアムの観客からは失望の溜息と共にブーイングも飛ぶ。
ここでホームランを打たれているジアンビを迎えたところで、ルー・ピネラ監督、登場。野茂は口を大きく膨らませて不満そう。第2打席は抑えただけに、「自信」があったのだろう。キャッチャーのホールも敵意の視線すら送っている。同道した来た仲間の絆……しかし、頷いて降板。この日のピッチングに納得もしているのだろう。ヤンキースの専属放送局【YES】のコメンテーターからも「グッド・ジョブ!」
この後、2番手の左腕トレヴァー・ミラーが、ジアンビを空振り三振に打ち取って、ダッグアウトの野茂は「俺でも取れた」の顔。それでも出迎えにグータッチで向かって、帰ってきたキャッチャーのホールから激励を受ける。ホールはいいヤツだ。6番目(?)の移籍球団でも、キャッチャーに恵まれたみたいだ。キャッチャー「運」があるのかもしれない。
試合は【7回表】にペレスの2打席連続ホームランが出て、「3対1」。【8回表】にも加点して、ランディー・ジョンソンをKO。「6対2」でデヴィルレイズの勝利。野茂に「2勝目」が付いた。これで日米通算「198勝」。もう何の「不安」もない。野茂は「復活」した。この日の球速・球威が総てを物語っている。試合後のインタヴューで「プレイオフにも出たい」と意欲を語る野茂。昨シーズン、地区優勝しながら、ロースターから外れ、プレイオフで投げられなかった、直近の悔しさが、野茂の心の中で渦巻いているのだろう。もう一度、あの舞台に立ったとき、それが真の「復活」か。