野球少年は夢を見る…MLB篇

Major League Series 2022

初対決! 桑田vs.イチロー(21日・セーフコ・フィールド)

2007-06-22 22:06:16 | Pittsburgh Pirates
 昨日(20日)「7対0」で大勝して、連敗を「6」で止めたシアトル・マリナーズ。今日も先発(スターター)フェリックス・ヘルナンデスの好投で【5回表】まで「0対0」。【5回裏】シアトルは先頭のリッチー・セクソンが歩き、1-OUT後、9番ユニエスキー・ベタンコートが三遊間を破って、1-OUT_1,2塁。ここで1番イチロー

 カウント「2-1」から7球ファウルで粘って、その全て(殆ど)がレフト方向へのファウル。イチローは明らかにレフトに流し打ちのヒットを狙っているが、それに気付かないのか、外角攻めを止めようとしないピッツバーグ・パイレーツのバッテリー。この辺りが、<インターリーグ>ならでは、というところか。イチローは8球目をファウルにせず、レフト線に<ライン・ドライヴ>を入れて、セクソンが還って先制点!
 せっかちな男、2番ホゼ・ロペスも初球を打って、レフト線にダブル(2塁打)!! これでイチローまで還って、「3対0」! “せっかちな男”に初球は「要注意」なのだが、これも<インターリーグ>の効用。

 こうなれば、シアトルのペース。前日同様に追加点を奪っていく、試合展開になるハズだったのが、その流れを寸断したのが、日本から来た伝説の男、背番号「18桑田真澄
【6回裏】マウンドに走ってきて、先頭のエイドリアン・ベルトレに初球スライダーで空振り! 2球目も同じ球でファウル! 3球目に<レインボー>(カーヴ)で、辛うじてバットに当てたベルトレ。翻弄されている2004年の本塁打王(ナショナル・リーグ)。最後はスライダーを振らせて、空振り三振! 

 7番セクソンには初球<レインボー>で入って、2球目の速球(140km)で連続ファウルの後、3球目のスライダーを引っ掛けさせて、ショートゴロ。桑田の術中に陥るシアトル打線。ここまで1球も「ボール」がない。このコントロールの良さ! 8番「安打製造機」ホゼ・ヴィドロには、桑田の頭上を越える内野安打を許して、2-OUT_1塁。
 9番ベタンコートにはスライダーで入って、<レインボー>で空振りさせ、その落差のあるカーヴにどよめくシアトルの観衆。3球目にスライダーを決めて、桑田は3球三振を確信して、マウンド上で一瞬、跳ねるが、球審の判定は際どく「ボール」。ならば、と最後は<レインボー>を決めて、空振り三振! 全くバットに掠りもしない“魔球”<レインボー>だ。

【7回裏】先頭打者は、イチロー。いよいよ≪夢の対決≫実現! その初球は桑田、渾身のストレート(138km)! 2球目にシュートで「1-1」にして、3球目フォークで空振り! 追い込んで、次に来るのは<レインボー>! これに(さすがの)イチローもバットに当てることが出来ずに空振り三振! まさに“魔球”だ。
 
 2番ロペスの初球にも<レインボー>で入って、ストライク。打席で呆然と見送って、困った顔をしているホゼ。2球目のスライダーが低く外れたものの、3球目のシュートで「1-2」。追い込まれて、何を待って(狙って)いいのか悩むホゼ。ヘルメットをポンと叩いて、気合を入れたが、最後はスライダーの軌道を見送って、見逃し三振! 手も足も出なかった!! 

 解説(NHK衛星)の読売ジャイアンツ時代の同僚、武田一浩氏は「桑田を先発で使うべき」と絶賛! 3番ラウル・イバニェスにも2球目のシュートで詰まらせて、ボテボテのピッチャーゴロ! 誰が発したか「Go,GO!!」の叫びに促され、素早くマウンドを駆け下りた桑田が、打者と交錯する隙間を縫って、1塁に巧みに送球して、3-OUT! 

 素晴らしすぎる、桑田。果たして、ジム・トレーシー監督は新たな決断を下すのか? しかし、ピッツバーグはこう見えても、割とスターターは充実している。ブルペンが枯渇していて、「エース」セットアッパーもクローザーも不在、だった。恐らく、そこに当て嵌める現状を維持するのだと思うが、しかし、やはり先発=桑田も見てみたい。本人はどう思っているのだろう? 

世代を超えて認め合う桑田とイチロー (MAJOR.jp)