幼児期から小6までの子供は環境に大きく左右されます。人は良くも悪くも環境に順応するからです。
例えば、お家がいつも整理整頓され、子供部屋もいつも整頓されているとそれが当たり前の環境となり、乱雑に散らかっていると落ち着けない。だから、きれいにしたくなり、自分から掃除し、整理整頓してしまう。
しかし、お家がいつも整理されず、散らかっていて、清掃が行き届かないと、その状態が当たり前の環境となり、整理整頓どころか清掃すらしようと思わなくなります。
そして、中高生になって「自分の部屋を掃除して、整理整頓しなさい。」と言うと、「何が悪いんだ?オレはこのほうが落ちつくんだ。」と口答えするようになります。
そういうお子様が成長し、社会人になると怖いです。
上司先輩から職場の清掃や整理整頓を指示されると、「自分は担当業務をするために出勤しているのであって、清掃や整理整頓するためではない。それに、自分は清掃や整理整頓など業務の本質ではないことに価値を置いていない。だから、清掃や整理整頓はやらない。そんなことは清掃業者を雇って、やらせればいいことだ。自分が清掃するよりプロの清掃のほうがはるかに綺麗になる。」と言い返すようになります。
たしかに米国の職場ならそういう言い分も通るかもしれません。「自分が清掃すると毎日清掃で給料をもらっている職員の仕事を奪うことになるので清掃しない。」と語るホワイトカラーも米国にはいるそうです。
しかし、ここは日本です。長い歴史の中で培われた日本固有の文化があり、生活常識もそういう文化の一つなのです。日本固有の文化を子供達にも教え、身につけさせるのは私達大人の責務ではないでしょうか?
今、お家の例を挙げましたが、私立小学校も同じです。清掃が行き届かず、整理整頓がされていない学校で過ごすと、子供達はそれに慣れてしまい、乱雑で汚い環境に疑問すら抱かなくなります。そういう生徒に清掃や整理整頓を指示しても適当にしかやりません。それどころか平気の平左で汚し、散らかすようになります。こうなると悪循環です。
人生の基本を教え導く私立小学校ではそういうことも大切にし、良き環境の中で良き習慣を身につけさせるべきです。小学校に入学したら、みんなが綺麗にしているから、新1年生も自然と見習って清掃し、整理整頓するようになる。
小学生に対して、清掃や整理整頓の重要性や楽しさを集団の中で教え、導くのが小学校の大切な役割であると考えます。
これに対して「そういうのは家庭でやるしつけだ。」という意見もあります。しかし、家庭では清掃し、整理整頓しているお子様も、学校できちんと指導しないと、「自分の家は綺麗にするが、みんなで使う学校や図書館や公園は汚していい。」という公徳心の欠如した人間になります。だから、小学校でも教え導くべきなのです。
「一事が万事」と言います。清掃や整理整頓すら指導できない生徒指導力では学校の本質である学業の指導も行き届いていないと思われます。
ちなみに、
清掃や整理整頓の大切さを生徒達に力を入れて指導している私立小学校が
星野学園小学校、さとえ学園小学校、星美学園小学校、淑徳小学校、江戸川学園取手小学校です。
他の私立小学校も同様に指導していると思いますが、ここ数年私が自ら出向き、何度も確認した私立小学校がこの5校です。
逆に「校舎教室の清掃や整理整頓は学校の本質ではないので、価値を置いていない。」と公言している私立小学校もあります。そういう学校はその言葉通りで校舎全体の清掃が行き届いておらず、整理整頓もされていません。そして、生徒達の公徳心が乏しく、電車の中や駅のホームで大騒ぎをして、世間の人々に迷惑をかけているかもしれません。生徒指導力が弱いので、いじめや登校拒否まで続出しているかもしれません。そして、肝心要の学業の指導も行き届いていないかもしれません。
この意味で生徒指導力という観点からの学校選びは大切です。最愛の我が子の一生を左右するかもしれませんから。