活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

遠藤周作文学館と「沈黙の碑」

2007-02-01 11:06:18 | Weblog
 たしか、月のない真っ暗な夜だったと思います。http://blog.goo.ne.jp/admin/editentry?eid=9cb38eeb299f8f867abd29decf79c099#
 遠藤周作さんが、『沈黙』の中で、トモギ村の入り江の浅瀬に、ガルベとキチジローがおりたった光景を描いておられたのは。
 
 私が訪ねたときは、遠くからまぶしいほど陽光に照り映えた文学館が目にできる日でした。しかし、文学館のところが小さな入り江になっているのを認めたとたん、「そうか」と、思わず、足を止めました。「きっと、ここなのだ」と。
 遠藤周作さんはこのあたりの海を見て、暗闇の中をカルベとキチジローのふたりを上陸させたのにちがいないと想像したのです。それほど、文学館は海の近くにあります。

 館内には『沈黙』の鉛筆で書いた原稿や書斎の復元やら興味深い展示が並びますが、角力灘の濃いブルーを四角く切り取って見せてくれる小窓やステンドグラスを配した大きな窓など、なかなか憎い演出です。学芸員の方も親切で、二度目に訪ねたとき、ド・ロ神父記念館までクルマで送ってもらいました。

 文学館をあとにして、出津文化村に向かいます。ちょうど、海を背にして歴史民族資料館の方に向かう坂の手前に「沈黙の碑」があります。

 「人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに蒼いのです 」

自然石に、こう、刻まれております。

 話はそれますが、このあたりは夕日が美しいので有名です。ゆっくり、あちこち訪ね歩いて、夕日を見てから帰路につくようお薦めします。
 
コメント
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