活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

世界遺産と「印刷」

2011-09-23 16:47:06 | 活版印刷のふるさと紀行
 きょうは世界遺産アカデミー主任研究員の目黒正武さんの『世界遺産からの
メッセージ』というセミナーに参加しました。
 今年、2011年には小笠原諸島と平泉が世界遺産に登録されたばかりです
からニュース性もあって聴衆も熱心でしたし、パワーポイントを駆使したレク
チュアが興味ぶかく充実した時間でした。

 「印刷の世界遺産」といえばベルギーのアントワープにあるプランタンで、
「モレトウスの家屋・工房・博物館」の複合体を1つにして2005年に世界
遺産として登録されているのが有名です。
 
 私がはじめてプランタンを訪ねたのは昭和60年でしたが、平成元年のユー
ロパリア89ジャパンのとき、アントワープで開催した「現代日本ポスター展」
の担当でしたから会期中に2度、3度プランタン博物館を観ることができました。
 その2,3年後にマドリッドで「ジャパンプリント」があったときも田中一光
さんをご案内した記憶があります。

 アントワープといえばヴェネツィア、パリ、リヨンと並んで出版業の拠点でし
たから、16世紀のクリストフ・プランタンの盛業は大変なものでした。
その当時の印刷機が並んでいる工房、印刷した稀覯本、そして家族の食堂まで当
時のまま保存されているのには驚きました。
 世界遺産に登録されたのは、それから10年近く経ってからですから遅きに失し
た感さえありました。

 私は世界遺産とまではいかなくとも、いまのうちに「日本の印刷遺産」を日本
印刷産業連合会あたりで設定してほしいと思います。


 
 
コメント
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