梅雨入り前の某日のことです。銀座4丁目から中央通りをギンザ松坂屋の手前に差しかかると人だかり。みんな携帯でパシャパシャ撮影しています。思わずその先をみると、なんと、「みゆき通り」の道標の上に一匹のネコがチンマリと座っています。あちこちで、例の若い女性の慣用語「カワユイゥーイ」の連発です。
別にポーズをとっているわけではありませんが、少しも動ずるふうはなく、むしろ、優しい目で人間様の方を観察している風情ではありませんか。たしかに「銀座のネコ」、ちょっぴり気取っているところなんぞナカナカだと感心さえしました。午後3時45分でした。、
ギンザグラフィックギャラリーをのぞいた帰り、まだ、人だかりはつづいていました。と、そのときです。おまわりさんが近づいてきたと思ったら、やにわに、一人の男性の手が伸びてネコをかかえこむと足早に歩き出しました。もちろん、たちどころに人だかりは消えました。
ということは、その男性は人だかりのどこかにいて、みんなが自分の飼いネコに「カワユィー」を連発し、シャッターを切るのを見ていたのに違いありません。でないと、警官の出現、間髪をいれずのネコ収容はありません。ちょっと距離があったので、会話は聞こえませんでしたが、どうも、あれは、なんども繰り返されている光景で、日常的なことのように思えました。
それにしてもなぜ、愛猫家のネコ自慢なのでしょうか。午後4時半でしたから、すくなくともあのネコ君は45分間、舞台にいたわけです。