活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

紙の本と同じ本の電子本を同時に出す話

2012-07-06 12:43:24 | 活版印刷のふるさと紀行

 今年も東京国際ブックフェア電子出版EXPOが東京ビックサイトではじまりました。梅雨といっても幸い東京は雨抜き、蒸し暑さだけなので2日間見て回りました。1日8000歩、2日で1万6千歩、その中から2.3ご報告することにしましょう。

毎日、会場ではたくさんのセミナーが開かれていますが、出展企業のメインステージでの公開セミナーにもなかなかおもしろいものがありました。『ジョブスの本、ここだけの話』、講談社が『スティーブ・ジョブス』を紙の本と電子版と同時発売をして話題になりましたが、そのウラ話を凸版印刷のブースで聞いたのです。

写真の左側が講談社の学芸図書出版の青木 肇さん、右側がデジタルコンテンツ営業部の廣瀬良周さん、つまり紙の本を手がけた青木さんと電子版を手がけた廣瀬さんのかけあいの形で進行したのです。この企画は一昨年のフランクフルトのブックフェアでの版権取得交渉に端を発したそうですが、その交渉には莫大なお金が伴うわけで、それにOKを出した野間社長の英断を讃え、、幸い現在で、紙の方は100万部を超え、電子版も5万部を超える好売れ行きと胸を張っておられました。「同時刊行、おめでとう」です。

ただ、紙の本の方が校了にならないと電子版は動き出せないわけですから同時発売はかなり大変なことはよくわかります。まして、この『スティーブ・ジョブス』の場合、たしか世界32ヶ国同時発売という足かせもあったわけですからより大変だったろうと思います。

それにしても、あの名にしおうアップルコンピュタの総帥でアイフォーンやアイパッドの生みの親のスティーブさんが昨年10月に56才という若さで逝かれたのも売れ行きに大きな影響があったのではないでしょうか。

それよりも紙の本と電子版の同時出版はこれから当たり前になるはずです。出版社の編集担当者もハードを受け持つ印刷会社もそれにどのように対応するのか、むずかしい局面に双方がぶつかることになりそうです。ここだけの話、先行きを知りたいものです。

 

 

 

 

 

 

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