活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

のぼり窯と狸

2013-11-24 11:45:26 | 活版印刷のふるさと紀行
信楽(しがらき)といえば、「たぬきの焼き物」を連想する方が多い筈。
 ところが日本最大の「のぼり窯」の窯元に向かう車中での私は 信楽と同じ 日本六古窯の地
瀬戸を思い出していました。
 
 幼いころ、母の実家のある瀬戸にはなんども連れられて行きました。その町角に瀬戸焼の大きなたぬきがいて、そこまで行くとめざす母の家はすぐでした。もう当時は廃業していましたが、母の家も何代もつづく窯元でした。突然、雨が降ってくるような日にはのぼり窯で焚く松割り木を濡らさないように片づける手伝いが大変だったという子供のころの思い出をたびたび聞かされたものです。

 きょう訪ねたのは信楽市内の宗陶苑。さすがに11室からなるのぼり窯は焚き口から斜面に沿って最後尾まで30メートルも登っていくと息切れがするほどでした。この窯は松割り木を一度に千数百束も焚きあげ、1400度Cにも及ぶ高温で焼きしめるというのですからちょっと想像するのもむづかしい感じでした。とにかく、11室に棚組をして満杯にするのに40日、釜焚きは少なくとも7昼夜、さましに3日それがすべて手作業と聞くとなおさらです。

 11月8日が信楽たぬきの日だったそうですが、町のあちこちにたぬきがいて「町の人口よりはるかにたぬきの人口の方が多い」そうです。宗陶苑にもたぬきの大集団がありました。
余分なことですが、私が小さいころ見た瀬戸の大たぬきは立派のモノをぶらさげていたと思います。「タンタン狸の…」、「風がないのに…」とはやしたこともありました。どうも信楽のたぬき君は持ち合わせていないようでしたが。

 
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする