活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

南島原市 がんばれ

2015-01-25 13:57:45 | 活版印刷のふるさと紀行

 南島原市といってもまだ私にはピンと来ません。「キリシタン印刷街道」と名付けて、はじめて加津佐町、口之津町、南有馬町、北有馬町、有家町、西有家町などを訪ね歩いていたころはアタマに長崎県南高来郡と郡名がのっかっていたからです。そんなことはどうでもよいのですが、その南島原市加津佐町の松藤幸利さんから新年第一便が届きました。

 中身はつい、先日1月16日でしたか「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」のユネスコへの推薦が決定して、南島原市のガイド事業に熱心に取り組んでおられる近況報告と長崎放送が19日に放映した特別番組おいしい南島原「キリシタン王国」の録画DVDでした。「キリシタン王国」は南島原有馬の日野江城、島原の乱の原城の紹介が主でしたが、わかりやすくてなかなかの出来でした。

 私の最大関心事、天正少年使節やヴァリニャーノ神父、キリシタン版や活版印刷機ももちろん登場しました。とくに私が興味をもった一つはは昨年4月に南有馬にオープンしたという「有馬キリシタン遺産記念館」の紹介でした。キリシタン版の印刷機のレプリカ、加津佐で最初に印刷された『サントスの御作業の内抜き書』ももちろん展示されていますが、原城や日野江城の発掘にかかわる展示物はぜひゆっくり見たいものです。

 興味をもったもうひとつは地元有馬小学校でクリスマスイベントとして行われたというフェスティビタスナタリス2014のパレードです。聖火を掲げ、頬を紅潮させながらバテレンルックでラテン語のグレゴリオ聖歌を歌いながらの児童の行列は400年前を髣髴とさせてくれました。(上の写真は有馬キリシタン遺産記念館ホームページから)。 昨年の12月6日に行われたものです。

 前回まで3回にわたって紹介した五島のキリシタン史が地味で暗い翳の多いのに反して、キリシタン大名有馬晴信の下でのある時期の信者たちの営みは華美で明るく、まさに「キリシタン王国」であったといえます。この「キリシタン王国」の番組の最後には市長も登場して世界遺産推進の抱負を語っています。、町の歴史、先祖の文化遺産を大事にする自治体に心から応援したい気持ちです。がんばれ、南島原市。



 


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