活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

懐旧 駿河台界隈

2013-02-17 16:43:00 | 活版印刷のふるさと紀行

 冬晴れの風の冷たい中を久しぶりに駿河台を歩きました。駿河台は社会人になって最初に勤めた出版社の所在地ですから懐旧の念ひとしお、ついつい歩き回ってしまいました。

 毎日のように駿河台下の印刷会社から校正のゲラを届けてくれる少女がいました。頬っぺたを紅くして、息をはずませて編集室に飛び込んで来るのでした。錦町や水道橋や岩本町の印刷会社や製本屋さんから来る人はみんな自転車でした。

 坂がきついからかなと思って「おたくには自転車がないの?」とからかったら、「私、九十九里の出身なの、砂ばっかりで自転車には乗らなかったから乗れないの」という返事が返って来て 「そうか」と、納得したものでした。

 今はその出版社のあった場所は大きな予備校のビルになっていますし、病院なども大きなビルに変っていて当時とは町の顔が変わっています。むしろ変わっていないのは御茶ノ水の駅や聖橋や御茶ノ水橋くらいです。

 ここの角に名曲喫茶があったな。ここは理髪店だった。小さいけど洒落たバーがあった。そうだロシアケーキの店がここだった。ここは取次だった、出版社だと本が割引で買えるので、よく新進の作家に頼まれて買いに来たっけ。思い出は尽きません。

 最後に新御茶ノ水ビルディングの最上階のレストランに入って21階から眺望をたのしみました。駿河台界隈は真下すぎて、神田川とJRの線路が目に飛び込んで来ました。

 

 

 

 

 


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