活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

水澤 周が現代語訳した『米欧回覧実記』

2009-03-09 11:11:52 | 活版印刷のふるさと紀行
 いま、手元に現代語訳 特命全権大使『米欧回覧実記』(全5巻)があります。
2005年に慶応義塾大学出版会から出たものですが、底本は明治11年、久米邦武の編著で 刊行されたものです。
 この本や全権大使岩倉具視を団長とする使節団の二年近い米欧視察の旅はあまりにも有名ですから説明の必要はありません。

 それじゃなぜ、私がこの『米欧回覧実記』を引っ張り出したかですが、理由は二つあります。
一つは、岩波文庫に入っている原著は、漢文調でとても私の手に負えませんでした。現代語訳でなら、使節団が見た海外印刷事情などがよくわかるのではないかという期待がありました。
 もう一つは、この本の現代語訳と注に全力を傾注した水澤 周が学友で、発刊時、早々に買い求めたというイワクがあるからでもあります。残念なことに、彼はこの仕事を最後に病没してしまいました。

 前置きが長くなってしまいました。誕生したての日本の明治政府から総勢五十人近い人たちが、米欧を駆け巡ったことで日本のその後に大きな影響を与えたことは
よく知られております。
 次回、岩倉使節団が見た海外印刷事情について述べることにして、今回は現代語訳 特命全権大使「米欧回覧実記」と水澤 周の紹介にとどめます。



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