パーソナルスティトメント。アメリカのプロフェッショナル・スクール入学試験に言う,エッセイに近いもの。就職活動における,自己PR,志望理由などでも苦戦する者が多いのが日本人の一般的傾向でしょう。自己分析し,第三者に伝えるという作業になれていないのが一番の理由でしょうか。
私は,元々銀行員志望でしたので,就職活動で全勝(全焼ではない)するために(金融業界は1回1時間ほどの個別面接を5~7回ほど行って採用を決めていた為),徹底して自己PR,志望理由,業界分析,エントリー段階でいかに突出した印象を与えるか(面接に呼ばれる順番がここで決まる),など徹底的に研究し大きな成果を上げることができました。ですから,ロー入試におけるパーソナルステイトメントもガッツリポイントを稼ぐつもりで準備しました。
まずやったのは,アルク出版の出している,プロフェッショナル・スクールや学部入試用のエッセイの書き方の書物を読むことでした。残念ながら,エッセイ対策の充実度・歴史と比べれば,ロー入試向けのパーソナルステイとメント対策は遅れに遅れをとっており,市販されている物などを読んでも殆ど参考になりませんでした。そこで対策研究が進んでいるエッセイ対策を流用することにしましたのです。
これは大正解でした。エントリーする学部や,プロフェッショナル・スクールの種類により,細かい違いはありますが,ロー入試用に役立つ法則を上げるとすれば,以下のようなフレームです。
①何故,私は法曹を目指すのか
②何故,私は○○法科大学院を目指すのか
③何故,○○法科大学院は私を入学させるべきなのか
この3ステップで書き上げることが極めて有効です。
①は就職活動で言えば,何故この業界を選ぶのか,になります。私の就職活動でたとえると,何故,損保でも生保でも証券でも信託でも長信銀でも日銀でもなく都市銀行なのか,というレベルです。
②は,何故,業界の中でも御社なのか,というレベル。三菱でも住友でも富士でもなく何故第一勧業銀行か,にあたります。
③は何故御社は私を採用すべきなのか,相当するレベル。この点を多くの者が落としてきます。しかし採用側からすれば,自社の発展に貢献する人材かどうかを知りたいわけですから,最初の①②だけでなく③で一気に止めを刺す感じですね。
実は,米国のプロフェッショナル・スクールは人材の多様性を求めますが,その理由は,多様な人材同士が良い意味でインスパイアーし合う事で,授業のレベルを持続的に上げることができる,と考えているからです。ですから,ハーバードの平均的卒業生より,ネブラスカ大学首席卒業者を入学させます。同じようなキャリアの者を大量に採用することもない。一時期冗談で,東大卒・銀行員・男性は一番入学許可を貰うのに不利だ,なんていわれていたほどです(この手の人が多かったから)。
要は,ローの建前も,ソクラテスメソッドや多様な人材の確保,という事になっているので,この点は突くべきなのです。如何に自分は授業に貢献できるか,影響力を発揮できるか,ローの発展に貢献できるかなどを説くわけです。
これら3点について,自分の具体的経験をベースに書いていくことになります。抽象的な言葉は一切の説得力を持ちません。「真面目・努力家・頑張りや・誠実・交友関係が広いなどなど」。無内容な言葉です。「貴方」のことはまるで分からない。私はリクルーターの時に,「面接で,私は真面目じゃないです,責任感がありません,根暗です,リーダーシップもありません,って言う人いるかね?」と質問し返したことがあります。折角の面接のチャンスにその程度の準備でくるのは信じがたい。
相手が知りたいのは,一般的・平均的志望動機ではなく,「貴方(固有)の」志望動機なのです。「お前は誰なんだ,お前は何をしたいんだ,お前はどう貢献できるんだ」ということを(というかそれだけを)知りたいのです。となれば,自己の経験から説き起こさないとお話になりません。しかも①から③について,一貫した「軸」があれば最高です。この点を意識して,パーソナルステイトメントを書けば非常に高い評価を受けることができます。
ちなみにハーバード大学は,当局自らが,「非常に高い評価を与えたエッセイ」を本にして出版しています。英語に自信がある人は参考になります。アルク出版のものも,英文と日本文双方が引用されていますので参考になるでしょう。エッセイを読むのにはあまり高い英語力は要らなかった印象があります。まあ,日本人の英作文ですからね(笑)。
就職活動と同じで,本音はブランド大学や偏差値の高い大学のロー,という事なんでしょうけれど,口が裂けても言えない。そこで,何故慶應か,何故中央か,何故早稲田か,何故東大か(書きたければ出してもいいらしい)などを考えるわけです。すべてのローにコピペできるようなものは,「それなりの」評価止まりということになります。
授業料免除などを狙う場合,パーソナルステイトメントも侮れません。特に慶應は,配点比率まで公表しており,最終段階(要は順位付けレベル)では大きな意味を持ってきます。実はトップ合格を狙っていたので,ここまで対策を講じてみたのでした。
具体的に書く,というのは非常に難しいです。そこで,一気に完成させようと思わず,1,2ヶ月かけて,空き時間を利用して,ネタ帳みたいな感じで,思いついた過去の経験・出来事などをストックしていくことをお勧めします。ネタが溜まって来た段階で,①~③について一貫した軸で書けそうなネタの組み合わせを考える感じになります。ですから,対策自体は,早い時期から適度にやっていくべきです。どうしてもネタ出しは慣れていないと時間がかかります。就職活動をしたことが無い人は尚更だと思いますので少しずつ進めていきましょう。
私は,元々銀行員志望でしたので,就職活動で全勝(全焼ではない)するために(金融業界は1回1時間ほどの個別面接を5~7回ほど行って採用を決めていた為),徹底して自己PR,志望理由,業界分析,エントリー段階でいかに突出した印象を与えるか(面接に呼ばれる順番がここで決まる),など徹底的に研究し大きな成果を上げることができました。ですから,ロー入試におけるパーソナルステイトメントもガッツリポイントを稼ぐつもりで準備しました。
まずやったのは,アルク出版の出している,プロフェッショナル・スクールや学部入試用のエッセイの書き方の書物を読むことでした。残念ながら,エッセイ対策の充実度・歴史と比べれば,ロー入試向けのパーソナルステイとメント対策は遅れに遅れをとっており,市販されている物などを読んでも殆ど参考になりませんでした。そこで対策研究が進んでいるエッセイ対策を流用することにしましたのです。
これは大正解でした。エントリーする学部や,プロフェッショナル・スクールの種類により,細かい違いはありますが,ロー入試用に役立つ法則を上げるとすれば,以下のようなフレームです。
①何故,私は法曹を目指すのか
②何故,私は○○法科大学院を目指すのか
③何故,○○法科大学院は私を入学させるべきなのか
この3ステップで書き上げることが極めて有効です。
①は就職活動で言えば,何故この業界を選ぶのか,になります。私の就職活動でたとえると,何故,損保でも生保でも証券でも信託でも長信銀でも日銀でもなく都市銀行なのか,というレベルです。
②は,何故,業界の中でも御社なのか,というレベル。三菱でも住友でも富士でもなく何故第一勧業銀行か,にあたります。
③は何故御社は私を採用すべきなのか,相当するレベル。この点を多くの者が落としてきます。しかし採用側からすれば,自社の発展に貢献する人材かどうかを知りたいわけですから,最初の①②だけでなく③で一気に止めを刺す感じですね。
実は,米国のプロフェッショナル・スクールは人材の多様性を求めますが,その理由は,多様な人材同士が良い意味でインスパイアーし合う事で,授業のレベルを持続的に上げることができる,と考えているからです。ですから,ハーバードの平均的卒業生より,ネブラスカ大学首席卒業者を入学させます。同じようなキャリアの者を大量に採用することもない。一時期冗談で,東大卒・銀行員・男性は一番入学許可を貰うのに不利だ,なんていわれていたほどです(この手の人が多かったから)。
要は,ローの建前も,ソクラテスメソッドや多様な人材の確保,という事になっているので,この点は突くべきなのです。如何に自分は授業に貢献できるか,影響力を発揮できるか,ローの発展に貢献できるかなどを説くわけです。
これら3点について,自分の具体的経験をベースに書いていくことになります。抽象的な言葉は一切の説得力を持ちません。「真面目・努力家・頑張りや・誠実・交友関係が広いなどなど」。無内容な言葉です。「貴方」のことはまるで分からない。私はリクルーターの時に,「面接で,私は真面目じゃないです,責任感がありません,根暗です,リーダーシップもありません,って言う人いるかね?」と質問し返したことがあります。折角の面接のチャンスにその程度の準備でくるのは信じがたい。
相手が知りたいのは,一般的・平均的志望動機ではなく,「貴方(固有)の」志望動機なのです。「お前は誰なんだ,お前は何をしたいんだ,お前はどう貢献できるんだ」ということを(というかそれだけを)知りたいのです。となれば,自己の経験から説き起こさないとお話になりません。しかも①から③について,一貫した「軸」があれば最高です。この点を意識して,パーソナルステイトメントを書けば非常に高い評価を受けることができます。
ちなみにハーバード大学は,当局自らが,「非常に高い評価を与えたエッセイ」を本にして出版しています。英語に自信がある人は参考になります。アルク出版のものも,英文と日本文双方が引用されていますので参考になるでしょう。エッセイを読むのにはあまり高い英語力は要らなかった印象があります。まあ,日本人の英作文ですからね(笑)。
就職活動と同じで,本音はブランド大学や偏差値の高い大学のロー,という事なんでしょうけれど,口が裂けても言えない。そこで,何故慶應か,何故中央か,何故早稲田か,何故東大か(書きたければ出してもいいらしい)などを考えるわけです。すべてのローにコピペできるようなものは,「それなりの」評価止まりということになります。
授業料免除などを狙う場合,パーソナルステイトメントも侮れません。特に慶應は,配点比率まで公表しており,最終段階(要は順位付けレベル)では大きな意味を持ってきます。実はトップ合格を狙っていたので,ここまで対策を講じてみたのでした。
具体的に書く,というのは非常に難しいです。そこで,一気に完成させようと思わず,1,2ヶ月かけて,空き時間を利用して,ネタ帳みたいな感じで,思いついた過去の経験・出来事などをストックしていくことをお勧めします。ネタが溜まって来た段階で,①~③について一貫した軸で書けそうなネタの組み合わせを考える感じになります。ですから,対策自体は,早い時期から適度にやっていくべきです。どうしてもネタ出しは慣れていないと時間がかかります。就職活動をしたことが無い人は尚更だと思いますので少しずつ進めていきましょう。