黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

夢見症候群

2015年10月23日 15時08分26秒 | ファンタジー

 真偽のほどは不明だが、夢をヒトに語ってしまうと人格破綻や不幸を招くうんぬんという言い伝えがある一方で、「宇治拾遺物語」に、奈良時代の学者・政治家、吉備真備(きびのまきび)は、若いころヒトの夢を盗んで占い師に占ってもらい、それによって大臣まで出世したとされている。真備が出世してほんとによかったのかどうかはともかく、盗まれた方は中央からやって来た、ずいぶんとやんごとない身分の男性だったそうだが、偉くならなかったという。
 しかし、今の夢占いでは、ヒトから物を奪いヒトをだますと損したり不幸になったりし、逆に盗まれる夢を見たら何かいい物が手に入るそうなのだ。
 夢見るヒトの倫理観は、時代とともに変化しているし、ヒトは自分の意志でなかなか夢をコントロールできない。きっと、夢だけが昔からずっと変わらずヒトを導いてきたということだろう。ヒトに限らず、生物という生物は一様に、共通した夢によって支配されている、そのような気がする。
 ところで明晰夢(めいせきむ)というのがあるそうだ。
 睡眠中にみる夢のうち、夢だと自覚しながら見ている夢のこと。明晰夢の経験者はしばしば、夢を自分の思い通りに書き替えられると言っている。ほんとうだろうか。もっとも、映画でやっている他人の夢(意識)の中に入るというのは超能力の範疇なのであり論外だ。
 覚醒しているときに、夢を見るのも明晰夢だという。これについては、私もブログに二回書いた。私の場合、夢だとわかってはいても、思いどおりに変化させるような芸当は無理だ。
 明晰夢とは違うが、同じような夢を繰り返し見続けたため、色があせた夢。
 二つある。一つはブログなどで何度も紹介しているとおり、大海の奥で船がひっくり返るいつもうなされる夢。もう一つは、初めて告白するが、トイレに行っても便器がない、便器がないから小便しないで我慢し続ける夢。この夢もなかなかに苦しい。いずれも自分でコントロールできたら、それに越したことはない。でも夢見ることに慣れてしまった昨今、うなされてもどうということはない。(2015.10.23)

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