黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

夢見のつづき

2015年10月26日 15時36分01秒 | ファンタジー

 睡眠と夢との関係は、なかなかむずかしいものらしく、学識者の間にも見解の相違が見受けられる。
 その一つ。夢を見るのはレム睡眠のときで、脳の活動が低下するノンレム睡眠ではほとんど夢を見ないという点。これに対し、どちらの場合も夢を見ているが、ノンレム睡眠の夢は、目が覚めても断片的にしか思い出せないという別の見解がある。
 レムとは、急速眼球運動(Rapid Eye Movement)の頭文字を取って命名された。つまりレム睡眠時の脳皮は目ざめているときとほとんど変わらず活発だという。

 次に、レム睡眠に関する見解の相違。
 一つに、この状態は、多くの動物にも見られる現象で、発生学的に古い睡眠。外敵に反応しやすいように脳活動を比較的高めにしておき、体だけを休めてエネルギーの消費を抑えている。
 それに対し、鳥類と哺乳類だけにみられる状態がレム睡眠という解説がある。私は古い睡眠説を採る。このレム状態は、夢を見ながら「いらない記憶を消す」「記憶の定着」「脳の成長を促す」などの役割があるとされているがよくわかっていない。
 また、理論的にはヒトより他の動物の方がレム睡眠が長いはず。だとしたら、彼らはみなたくさんの夢を見る(あるいはおぼえている)ことになる。なにせ古い脳で見る夢なのだから、種の古い古い原点に戻るような夢を見るのだろう。たとえば、はなは、広々した豪華な居間にいる、とのの夢を毎晩見ていても不自然ではない?
 一方、ノンレム睡眠は、霊長類など大脳皮質が発達した動物にとって主要な睡眠。
 ヒトでは新生児期の睡眠の多くがノンレムで、大人では睡眠時間の約15%まで低下する。こんなことは経験的に誰もが知っている、つまり赤ん坊は眠ってばかりで、年取るにつれて熟睡できなくなり、よけいな心配事が多くなり、グチっぽくなり退化するということを。

 脳の中を駆け巡る電磁的作用、つまり脳波についてはさらにわけがわからない。ヒトが眠りに入るときは穏やかなシータ波が流れ、眠りが深まり第三・四段階に入ったらデルタ波という活発な電気が増加するのだという。熟睡中の脳波にはどんの役割があるのだろうか。
 ところが、新生児は目が開いているときもデルタ波の活動が活発で、五歳児でも覚醒時のデルタ波がまだ現れている。それが、思春期の十一歳から十四歳ころになると、二十五%程度の減少が起きる。
 一般的に目ざめている成人には、デルタ波の大部分は計測されない。しかし、いくつかの研究では、原初的な感情が極度に高ぶったときや、認知症、統合失調症と診断された成人の場合、デルタ波が増加することがわかっている。

 今回、日本の研究チームは、レム睡眠とノンレム睡眠を切り替えるスイッチを発見した。彼らは、マウスの脳幹という場所にある神経細胞群の働きを活性化させてみた。すると、マウスはレム睡眠をしなくなり、刺激を弱めるとレム睡眠が増えることがわかった。しかし、私には、この実験成果がどうして重大な発見なのかピンとこない。これ以上は私には理解できないので終わりとするが、落ちも転びもなく、だからどうしたで終わるのも味気ないので、結びにひと言。

 先週のブログに書いた小便我慢の夢のつづきを、自身への戒めのため残しておこうと思う。
 その夜はたまたま夢のトイレで、床に開いた穴を私は見つけてしまった。子どものころ田舎で遭遇した恐ろしいヤツ、床板を楕円に切り取っただけのボットン式トイレにそっくりだった。前立腺を失った身には、大惨事を誘発する危険な夢だった。できることなら若いころのノンレム睡眠とデルタ波を取りもどして、すっかり忘れてしまいたい。(2015.10.26)



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