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2018.2.18 『察来山』(590m)

 今日も天気予報は良くなく、

北の方は雪マークなので、また夕張に出かけるつもりでいた。

ただ、昨日の深い雪を思い、今日はスキーで登ることにしていた。

朝7時半に家を出て、Hiromiを迎えに行った。

家を出て少し走ると、私が住んでいるところは少々標高が高いものだから、

ゆるい坂を下って行くときに増毛山地が目に入る。

それを見て今朝はビックリ!

純白の増毛山地が輝いているではないか!

また天気予報にだまされた。

Hiromiを拾ってそのまま北に向かった。

どうせ「今日は雪に降られなきゃいいな」

程度のことしか考えていなかったので、

ゆっくり出発したのだが・・・

全くあてにならない天気予報なので、

今朝の晴天がいつまで続くのかわからず、

Hiromiと二人して、

青空が広がっているうちに早く登ってしまいたいと、

気持ちだけが焦り出す。

そして時間がないことから、目標を『察来山』に決めた。

 

 たっぷり降った雪が木々に大量にまとわりつき、

車を走らせていても周りの景色がとても美しい。

いつも車に乗ると寝込んでしまうHiromiも、

今朝はそんな景色に魅せられ、「綺麗!」を連発する。

また、車を走らせながらちょっと心配していたことがあった。

それは駐車地の問題。

長く降り続いた大雪で除雪が追いつかず、

いつもの駐車スペースが、雪に埋もれているのではないか?

しかし、そこに着いて「ホッ・・・」

道々滝川~浜益線の青山トンネルから浜益方向に少し下ると、

四番川と出合う地点がある。

そこに広い駐車スペースが確保されている。

何故そこに広い駐車スペースが確保されているのかというと、

すぐ近くの上空に送電線が走っており、

送電事業の中でトラブルが発生した際、

緊急車両や工事車両が現場に駆けつけ、

速やかに対処に当たるためだと推察する。

間違っても登山者のためではないこと、

それだけははっきりしている。

しかしながら『察来山』に登るためには、

あまりにも絶妙な地点に確保された駐車スペース。

今回も利用させていただいた。

  毎シーズンのように登っている『察来山』であるが、

ひところは山中で他の登山者に出会ったものだが、

近年は誰にも会うことのない、

静かな山旅を楽しめる環境に変わった。

一見さんが一通り登り終えたということだろうか?

今日も結局我々二人だけだった。

 

 9時30分、駐車地をスキーでスタート。

四番川に沿う林道をたどるのだが、

やはり雪が結構深い。

ラッセルを交代しながら進む。

しかし、Hiromiがラッセルしたあとを着いていくと、

体重が重いせいで、Hiromiのトレースよりもう一段一歩一歩沈むので疲れる。

歩き始めて1時間で林道分岐となる。

この分岐を右に進むと『察来山』方向に導いてくれる。

また左の直進する林道は地形図に載っていないので、

どこまで続いているのかわからない状況だ。

私はいつも分岐の間に張り出した尾根に取り付いて、

尾根筋を登って行く。

短縮ルートだが、傾斜のきつい部分がある。

そこをHiromiがスキーで登れるか少々不安だったので、

遠回りにはなるが、林道を進むことにした。

林道は傾斜がゆるいので楽に進める。

ただ、やはり雪が深い。

そしてCO.390mで林道を離れ、北に向かう斜面に取り付いた。

ここからは傾斜がきついので、

ジグを切りながら進むも、グイグイ高度を上げる。

と同時に背後に複雑な地形を持つ下界の景色が広がり出す。

複雑な地形の南側には『ピンネシリ山』と『神居尻山』だ。

そんな景色を楽しみなが登り、

11時40分、550m台地西端。

登路の林道から見えていた馬の背状の東西に長い台地だ。

ここは南側の雪庇が大きく発達するところ。

ところが今シーズンは雪が多いのに雪庇が小さい。

「へぇ~っ」と思いながら歩いていると、

突然自ら「あうっ!」という声が出てズボッ!

左足がスキーごとクレバスに落ちた。

左足はスキーを装着したままブラブラしている。

「Hiromi~っ!」と声を出したとたん、

今度はHiromiが「あうっ!」、落ちた。

馬鹿だねえ、私が落ちたクレバスのラインと同じところを踏むんだからなあ。

私は自力で脱出したが、

Hiromiはそれができずに「助けて~」。

しょうがないから手を貸した。

深さは2.5mほど。

何事もなくてよかった。

その後この台地東に進んでから、北側にある頂上部を目指す。

そして最後の登り、急斜面の上が頂上となるのでツボ足で登る。

この斜面にも浅いクレバスが複雑に走っており、用心して登る。

12時15分、『察来山』。

ここは増毛山地の展望台。

今日はそんな増毛山地の展望のみならず、

遠く表大雪や十勝連峰もくっきり見えていた。

雄大な風景を心に焼付け、下山開始。

下りはHiromiにとって危険とみなされなくなる場所までシールを付けた状態で下る。

そしてもういいだろうと、私がシールを剥がし始めると、

「何? 何してんの?? まだダメ!」。

そう言ってシール状態でゆっくり滑っていった。

ん?

滑る??

歩く???

そう、歩いているのと変わらない。

いや、それどころか傾斜がきつくなると、

横足歩きで下りだす。

いやあ参った。

こんなにスキー苦手だっけ~???

林道までそうやって下り、昼食としたが、

Hiromiはいつものカップ麺を食べず、

羊羹1個だけ食べて先に下山すると言う。

「うん、その方がいいと思う。私は世界一スキーの下手な登山者」

と言って先に林道を下っていった。

まあ、遅いから私に迷惑をかけたくないとの配慮はわかるが、

スキーが苦手なことは知ってるしぃ・・・

私はゆっくりいつもの袋麺を食べてから後を追った。

そして言うまでもないが、

駐車地に着くはるか手前で追いついた。

結論、Hiromiの下山はスキーよりスノーシューの方がはるかに速い!

 

 何も期待していなかった天候が、

思いもしない幸運をもたらしてくれたことに感謝し、

二人して豊かな気持ちで帰途に着いた。

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