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2019.9.28 『美瑛岳』(2,052m)~『美瑛富士』(1,888m)  ポンピ渓谷を抜けて稜線へ

 28日(土)は全道的に気持ちの良い晴天に恵まれたようで、

山へ出かけた人々はどこに登っても、

とことん楽しめたことだろう。

私のこの週末は土曜日だけの山行で、

金曜の夕方からHiromiと十勝連峰麓に出かけた。

そして土曜の朝7時05分、

白銀荘の駐車場をスタートし、

『美瑛岳』を目指した。

通常「望岳台」からスタートするところだが、

土日は車があふれるので近付きたくない。

今年は紅葉の訪れが遅く、

『十勝岳』の麓あたりは標高が1,000mほどもあるのに、

木々の葉はほんのりと色付き始めたばかりだ。

林を抜けて広大な火山灰地の中の広い登山道を登って行く。

考えると随分回を重ねて登ってきたこのあたりも、

久しぶりに歩いている。

歳とともに人の多いところから自然に遠ざかってきた。

登山道はやがて「十勝岳分岐」へ。

ここから日本100名山の『十勝岳』方面は、

それこそ人が多いのでなかなか足が向かない。

我々は分岐を『美瑛岳』方面に向かう。

「雲の平」の長いトラバースに入ると、

下界の雄大な風景が高度感をもってはっきり見えるようになる。

その中にはスタートしてきた白銀荘の建物も見える。

私は両大腿がどういうわけかだるくて仕方がない。

毎度お馴染みの言い訳で「歳だわ」。

「雲の平」トラバースの方向が東から南に変わると、

目の前に鋭く尖った『美瑛岳』が迫力ある姿を現す。

これが紅葉を交えると大変美しいのだが、

今回はちょっと物足りない。

Hiromiが相変わらずの勢いでどんどん進んで行く。

そして雪解け水に深くえぐられた枯れ沢へ。

これが年々深くなり、ロープとはしごで昇り降りをするのだが、

正直どれほど強固なものかと案じて怖くなる。

昔はほんの2mほどの登下降だったものだが・・・

危険箇所を過ぎるとポンピ沢に向かって緩やかに下っていく。

9時10分、ポンピ沢出合い。

出合いから沢を登る。

沢登りとは言っても水量が少ないので登山靴で十分だ。

私もHiromiもこの奥の渓谷美が好きで、

何度も足を踏み入れてきた。

ポンピ沢の石がゴロゴロした川原を登って行くと、

だるくて力が入らなかった大腿が慣れてきて、

だるさが抜けていく。

巨岩が立ち並ぶ渓谷の風景を楽しみながら、

ゆっくりゆっくり登って行き、

ほんの小沢となった流れに沿って稜線上の登山道を目指し、

急斜面を登って行く。

背後には『美瑛岳』の南壁が迫力ある姿を見せる。

ここでもHiromiは速い。

ルートファインディングを誤って、

随分後ろにいたと思ったら、すぐに追いついてきて先に行く。

そして水が切れたところから始まる火山灰地の登りがきつい。

斜度がある上、足元がザラザラと崩れてさっぱり進まない。

ここでもHiromiは強い脚力をフル稼働させてグイグイ登って行く。

登りつくところは『十勝岳』と『美瑛岳』のほぼ中間点なのだが、

Co.1780、10時30分、

私が広い稜線に登り着いた時には、

Hiromiの姿が小さな点となって更なる上部を歩いていた。

それにしても素晴らしい晴天だ。

青空と下草の紅葉のコントラストが美しい。

登山道を『美瑛岳』に向かって進む。

するとやがて東の裾野に広がる紅葉が見えてくる。

その昔初めてその紅葉を目にしたときは、

何とも言えない美しさに驚愕し、

慌てて斜面を駆け下りて写真を撮りまくったものだ。

それが今回はナナカマドの色付きがまだ浅く、

全体にぼんやりとした印象だ。

それでも足元の赤く染まったチングルマと合わせてよい風景だ。

相変わらず速くは歩けず、

ゆっくりしたベースで進んで行くと、

東に『石垣山』から『ベベツ岳』を経て、

『オプタテシケ山』へと続く山並みが見えてくる。

これがまた美しく好きな風景だ。

そこでHiromiと記念撮影をしたと思ったら、

何やら見覚えのある人物が上部に見えてきた。

Toshiだ!

この日Toshiがこの山に入ることは、

先週の「サイゼリヤ」の席で聞いていた。

しかし、どう入るのかは確認しておらず、

まあ山中でバッタリというわけだ。

Toshiご一行様は、他にMoccanとF女史の3人パーティー。

冷たくやや強い風が吹く中で記念撮影。

 

 Toshiのパーティーと別れたあとは、

一旦『美瑛岳』の頂上へ。

思えばこの頂上、Hiromiと6年前に知り合って初めて登ったものだ。

それ以来この頂上には立っていなかったことを不思議に思う。

11時45分、『美瑛岳』。

本来はそこで下山するつもりだったが、

あまりの好天に欲が出て『美瑛富士』に足を伸ばすことにした。

ただそこからは350mを下り、

約300mを登り返すことになる。

きついがとにかくこの日はいつまでもほとんど快晴だ。

天気は良いが冷たい風が吹き付ける中を淡々と下り、

12時15分、「美瑛富士分岐」。

そしてこの登りが今の私にはきついきつい。

それに対しHiromiは相変わらずの猪突猛進で、

ガンガン登って行く。

ちょっと前までは立場が逆だったのによ~

きつくてなかなか出ない足を一歩一歩、

なんとかかんとかよちよち歩きで前に出し、

12時40分、『美瑛富士』。

ここでようやく昼食とした。

冷たい風を避けて東側の斜面を少し下ってラーメン準備。

ところがここでHiromiが、

「ああっ、カップ麺忘れた!」

Hiromiは毎回カップ麺を用意し、

私は袋麺を二つ持ち歩いている。

そこでHiromiに親切心で言った。

「ラーメン二つあるから一つやる」と。

そしたら「いやいいわぁ、カロリーメイトなんかもあるしぃ・・・」

ああそれならいいかと、

いつものようにラーメン二袋を煮た。

そして食べようとしたところで、

念の為に言ってみた、(しかしそれが間違いだった!)

「食べるか?」

「うん!」

おいっ!!

なんのためらいもなく人がつくったラーメンをむさぼる、

鼻水たらしながら。

こいつに下手なことは言わんほうがいい!

 『美瑛富士』からは分岐まで戻ったあと、

明確な登山道をたどってただひたすら歩く。

登山道は『美瑛岳』の北斜面をトラバースして刻まれ、

ポンピ沢への急斜面を下り、

14時20分、ポンピ沢出合い。

その後またはしごとロープの危険箇所を過ぎて、

あとは淡々と歩き、

15時55分、「白銀荘」駐車場。

急いで片付けを済ませ、入浴もせずに帰途についたが、

日が短くなった今、日はすぐに落ち、

途中でHiromiを降ろして帰宅したのが19時を過ぎていた。

しかし、終日快晴の素晴らしい一日に大満足!

この日の行程は約20km。

ちょっと前ならさほど疲労を感じなかったものだが、

今は大変な行程を消化したことを実感せざるを得ない。

しつこいが、歳だわぁ・・・

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