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2021.3.20 『奔別岳』(ぽんべつだけ・823m)  「キムン芦別川」を足がかりに!

 週末金曜の夜、

Hiromiを迎えに行き、

国道452号線を走り、

三笠市桂沢湖を過ぎた辺りで車中泊。

そして翌土曜日の朝6時45分、

「キムントンネル」三笠側入口横の、

林道入口をスタートした。

今回のルートを選定するにあたり、

絶妙の位置に駐車地を確保でき、

大変ラッキーだった。

スタートしてすぐ北側の沢地形に下り、

そのまま沢形を下降して、

「キムン芦別川」に当てた。

 未踏の『奔別岳』に登るためには、

これまで三笠市奔別川端町から、

「奔別川」に沿って伸びる林道を利用して、

登ることしか考えていなかった。

ところが先日国道452号線の、

「三芦トンネル」から、

上部の尾根歩きを楽しんだ際、

そこで目にした北側の尾根を利用した方が、

面白いんじゃないか、

ということを思い立ち、

天候も安定していることから、

早速実施してみることにした。

 「キムン芦別川」は既に結構開いていた。

予定ではこの川を遡り、

地形図上の枝沢が現れる地点で尾根に取り付き、

「721m標高点」を踏んで、

直接『奔別岳』を目指すことにしていた。

しかし、「キムン芦別川」が結構開けていたので、

渡渉する際に行ったり来たりを繰り返し、

良いポイントを見つけながら進むのが、

時間もかかるし面倒になってきた。

それで急きょ予定を変更し、

「キムン芦別川」を300mほど遡った地点で、

北側の尾根末端に取り付いた。

まだ朝が早いので、

雪面はクラスト状態で、

スノーシューのアイゼンがよく効く。

尾根筋は明瞭で明るい。

針葉樹林が少なく、

ほとんど落葉樹の尾根が続く。

そしてCo.630で背後に、

とんでもない風景が広がった!

樹木が完全に切れ、

夕張山地の広大な風景が目に飛び込んできた。

息を呑む雄大な風景を、

Hiromiとともに楽しんだ。

その後同じく夕張山地の風景を楽しめるポイントが、

進み行く尾根上に何度も現れた。

尾根筋は明るく見晴らしが良い上に明瞭だが、

そこは尾根なりに、

アップダウンがひじょうに激しい。

きついが小型のスノーシューで歩けるだけ、

まだましと言ったところだ。

 素晴らしい晴天の下、

きついが楽しい尾根歩きは、

9時25分、地形図上の「762m標高点」で、

一旦区切りとなった。

ここからは「キムン芦別川」源頭部に下り、

『奔別岳』に続く稜線にのりかえる。

その時点で『奔別岳』と『境山』の間の、

「811m標高点」につなげる尾根を、

なんとか利用したかったのだが、

その下降がクラスとした急斜面で、

危険だったので、

少し戻って一本手前の尾根を下った。

そして200m下り、

260mを登り返して、

『奔別岳』に続く稜線に上がった。

この登りがとにかくきつかった。

稜線に上がると快晴の下、

西側の樺戸山地や増毛山地の、

美しい風景が飛び込んできた。

空は快晴!

その下で夕張山地と増毛山地を、

同時に眺めながら歩く。

贅沢だねえ!

そして11時30分、『奔別岳』

バウムクーヘンならず、

ドーナツによる初登儀式(シケさん発案者!)を済ませ、

さあ目指すぞ『境山』!

Hiromiは二つ返事で「OK! OK!!」

当初より『奔別岳』と『境山』の二座を狙っていた。

稜線上には新たな降雪があり、

少々のラッセルで進む。

その上相変わらずアップダウンもきつい。

そして「811m標高点」を過ぎたときだった。

ここからの細尾根は、

地形図を見て要注意箇所と心得ていた。

進行方向に向かって左側がスッパリと切れ、

数十メートルの落差がある。

また右側は雪庇が分厚く、

大きくせり出している。

Hiromiはここを難なく突破できるだろうか?

いや、やめよう。

もし滑落したら、

取り返しのつかないことになる。

12時05分、『境山』断念。

『境山』までは直線距離で、

400~500mといったところか。

ちょうど昼になったので、

『境山』の姿を眺めながら昼食。

次回は無積雪期に挑もう。

 下山は一旦「キムン芦別川」の源頭部に下り、

「762m標高点」へ登り返した。

この朝のクラスと斜面は、

既に陽に照らされて緩んでいた。

登り返したあとは、

登路の尾根を忠実に下り、

「キムン芦別川」から枝沢に入って駐車地へ。

15時10分、駐車地。

駐車地の林道入口に着くと、

何やら工事関係者が待っていた。

私が駐車した林道入口に、

工事車両を入れると言うのだ。

そのために除雪したのだと。

それなら「立ち入り禁止」とでも書いておいてくれ、

と言って話しは終わり。

なるべく急いで片付けを済ませ、

その場を離れた。

全行程8時間25分。

久しぶりに長くきつい行程を終え、

Hiromiは大満足!

満たされた気持ちで桂沢湖をあとにした。

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