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2021.5.12 『取富多志内』(とりっぷたしない・491m)  荒れているが風景の良い林道

 「取富多志内」、

この面白い点名をもつ三角点ピークを、

地形図から拾い、

登るタイミングを狙っていた。

そして昨日の朝、

新十津川町日進に向かった。

スタート地点となる「日進貯水池」は、

雪融け水が満々と貯えられていた。

貯水池の向こうに頭を見せている、

『ピンネシリ山』が美しい。

今年は雪融けが遅く、

まだ真っ白のままだ。

貯水池の奥へと続く林道には、

ゲートがないため、

自由に車を乗り入れられる。

まあ、ここを訪れる人なぞ、

めったにいないように思われるが。

貯水池の風景を眺めながら歩きたいので、

堤の横に駐車して、

10時ちょうど、徒歩でスタートした。

貯水池を左手に眺めながら、

直線的な林道を歩く。

広くて明るい林道は、

大変気持ちよく歩ける。

貯水池から約2km歩くと、

地形図に記された、

「194m標高点」に達した。

これも地形図に記された通りだが、

それまで実線で表記されていた林道が、

破線表記に変わった途端、

笹が生い茂る、

荒れた林道に変わった。

これでこの先4kmも進めるのか、

と不安になる。

笹を漕ぎながら、

ヘアピンカーブを越えていくと、

突然前方が開け、

空知平野の風景が広がった。

伐採地だ。

これは意外だった。

天気はいいし、

誠にいい眺めだあ・・・

そこで地形図を確認すると、

林道分岐を見落としたことに気付いた。

笹漕ぎで全く気付かなかった。

しかしまた笹漕ぎで戻るのは、

なんだかバカバカしいので、

藪を漕いでショートカットすることにした。

藪は案外薄くて助かり、

上部を走る林道に当てた。

するとどうだろう、

路面に笹はなく、

フツーの林道だ。

ホッとして先に進む。

歩いていくと、

また伐採地に出くわす。

小規模な伐採地だが、

その後3箇所現れた。

伐採地の風景を楽しみながら歩いていくと、

林道が大きく反時計回りで、

蛇行しながら弧を描き出す。

木々の切れ間から、

空知平野の風景が見え隠れする。

この林道は実に風景が美しい。

木々にも若葉が萌えだし、

様々な色をつけている。

そんな風景を楽しみながら歩いていると、

前方が笹に塞がれている。

笹を漕ぐ度にダニがつく。

極力注意しながら、

払い落として進む。

笹は極端に濃い箇所があり、

そんなときは尾根筋に逃げたり、

少々下って回避したりするが、

「今度ばかりはダメか」、

というようなところもあり、

何度かリタイアを覚悟した。

しかし、なんとかかんとか辛抱し、

ようやくピークの基部にたどり着いた。

あとは少々の藪漕ぎで、

目の前のピークに登るのみ。

しかし藪漕ぎで疲れたわぁ・・・

13時ちょうど、三等三角点「取富多志内」

誰も訪れた形跡はない。

笹を刈って標石周りをきれいにしてやる。

そして昼食とした。

そこで思うことは、

ようやく登ってこられた林道が、

この先どこまでもつのだろうか、

ということだ。

笹に覆われた部分は、

この夏更にその密度を増すだろう。

そう考えると、

今回狙ってよかったと思う。

来年なら無理だったかも知れない。

下山はそのまま同ルートを引き返した。

風景のよいところでは、

また写真を撮ってしまう。

午後の日差しの中では、

また違った美しさがある。

登ったピークが見える地点では、

必ずその姿を確認する。

あまり特徴のないピークなので、

その姿を確認するのは難しい。

そして最下部の伐採地手前の藪で、

ピンテを回収し、

伐採地からは、

笹に埋もれた林道を回避して、

沢に下って、

貯水池に続く林道に上がった。

あとは淡々と貯水池を眺めながら歩き、

15時30分、駐車地。

いやあ、きつかったが、

大変楽しく有意義な山行だった。

樺戸山地もじっくり取り組むと、

ひじょうに奥が深く、

まだまだ楽しめる。

 

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