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2021.5.15 『別狩岳』(べつかりだけ・666m)  沢筋から急登を経て

 同一山系に 同名の二山が存在する。

それは『別狩岳』で、

通常北と南の『別狩岳』として区別している。

北の『別狩岳』(726m)と、

南の『別狩岳』(666m)は、

直線距離で約8kmの近距離にある。

今回登ったのは南の『別狩岳』だが、

この山には毎年のように登っている。

全て積雪期で、

今シーズンはまだ登っていなかった。

それでこの度は時期を逸しており、

積雪期に登る、

尾根ルートではなく、

沢筋を詰めて頂上に直登するルートとした。

麓から見上げる上部には、

まだかなり雪が残っているようだが、

心配なのは沢筋の雪渓だ。

雪融けが進んで、

沢が完全に開けてしまっていたのでは、

我々には技術的に突破できない、

函や滝に直面する可能性がある。

まあ、その時は撤退するという、

リスクつきで挑んでみることにした。

 昨日の朝Hiromiを迎えに行き、

当別町青山の「青山ダム」に向かった。

そして8時30分、

「青山ダム」の管理棟そばを駐車地としてスタート。

雪融け水を湛えたたダム湖が美しい。

湖畔林道を歩き、

間もなく現れる分岐から、

西に向かう支線林道に入る。

標高を上げて行くが、

直に下降し出す。

そして下りきると、

「砂金川」が現れる。

すぐそばの砂防ダムを越えた辺りで渡渉した。

そして左股を詰めていくことにする。

その後は川原を歩いて行くつもりが、

ふと気付くと左岸に沿って、

古い作業道跡があるではないか。

この後砂防ダムがいくつか現れたので、

それを築くときに利用されたものだろう。

それで作業道が終点を向かえるまでは、

それを利用して歩いた。

作業道は200m付近で終点となった。

その後平穏な沢筋を行くが、

Co.430で函状地形が現れ、

高巻きを試みるも、

藪が濃くてリタイア。

しょうがないので、

靴中を濡らすことを覚悟で渡渉した。

そこでHiromiが若干靴中を濡らした。

その後また同様の地形が現れたが、

これは30mほどの高巻きでクリア。

それからしばらくは、

特に問題となるところはなく、

傾斜が増してきたので、

アイゼンを装着した。

そしてCo.450で急斜面となり、

一歩一歩慎重に登る。

後ろに着くHiromiが気になる。

ここからは登るほどに、

背後の風景が広がり、

高度感が一気にマックスとなる。

『神居尻山』から『ピンネシリ山』への風景が素晴らしい。

ただ曇り空が残念だ。

Co.550でV字谷を抜けて、

頂上直下の広い斜面に出た。

Hiromiは「楽しい!」を連発し、

無駄にジグを切り、

グイグイ登っていくが、

私はもうヘロヘロで、

最短距離をゆっくり登る。

そして11時55分、『別狩岳』(二等三角点「二番川」)

ここは積雪期にしか登ったことがなかったので、

三角点標石を目にしたことがない。

それを今回頑強な笹の中から、

Hiromiが探しだした。

これは素晴らしい「おまけ」だった。

ゆっくり昼食を摂りながら、

下山のルートを考える。

冬季に利用している、

尾根ルートを下ることを考えたのだが、

下部で融雪が進んでいることから、

笹の海に飲み込まれる可能性を懸念してやめた。

そして登路の沢を下ることにした。

 下山はCo.450までの急斜面が、

最大のネックとなる。

Hiromiに滑落停止動作を確認。

慎重に下りながら、

常に後ろのHiromiに対する注意は怠らない。

何事もなく安全なところまで下り、

「ホッ・・・」

あとは大きなデブリをいくつも越えながら、

慎重に下っていく。

登りで苦労した函状地形では、

もう靴中を濡らしてもかまわないので、

強引に突破していく。

午後は気温の上昇とともに、

水量が増しているのだが、

それでも軽快に渡渉するHiromiは、

全く靴中を濡らすことがなかった。

 沢を下りきって林道へ。

あとは私が「くたびれた」、

を口ぐせのように連発しながら、

淡々と歩き、

14時20分、駐車地。

冒険的な山行に大満足のHiromi。

しかし、それよりも何よりも、

ただ雪の上を歩けた、

ということに、

心から喜びを感じたようなHiromiだった。      

 この後月形温泉で汗を流し、

近くの山中で車中泊とした。

その際見せたHiromiの膝だが、

一週間前の藪漕ぎで何かにかぶれてしまった。

アレルギー体質ですぐにかぶれてしまう。

これではしばらく藪には入れないので、

とりあえず翌日曜日は、

管理道路を歩くことにした。

 

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