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2023.9.3 『空池山』(カライケヤマ・560m)  幻想的風景の中で・・・

 

 先週末、土曜日の夜は、

久しぶりにホームグラウンドの夕張で車中泊とした。

長年親しんできた夕張の地には、

人知れずひっそりと車中泊できるところがたくさんある。

そんな中で今回は、

翌朝登る予定の『空池山』麓で車中泊することにした。

ところがその日、

むかわ町穂別稲里の樹海温泉「はくあ」で汗を流し、

夕張に移動すると雨が降り出した。

天気予報にはない雨だ。

いったいどうなるのかと思ったら、

しばらく降った後止んでくれた。

どうやら小さな雨雲が上空を通過したようだ。

しかし蒸し暑さが続き、

就寝するまで車のエンジンを切ることができなかった。

 日曜日の朝起きると、

辺りは濃いガスに包まれていた。

この日の予報はじきに晴れるとのこと。

車ですぐ近くの紅葉山地区へと向かった。

山裾に沿って伸びる市道を走り、

「紅葉橋」の手前の「山夜沢林道」に入った。

すると道路脇にパワーショベルが停められていた。

「林道工事か?」、

と思ったが、

この日は日曜日だったので、

工事中でも休んでいるはずだ。

市道からいくらも入らないうちにゲートが現れる。

ゲート前に駐車。

その空き地は重機で整地されていたが、

下草が削り取られ、

泥がむき出しとなったので、

雨水が加わってグチャグチャだった。

 6時20分、ゲートを越えるべく前に進み出た。

と、突然林道奥からエゾシカが二頭、

すごい勢いで突進してきた。

あまりのスピードにたじろぎ、

体当たりされるのでは、

と後ずさりした。

するとエゾシカもこちらの存在に気付き、

一頭は山側へ、

もう一頭は沢へと逃げて行った。

エゾシカの慌てようから察するところ、

ヒグマに追われたのだろう。

そしてそのヒグマはまだ近い位置にいるであろうから、

警戒しながら慎重に、

ゲートを越えて「山夜沢林道」に入った。

 林道はやはり重機で整地されていた。

この林道を歩くのはほぼ1年ぶりだ。

年々荒廃が進む林道は、

昨年の時点で車両の通行が不可能な状態だった。

それを可能にしたのか?

 整地されて広くなった林道を歩いて行くが、

やはりウエットでドロドロの林道歩きは不快だ。

しかし重機で整地された部分は、

ゲートから1kmほどで切れ、

その先はこれまでのままだ。

従って車両の走行は不可。

深い雨裂や崩壊地、

おまけに倒木などが次々に現れる。

そんな光景を眺めながら歩いて行くと、

正面に登山道のような小道が見えてくる。

これは上空を走る送電線の作業道で、

この作業道を利用すると、

蛇行しながら上昇する林道を、

かなりショートカットすることができる。

作業道はショートカットして後、

一旦林道に戻るが、

その先で再び作業道に入る。

ここからの登りがルート中最もきついところ。

急斜面にジグを切ってつけられた作業道を登って行く。

そして高度を470mまで上げると、

尾根の頭に上がり、

その先は緩やかな起伏が続く。

 尾根上の作業道は、

薄いガスを通して太陽光が射し込み、

なんとも幻想的で美しい。

その中でHiromiが口にした。

「今日ここに登ってよかったねえ!」

 幻想的な雰囲気の作業道を、

530で離れて藪に入った。

ここからは膝上程度の笹の中を行く。

前夜の降雨で濡れた笹が下半身を濡らす。

緩やかなアップダウンをいくつも繰り返し、

8時15分、三等三角点「空池山」。

そばの立ち木に取り付けられていた、

おなじみの黄色い私製標識がもぎ取られ、

標石の脇に落ちていた。

この標識の作者はそれを立ち木に、

木ネジで打ち込むものだから、

樹木に傷をつけることを「よし」、

としない人もいるのだろう。

標識はもぎ取られただけではなく、

傷もつけられていた。

またこの頃になると、

辺りを覆っていたガスが晴れ、

上空には青空が広がっていた。

 下山は同ルートを下る。

青空の下淡々と下るが、

前日より痛み出した右膝が辛い。

なんとかこらえて駐車地へ。

9時40分、ゲート前の駐車地。

かたずけを済ませて帰途に着き、

途中の由仁町コンビニで、

早い昼食をたらふく食べた。

そして夕方あらためて「反省会」。

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