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2023.9.9 『頗美宇』(ハビウ・171m)  胆振東部地震から5年が経過Ⅱ

 

 土曜日の午前中「花美有山」から駐車地に戻り、

厚真町高丘地区で、

「ヤチセ沢川」に沿って伸びる林道に入った。

この林道も地震でズタズタに崩壊し、

500mほどが修復された。

但しその先は林道が消失したままだ。

ここも高丘地区を走る町道付近は、

表層崩壊が修復されたが、

一歩山に足を踏み入れると、

麓の流倒木は撤去されたものの、

荒々しい崩壊斜面が続く。

 厚真町は林業が盛んな町で、

木材会社が数社あったそうだが、

胆振東部地震がもたらした、

広大な面積の表層崩壊のため、

企業経営が成り立たず、

現在は1社のみが残ったそうだ。

また、この林道の入口にある農家の、

ご主人と話しをしたことがあるのだが、

ハンターでもあるその方によると、

表層崩壊により、

緑が広大な面積において失われたため、

エゾシカが激減してハンティングにならないとのこと。

 林道終点より河原を歩き出した。

「ヤチセ沢川」は水量が少ない割に、

河原がやけに広い。

流倒木がきれいに処理されたところに雑草が生えている。

歩き出してすぐ、

地面に小さなカボチャがたくさん落ちていた。

いったいどういうこと?

 河原にうっすらと残る林道跡を、

300mほど歩き、

東側の崩壊斜面に取り付いた。

その中に枯れた小沢が通っているので、

歩きやすいその中を登る。

すると背後には「ヤチセ沢川」の向こうに、

対岸の崩壊斜面が広がる。

すごい迫力だ。

そなん登りでふと足元にに目を落とすと、

カマキリじゃないか!

カマキリはもともとブラキストンライン(津軽海峡線)から、

北には生息していなかった。

何かの荷についてきたか、

誰かが飼っていたものを放したか?

私は本州で見たことがあるのだが、

Hiromiは初めて見るので、

興味津々で近付いた。

 カマキリを放した後は、

崩壊した急斜面を登る。

ここでもただ土色だった崩壊斜面が、

緑の雑草に覆われ始めている。

 崩壊斜面を登りきって、

藪をひと漕ぎすると、

突然作業道に飛び出す。

おそらく高丘神社そばが入口と思われるが、

この後は作業道が縦横無尽に走っている。

昨年の暮れ訪れた時には、

その作業道をうまくつないで登ったのだが、

雪がなく緑に覆われた世界となると、

勝手が変わってわかりにくい。

利用した作業道が途中で消失し、

一旦引き返す場面があった。

辺りの藪はけっこう深いので、

できることなら作業道をつないで進みたい。

しかしうまくはいかず、

結局藪に入って尾根筋を進み、

奥の作業道につなげた。

そして最後は軽い藪漕ぎでピークへ。

ピークの辺りもまた、

年末の薄い雪の中とはまるで違って、

笹の中で三角点標石をようやく見つけた。

四等三角点「頗美宇」。

 下山は藪へ戻らず、

作業道をきっちりつないでみることにした。

本当に複雑な作業道で、

下がったり上がったりを繰り返して、

元の作業道に戻った。

そこで「頗美宇」までの作業道の仕組みを把握。

それはそれで面白かったねえ。

そしてこの頃になると、

心配していた雨が降り出した。

予報では「降らない」と言うから、

訪れた地だったのに・・・

駐車地に戻っても降り止まない雨に、

この日の車中泊を中止し、

一旦帰宅することにしたて、

表層崩壊が限りなく続く地を離れた。

 

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