2016/3/31 八ヶ岳・日ノ岳稜
目の前の壁を乗り越える。
それは自然な感情なのではないのか?
夢を見させたのは誰だ?
誰でもない。他ならぬ、自分だ。
正解などない。
答えは他人が導き出したひとつのスト-リ-でしかない。
人のことをアテにするな。
自分で探し出せ。
寒さもゆるむ3月末。
下界では早々、桜の開花がすすむ。
八ヶ岳にしても、あの寒さは、もうない。
前夜。
幸い、雪も凍結もなくスンナリと美濃戸まで。
朝は5:30出立。
今回のパ-トナ-はsztさん。
アイゼン登攀はこの冬から本格始動。
とはいえ、体力、バランスの身体能力は充分。
むしろ、仕事にかまけた半年を過ごしたsakの方に不安はあるのだ。
行者小屋前に天幕装備をデポして、向かう先は日ノ岳稜。
数年前に残置と記録の少なさに惹かれてご執心だった時期があって、宿題課題となっていた。
現在はガイドル-トとして整備されたらしく、ネットでの記録も多くなった。
中山乗越から中山尾根を詰める。
樹林帯が終わり、中山尾根下部岩壁が見えるところから、左隣に日ノ岳稜。
日ノ岳ルンゼ大滝(とはいえ、大滝というほどではない)が良い目印となる。
取付にアタリをつけて日ノ岳ルンゼに下降。
雪も締まっており、ロ-プを出さずトラバ-ス。稜に乗る。
取付に残置支点。
1P sak
1mほどの岩棚に乗るのが核心か?
丁度いい所に残置スリング。
ボロボロの岩棚を右にトラバ-スしてリッジを回り込んだら草付のミックス。
2P szt
雪の着いた草付を右上。
その先に見える、リッジを左上する。
3P sak
雪の斜面を直上。
ロ-プはなくてもいいけど、しまうのも面倒なのでツルベで行く。
4P(コンテ)
中間の雪稜帯
気持ちのいい雪稜を行く。
途中、小岩壁を登って上部岩壁下まで。
岩壁下で小休止。
岩壁基部を二人で右に回り込む。
二本目の凹角にペツルとハ-ケンがあり、ここを登る。
5P szt
下部は凹角を行く。
凹角を登りきった所のバルジを左から回り込んでハイステップで上がる。
sztさんナイスリ-ド。
ここが、ル-トの核心だろう。
6P sak
正面のアバタ岩フェ-スを行く。
ル-ト中で一番立ってはいるものの、ガバ続き。
浮石に注意すれば、問題ない。
その上は雪原、ハイマツ、草付をザクザク登ると日ノ岳にポンと出る。
ここで、大休止。
天気もいいし、宿題をやっつけて、最高な気分だ。
おそらくは、sztさんも本格的なアイゼン登攀を感じ取っていただけたであろう。
来年は中山尾根、リ-ダ-としてトライしてみてね。
あとは地蔵尾根を下って、飯食って寝るだけ。
ゆとりと充実感で、行者の夜は更けていく。
sak