acc-j茨城 山岳会日記

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山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

五頭連峰 阿賀野川下ノ沢

2018年08月03日 07時08分49秒 | 山行速報(沢)

2018/7/29(日) 天気:晴れ,風強し,高温

メンバー:szt(単独)

装備(未使用):カムC.0.4,0.5,ロープ(8mm×30m)

7/28 12:00頃発 自宅(つくば)→全部下道でいろいろ走って..→17:30頃着 道の駅阿賀の里

7/29 4:33基点P→4:47入渓→5:24 195m(3:1)二俣→6:39 350m(1:2)二俣→8:09 10mトイ状滝→9:03稜線登山道→9:23大蛇山山頂発→10:49石間登山口→10:57基点P

 

 7月3連休前後から始まった連日の猛暑により,頭も体もバテバテ.ナルミズ沢遡行の疲れも重なって7月21,22日は高原で避暑をするのが精一杯だった.休みを入れたためかようやく気持ちが沢モードになってきた.そうして迎えた7月最後の土日は何と台風がやってくる.さすがにどこにも行けないかと思っていたが,どんどん台風が西へ行ってしまうではないか.中2週を開けるとせっかく山仕様の体になりつつあったのに元に戻っちゃいそう.それは避けたいがために必死でひねり出した行先は新潟県の五頭連峰.

この夏は沢でたくさん涼みたいものだから,完全下道アプローチの結果5時間半かけて目的の沢付近に到着.あまり人家が多そうなところでないためかなり手前で食料調達を試みていたが,道の駅のそばにもコンビニがあるではないか.前日から沢登りにはもってこいの現地の環境にちょっと予想外の展開.予想外と言えば,雨が降っていない様子は予想通りだったものの,台風が来ていた影響から思いのほかムシムシとした暑さのため車中泊をしたもののあんまりよく眠れなかった.

寝不足によって体を動かすことがものすごく億劫であったが,ここまで来てグダグダしていても仕方ないので,3:30頃からダラダラと食事を摂り着替えを済ませて,前日に下見をした基点Pまで移動をする.基点Pで身繕いを整えているうちに空は明るくなり,4:33より行動を開始する.

本来は林道奥の登山口に車を置きたいところなのだが,奥はアブがやや多い上に道中が台風による倒木でふさがれそうな気がしたため,高速の高架にほど近い広い待避所に車を置く.事前情報では踏み跡があるということであったが,何やら立派な林道をつけている最中の様子.とりあえずこの道沿いを歩いて進んでいくことにする.

林道の先まで行くと堰堤の上部に降りられるのだが,そのためにはかなりの急斜面を木につかまりながら降りることに..こんなことなら沢沿いに上がればよかったとちょっと後悔しつつ,4:33下ノ沢に入渓した.しばらくは草地帯やちょっと藪っぽい感じのところを水流に忠実に進む.

しばらく上がるとピンクテープがちらほら見られ,その後はナメっぽい場所が出現してくる.

195mの支沢が入る辺りを左へ進むとゴルジュのような様相に.2m2条CSが出現しネットの記録ではここをショルダーであがっている.確かに微妙にホールドがなく何ともうまく越えられそうにない.ここは割り切って巻きたいがゴルジュのような地形で巻こうにも簡単に巻けず一苦労.貧弱な灌木を何とかつないでたどり左岸を巻く.CSの上からみると大したことないんだけど,,敗退して下降する場合もここら辺の処理はめんどくさそうだ.次の写真は滝上から.

その後の小滝は巻かずに処理し,

2段5m滝が出現.

記録では,下段は左岸を小さく巻いて,上段は右岸を小さく巻いているようだが,一人だしあんまり良くなさそう.ここは左岸をまとめて巻いた方が間違いなさそうなので灌木を掴んで巻いてゆく.巻き自体はまとめて巻けばそれほど苦労はしなかった.

この先もナメや小滝が適度にあらわれてくる.

ナメや小滝はあるものの,所々藪も交じりずっと快適とは言い難い.アブが出てくる時期になっているのか,立ち止まるとアブがやかましい.6時台でも台風のフェーン現象によると思われる暑さのため汗が噴き出てくる.それでも暑ければ沢の中だから頭や体に水を浴びせれば体を冷やせるのがうれしいところ.

ここまで水で遊べれば,たとえ沢を詰めることができなかったとしても十分楽しめたのでは?と思っているうちに3段10mの滝が出現

一段目までは右壁からホールドをみつけ,途中水流を渡り二段目以降は左の草を掴みつつ進んでいく.その先の3m滝を越えると,,,

350m(1:2)の二俣に到着.

ここで小休止後右へ進むのだがその先は9m滝.

記録では,水流右からロープを出しハーケンを打って登っている.近づいて確認するが,ロープがあってもちょっと厳しそうな印象.一人ではとても向かう気がしないので,二俣まで戻り右岸を巻く.右岸巻きは尾根っぽくなっていて容易に巻ける.2人以上できていてもこの滝はあんまり登る気になれないかな?

その後は小滝が連続し,

水流も小さくなってきて確かに終わりが近づいてくる雰囲気となるのだが,この右からの支沢が入る辺りの後に,,,

事前の記録の通り,10mトイ状滝と2段12mトイ状滝が出現する.

ちなみに,下の写真の奥の滝が10mトイ状.

せめて奥にある10mトイ状滝に近づきたいものの,手前の滝はホールドが少なく周囲にも掴まることができそうな灌木がないため,滝を越えることがうまくできない.手前の滝を越えたとしても10mトイ状を巻くのに苦労しそうで,無理をしても仕方ないと思い手前の滝から左岸を巻く.この巻きは左岸が尾根上になっていて比較的容易.

記録では2段12mトイ状は右岸を巻いており,どうみてもこの滝も登れそうになく記録通り右岸を巻く.

灌木を掴んで巻いてゆくが,灌木の下はザレた草付きでちょっと立っており足を滑らせて灌木を離してしまうとちょっとおおごとになりそうな高さ.雑にトラバースせず丁寧に滝上を目指す.

滝上にたどり着けばもうおしまいな感じかと思いきや,,

水の流れがないような滝場が2つ程出現する.この2つの滝?もいやらしく,直登するにはホールドが乏しく,巻くにも沢の地形がお碗状に窪んでいて掴まれるような灌木が少なく貧弱な草ばかり.滝を越えるのに泥だらけになって一苦労した.冬場の雪の影響からこんな地形になるのだろうか?水の流れはほとんど消えており,泥だらけになっても洗い流せない.トホホ...

その後はところどころ左にルンゼ上の地形が出現し,そこを詰めようかという誘惑にかられるが忠実に沢筋を詰めると二俣が出現.

ここを左に進むと灌木が濃くなり15分程進むと9:03稜線登山道に到着.大蛇山の手前の登山道に出るかと思ったが,山頂をちょっと越えたところに出たためほんのわずかに戻って山頂広場で装備を解除する.

山頂は事前の情報通り展望もないため,装備をバラし栄養補給をしたら下山にかかる.何しろつくばまで遠いですからねぇ..

登山道を歩けば,途中阿賀野川を見下ろせるポイントあり,,

佐渡島を見渡せるポイントありと,暑さは厳しいものの強風が吹いていることもあってなかなかに楽しいではないですか.

宝珠山の山頂は眺めも良く,ここで小休止.山の上から海が見えるって貴重だよね.おまけに見えるのは日本海.日本海を山から眺めるって何年ぶりだろう?10年以上前な気がするような...

汗をかきかき登山道を下り,石間登山口を通り過ぎて11時前には車に到着したのでした.

関東ではあの週末の天気だったけど,ギリギリまで情報を集めてよかったと思えた日曜日であった.

 

szt