2005/1月中旬 八ヶ岳西面・中山尾根
未来想像図
時は1975年。さかぼうの幼少時代。
そのころ想像する2005年の未来は、とても科学的な、まさに鉄腕アトムの世界であった。
ただ実際には、どうもピンとこないと言うのが正直なところではあった
それと同様に今から30年後、つまり2035年などと言われたとしても なんだか現実離れしていて遠い目をしてしまうばかり
今ただ一つ、未来に関して想像でき得る現実的なコトといえば、 これから向かう中山尾根。
終了点に着くころにはきっとヘロヘロなんだろうなあということ。 さかぼうの近未来想像図はなんだかとってもヘボかった
前代未聞
下部岩壁
取り付きからいきなりはじめの一歩が出ない
早くも「ヘボ」の二文字が。取り付き一歩目敗退とは一体。我ながら前代未聞の由々しき事態。
ふうぅ。「ちかれたびぃ」(1975年)
開き直って思わずノスタルジ-
と、一筋の光明。半身をずらして凹角へと続くラインが見えた
ガシガシ登ってビレイポイントを一つ見送り、微妙な凹状フェ-スは左カチと右プッシュ。ボディテンションを生かしてなんとか通過。 ロ-プ一杯使って上のダケカンバでビレイ
そこから上はしばらく雪稜が続く
意外
上部岩壁
今年初めのアイゼン登攀もずいぶん慣れてきて意外や意外、気分よくカツカツと前歯に乗り込む
前歯一本での立ち込みなど、スタンスの引っかかりはクライミングシュ-ズのそれと異なるが これはこれで充分信頼に足る。
なおさらこの好天。痛快、爽快なクライミング。この調子でその後の小ハングもサクサク進み、終了点
いやはや快適な登攀にフト思い出す近未来想像図
おぉ、ヘロヘロじゃあないじゃん。全く我ながら見る目がねぇなあと気分良く笑う。
こりゃあ「インド人もびっくり」だ!(1963年)
近未来想像図
2035年
いよいよワシもこんな歳かぁ。と孫に向かって若かりし頃の思い出話を繰り返す日々
お茶の淹れ方にはなんだかこだわるおじいさんにでもなっているのだろうか
社会はどうなっているかなどとてつもなく考えつかなくって「とりあえず自動車は空を飛ぶのかぁ」と ありきたりの想像をしてみる
見る目がねえなぁ
近未来も言い当てることのできないさかぼうに未来想像などとても無理
まぁ、そういうことはとりあえず後にして、いまは今宵の宴に想いを馳せる
そうそう、さかぼうの近未来
今宵は気分の良い登攀に乾杯。普段にもまして杯は進み酩酊するがよし。
これはハズせない。
マチガイない。
sak