2004/12月 妙義・星穴岳
エピソ-ド
ひとつの物語にいくつものエピソ-ド
何気ない日常の中にもキッカケは隠されていて 人々はそれらをみつけては想いを巡らす。そうして創作の楽しさは脈々と受け継がれていくのである
しかし、何気ない日常にウンザリする今があるとすれば 大きな風に翻弄されて疲弊しているか、何気なさに麻痺して視力を失っているかのどちらかではなかろうか
物語には結末がある
感動あり涙あり、最悪の結末もあるだろう。 私たちはそれに一喜一憂し生きていく
登路は矢印の方向へ。
ここが物語の始まりと思えば期待と不安が一瞬のうちに脳裏をかすめる
シ-ン
絵になるシ-ン
瞬間を逃さぬようにシャッタ-を切る
私が名手ならばもっと臨場感を伝えられそうなものではある。
なおさら一流の文章家ならばこのシ-ンを巧みに表現できそうなものだし、 物語家ならば、この鎖一つからエピソ-ドを想像し、たちまち物語が生まれだすことであろう
そう思えば非常に残念だが、絵になるシ-ンに実は何もいらない
傍らで出会えたシアワセを噛み締める
記憶
星穴岳を知ったのはいつのことであったか
思い出されるのは数年前、冊子の片隅にそれはあった
一瞬のうちに興味が湧いた
「難路」という評判よりもむしろ「星穴」とは何かを知りたかった
ココロに響く場所の一つとして記憶の中に星穴は引っかかった
星穴
なぜ星穴なのか、眼前に広がるそれについてはもはや説明するまでもなかろう
たとえ諸説の言い伝えがあったとしてもそれはそれでしかない
不意に一つのエピソ-ドが思い浮かぶ
ここに立つことの叶った者達ならばやはり似たようなことを想いついたかもしれない
ちょっとしたきっかけで欠片と欠片が繋がっていくことは珍しくはない
が、それが一筋のラインを引いていくかといえばそうともいえない
残念だが、それらは最後に行き詰まり、見返してみればその綻びに赤面することすらある
前例に違うことなく、原稿は頭の中でくしゃくしゃに丸められた
最終章
浮かんでは消え、浮かんでは消え
たわいもないアイデアに肉付けをしてみてはゴミ箱に放り投げる
普段のそんな細々とした営みが今は楽しい
星穴にまつわる物語
そう考えただけでも想いは及ぶ
そうして及んだ数ほどゴミ箱に投げることとなるのだろうけど
凡人はやはり凡人で仕方ないと思う。またそれでよかったとも思う
夜空の星はぐるぐる回り、そうして物語は最終章
けど、でも、きっと、新たな新章がまた始まる
sak